『正信偈入門』 [家族]
内容紹介【購入】
親鸞が浄土真宗の教えを120句にまとめた「正信念仏偈」について、幅広い仏教研究の成果をもつ著者が読み解き、その肝要を解り易く説く。現代語訳と詳細な語註が付された入門書。
前回、読書に関する2021年の目標について述べた際、その3つ目の項目として、「わけあって、浄土真宗に関する文献を読む」と書いた。今回はその第1弾。
どんなわけがあったかというと、実家の祖母が2002年に亡くなって後、父が続けてきた勤行を、僕がやることになったからである。祖母の後、父は十数年、朝のお勤めを続けてきた。しかし、70代も後半になると、膝を痛めて正座もすることがままならず、たまに僕らが帰省しても、父がお勤めをしているのを見かけたことが無くなった。歩かなくなったので体重が増え、それで余計に歩けなくなっていった。
その父が、先月中旬、急に具合が悪くなって、一時は寝たきりになった。意識も混濁して、すは認知が始まったかと僕らも観念したことがあった。新型コロナウィルス感染拡大の状況の中、あまり褒められたこととは思えないが、母が1人で老老介護をやって共倒れになるリスクも高まったため、やむにやまれず帰省して、年末年始を父に過ごしてもらえるショートステイ先をなんとか確保し、介護初期の交通整理をしてきた。
時は年末、大掃除の時期である。母からは仏壇の掃除もやらねばならぬと言われ、同じく実家に顔を出してくれた弟とともに、仏壇と仏具の掃除をやった。その際、父には車椅子に乗った状態で監督をしてもらった。
掃除が済めばお勤めだ。『真宗大谷派勤行集』を手に取り、『正信偈』と『和讃』を読誦し、蓮如上人が著したといわれる『御文』を読む。これまで祖母が務め、その後は父が務めてきたリード役は、父が車椅子なのでできない。よって子どもの頃からよく勤行集を読んでいた僕が、その役を務めることになった。
大変だった。