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『SDGs(持続可能な開発目標)』(中公新書) [持続可能な開発]

SDGs(持続可能な開発目標) (中公新書)

SDGs(持続可能な開発目標) (中公新書)

  • 作者: 蟹江 憲史
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2020/08/20
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
SDGs(持続可能な開発目標)は、国連で採択された「未来のかたち」だ。健康と福祉、産業と技術革新、海の豊かさを守るなど経済・社会・環境にまたがる17の目標があり、2030年までの達成が目指されている。「だれ一人取り残されない」ために目標を設定し、達成のための具体策は裁量に任されているのが特徴だ。ポスト・コロナ時代に、企業・自治体、そして我々個人はどう行動すべきか、第一人者がSDGsのすべてを解説する。

最近、SDGsをタイトルにいただいた本を書店店頭でやたらと見かけるようになった。面白いことに、ほとんどの本がビジネス書のコーナーに配置されている。国際情勢とか各国事情のコーナーではない。

また、新聞紙上でもSDGsという言葉をやたらと目にするようになった。2015年9月にSDGsが制定された当初は、せいぜい朝日新聞か東京新聞ぐらいだったが、今や日本経済新聞では毎日のように取り上げられ、しかもSDGs絡みのビジネスサミットのようなイベント告知広告もデカデカと出ている。もっと驚いたのは、日刊工業新聞ですらSDGsの特集ページが週1回取り上げられていたことである。僕は新聞をあまり購読してないので他の全国紙はしっかりフォローしてないが、今は某Y新聞に勤めている大学時代のサークルの友人から声をかけられ、同紙が後援している高校生による海洋プラスチック問題解決の研究プロジェクトに関わらせてもらっている。

海洋プラスチック問題はちょっと脱線したが、ここで指摘したいのは、SDGs制定に最も敏感に反応した日本のアクターは企業だったという点である。それと、そんなコーナーが書店にないからあくまで印象論に過ぎないが、もう1つの重要アクターは都市を含む地方自治体であるという点も付け加えておく。

2000年のミレニアム開発目標(MDGs)の時代から国際開発目標というのを追いかけていた立場の人間としては、ビジネスセクターと自治体がSDGsにこれほど敏感に反応したというのは驚きだった。MDGsは目標の多くが開発途上国を対象としていたので、これに関心を持っていたのは国際協力に関わっていた政府(主に外務省)であり、援助機関であり、そして国際協力NGOぐらいしかなかった。それがSDGsの時代になると、政府内でも発言が目立つようになったのは環境省であり、「SDGs未来都市」を推進する内閣府である。そして、ビジネスセクターや自治体が目立つようになり、相対的に援助機関やNGOは印象として存在感が薄れた。

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