『恋に落ちた哲学者』 [読書日記]
内容紹介
男女3人の奇妙な共同生活、
教え子との禁断の恋、
束縛しない契約結婚、
幼少時のトラウマと淫蕩生活、
禁欲的な抑圧の反動、
患者との不倫、
ニーチェ、サルトル、ウィトゲンシュタイン、ハイデガー、ユング、バタイユ。6人の哲学者たちの濃ゆい恋愛を描くオムニバス・コミック。
週末の読書日記は、軟派な題材選択となりますがお許しを―――。
ニーチェやサルトルという哲学者の名前、僕らの世代は、彼らの業績についてはまったくわかってなくても、その名前だけは野坂昭如のサントリーウイスキーのCM(1976年)で覚えた。それが、今の子どもたちは、こういうコミックで覚えてしまうものらしい。時代は変わったなぁ。
そもそもの経緯は、今週木曜日の我が家の食卓。この日の出勤を終えて、英語でのオンラインイベント2時間に、かなりシリアスな業者向けオンライン説明会2時間を傍聴し、さすがに疲れ果てて、僕はその後の事前申し込みをしていた別のオンラインイベント2件を欠席してしまった。19時30分に帰宅して、そのまま晩御飯の食卓についたが、疲れていたこともあって、泡盛のロックで1人晩酌を始めた。
その時、何かの拍子で、高校の社会科科目の構成の話になった。僕らの世代は日本史、世界史、地理、政治経済、倫理社会。少し世代が下がる妻の世代は、公民科目が現代社会、倫理、政治経済の3科目になった。そこで、今の高校社会科では、哲学はどこで教わるのか、ハイデガーやニーチェ、サルトルはどこで取り上げられるのかというのが、食卓にいた妻と僕、高2の次男との間で話題になった。
すると、それを聴いていた大学3年生の娘が、「なんかどこかで聞いたことがある人の名前ね~」と反応し、自室にすぐに戻り、書棚をあさって探してきたのが本書である。2013年4月発刊で、娘がいつ頃この本を購入したのかは知らない。中高と漫画文化研究会で過ごした娘は、BL系の蔵書も隠し持っているらしいが、この手のイケメン男子が出てくる胸キュン系のコミックも豊富に持っている。
そういうところから、ニーチェやサルトルの名前がインプットされているのである。