SSブログ

2020年の読書まとめ [備忘録]

2020年の読書メーター
読んだ本の数:207冊
読んだページ数:53165ページ
ナイス数:1061ナイス

207冊! 久しぶりの年間200冊越え。頑張ったなぁ。

まさか1年間ずっと日本にいられると思わなかったが、コロナの巣ごもりを利用して、長年積読状態だった洋書だの専門書だのを片っ端から通読することができた。読書メーターで長年、「読みたい本」リストに挙がっていた文献についても、入手困難なものには見切りをつけてリストから外す措置をとり、借りられるものは図書館で借りて、とにかくリストの圧縮に努めてきた。

新たに蔵書に加わったものや、読みたい本リストに加わったものがあるため、見かけの冊数はあまり変わっていないが、長年リストに残っていて橋にも棒にもかからぬ本は、かなり減ったと思う。いわば、読書管理リストの大掃除だった。

わりとすっきりした状態で新年を迎えたが、今年の目標は以下の通りだ。

1.『国富論』(アダムスミス)や『資本論』(マルクス)など、なるべく古典を読む。

2.インドを含むアジアの開発問題に関する文献を重点的に読む。

3.わけあって、浄土真宗に関する文献を読む。

4.小説では、宮本輝、垣谷美雨作品は重点的に読む。SFとして藤井太洋作品に挑戦する。


続きを読む


nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:

『新興アジア経済論』 [時事]

新興アジア経済論――キャッチアップを超えて (シリーズ 現代経済の展望)

新興アジア経済論――キャッチアップを超えて (シリーズ 現代経済の展望)

  • 作者: 末廣 昭
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2014/07/30
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより) グローバル化、経済自由化、IT革命…国際環境は大きく変化している。その動向を追いながら、中国の台頭、域内相互依存の深化、「中所得国の罠」、人口動態や国内格差といった社会問題にも着目して、従来の「キャッチアップ型工業化論」を刷新する。
【会社の図書室】
著者が2000年に『キャッチアップ型工業化論』という本を出された直後、僕は当時通っていた大学院で、この本をテキストに使った講座を履修したことがある。僕は1980年代後半に別の大学で学生をやっていた当時、当時一世を風靡していた「雁行型経済発展論」を少しかじったことがあるので、それとどこが違うんだ最初からこの講座で批判的な発言をして、担当教授を激怒させ、途中から講義室に行かなくなった。その後、「大いなる収斂」のような主張も出てきていて、平均で見た場合の国家間の格差は収斂してきていて、見た目はキャッチアップが進んでいるようであり、なおのこと「キャッチアップ工業化とは何だったのか」がわからなくなりつつあった。

その提唱者が、2014年に、サブタイトルに「キャッチアップを超えて」と付された新たなアジア経済論の本を出された時、早く読もうと思った。でも、近隣の市立図書館には所蔵されておらず、いきなり買って読むほどには僕も勇気がなく、躊躇している間に5年半が経過してしまった。その間に、SDGsは制定され、気候変動対策がかなり前面に出てきた。アジアが生産面でも消費面でも世界経済を牽引しているという認識には異論はないが、今のような状況になってくると、世界経済を牽引しているアジア地域で、新興国やASEAN諸国が、気候変動対策にどう取り組んでいくのかには関心もあるが、本書の発刊ではそこまでは言及されていない。その点では少し古さも感じるし、本書発刊後に各国で行われたであろう人口センサス等の統計を踏まえて、何が変わってきているのか、アップデートするような新たな文献には触れる必要があるかもしれない。

とはいえ、自分の理解を現在にまでアップデートしていくためには、2014年時点でのアジアのスナップショットを、ベースラインとして理解しておく必要はあると思う。本書で出てくる大泉『老いていくアジア』や『消費するアジア』は、発刊直後に一度読んでいて、アジアの高齢化や中所得者層の台頭については、それなりの理解はしてきたつもりだが、そういうのも全部まとめて、一度整理したい。そういうニーズには本書は応えてくれる良書だと思う。

続きを読む


nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ: