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再読『海の見える理髪店』『続・横道世之介』 [読書日記]

ああ、小説読みて~! 

今ちょっとした気持ちの落ち込みを経験中で、本当は本をちゃんと読みたいわけだけれど、持って来ているのは仕事に関係する本ばかり。でも、気持ちが落ち込んでいる時には小説が読みたい。ちょっとした暇な時間があるから余計なことを考えてそれで落ち込んでしまうのだから、そんなことを考える時間を与えぬぐらいに読むのに没頭した方がいい。少なくとも現実逃避できる。

海外駐在していて、新しい小説を読みたければ、キンドルでダウンロードすりゃいいわけだけど、そこまでする気にもなれず、それなら過去に読んだ小説でも読み返すところから始めことにした。


それで今週後半、急に読み始めたのが荻原浩『海の見える理髪店』吉田修一『続・横道世之介』

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海の見える理髪店 (集英社文庫)

海の見える理髪店 (集英社文庫)

  • 作者: 荻原浩
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/07/05
  • メディア: Kindle版
2016年9月に読んだ時と現在との大きな違いは、僕自身が父を亡くしたことである。そして、改めてこの短編集に収録されている作品の中で、父と自分との関係を描いているのは、標題にもなっている「海の見える理髪店と「時のない時計」だった。特に後者は、実際に父を亡くしていて、かつその主人公が年齢的に今の僕とほとんど同世代である。父の形見分け―――というか、父がなぜかため込んでいた帽子やバッグ、防寒着、ネクタイ、さらには介護施設生活用に買い置きしてあった肌着類も、母から「持って行って」と言われ、今回の海外赴任に持って来ている。自分の嗜好とは随分と違うし、似合わないものも多い。バッグに至っては、当地で使い始めてすぐに糸がほつれ始め、それをどう修繕するかで頭を悩ませている。

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