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自著刊行決まったようです。 [ご挨拶]

今年の年始の目標の5番目に、「2019年に出せなかった本を必ず出します」と書きました。

年明けすぐに再構成してリライト作業をやろうと思っていたのですが、思わぬ仕事が入ってしまい、その仕事絡みで職場の上司や同僚に振り回されて、しばらくリライトをやる心の余裕を無くしていました。

6月、以前仕事でお世話になった方から、回顧録を自費出版したとのことで1冊頂戴し、読んですごく刺激を受けました。在宅勤務の合間にリライト作業を10日ほどで終え、狙っていた出版社に企画書と一部原稿を提出しました。

7月8日に連絡があり、出版企画案が通ったと聞かされました。刊行されれば、日本語では2冊目の単著となります。目標達成にめどがたち、ちょっとホッとしています。

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『2030年の世界地図帳』 [持続可能な開発]

2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望

2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望

  • 作者: 落合 陽一
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2019/11/14
  • メディア: Kindle版
内容紹介
落合陽一がはじめて世界と未来について語る
2030年の世界を見通すSDGs。これから2030年までに何が起こるのだろう。未来を予測するためのデータには、様々なものがありますが、ひとついえるのは、これからの社会は今までとは全く違ったルールによって営まれるということ。現在の世界はどうなっているのか、これから世界はどこに向かっていくのか。SDGsの枠組みを借りながら、世界の問題点を掘り下げると同時に、今起こりつつある変化について語ります。

久しぶりにSDGsとまともに向き合った気がする。

2015年9月の制定から間もなく5年になる。以後、SDGs主流化の取組みを国連――というか国連開発計画(UNDP)が独占していた国に駐在していたりして、僕自身はSDGsと距離を置いていたのだが、2019年4月に帰国して、SDGsロゴのピンバッジを装着している通勤ビジネスマンが急増しているのには本当に驚いたし、「SDGsはビジネスチャンス」とばかりに、ビジネス書としてSDGsを扱っている本も書店店頭に並ぶようになってきた。僕自身も「Sanchaiさん、SDGsコンサルタントやったら食べていけるのに~」と言われたことがあるが、本当にそうだったようで、それを売りにしているコンサルティングサービスも急増した。

制定前の経緯を知っている者としては、この広がりは素晴らしいものだと素直に歓迎する。それでもSDGsを扱った本を読まなかったのは、自分自身でも書けたのではないかとのやっかみもあったことは認めたい。

そんな日本のSDGsは、今、新型コロナウイルス感染拡大の脅威にさらされているように思う。SDG3(すべての人に健康と福祉を)の達成が危ぶまれるからというだけではない。ビジネス界がSDGs制定時に最もポジティブに反応したということは、企業業績が悪化した場合には「それどころではない」として掲げた旗を引っ込める可能性もあるということだ。僕に近い方からも、「今はSDGsと言っても受けない」と言われた。それなら最初からSDGsで儲けようなんて考えんなよと白けてしまったが。

こんな時だからこそ、落ち着いて普遍の価値観と向き合いたいものだとも思う。近所のコミセン図書室も7月からようやく貸出業務を再開したので、そのトップバッターとして手に取ったのが、本書であった。

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トランスローカルマガジン『MOMENT』 [持続可能な開発]

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MOMENT 1
URL:https://moment-mag.jp/index.html
内容紹介
 都市圏の人口増加やGAFAをはじめとするプラットフォーム企業の台頭が起こるなかで、都市の生態系は大きな変化を迫られています。ーこうした状況の中で、私たちは都市/まちでいかに生き、暮らし、働き、遊ぶのか?
‍ 創刊号の特集はエイブルシティ。バルセロナ、アムステルダム、奈良、熊本、各地をめぐって、「人の可能性をひらく都市」のあり方を考えます。いかにしてまちの風土や歴史、リソース、コミュニティを結びつけながら、市民が主体的に暮らしをつくりだしていくのか。一方で、懐古主義に陥らず、新しいテクノロジーとの関わりのなかでいかにしてまちの仕組みを更新し続けるのか。Walk-ableにLiv-able、Play-ableにHack-able……世界の都市が取り組むエイブルなまちのための実践を探ります。

1年前、仕事で知り合った方に勧められ、このトランスローカルマガジンと呼ばれる雑誌の創刊号を買ってみることにした。バルセロナにおける市民主体のガバナンスの取組みには関心があったし、何よりも本誌を紹介して下さった方からは、ファブラボ阿蘇南小国の紹介記事が載っていると聞かされていたからだ。

実際読んでみたら、「ファブシティ・グローバル・イニシアチブ」についても結構な解説がある。特集自体が、循環経済を志向する自給自足型の都市に関するもので(しかも、各々の都市間でもの(物質)が輸送されるのではなくデータやアイデアが共有されるという点で、「トランスローカル」といえる)、かつ市民自治に必要なデータ自体をセンサー内蔵のデータロガーを市内各所に配置して、市民自らがデータを集めて行政に対して発言力を強めようとする取組みまであるわけで、そもそもこの雑誌の創刊趣旨自体がファブシティとは親和性が高い気がする。

そして、ファブラボ阿蘇南小国のような地方の特色あるファブラボというのも、ファブラボ自体がグローバルなネットワーキングを志向しているものなのだから、ファブシティではなくても、「トランスローカル」だとは言える。

大変に勉強になった1冊である。実は、この雑誌で得た情報を膨らませて、僕は昨日英語で1時間ほどのプレゼンをzoom経由でやることができた。6月に読んでいた文献のほとんどもこのプレゼンにつながっているのだが、ことファブシティに関しては、MOMENT第1号が最も詳しく、参考になった。おかげさまで、プレゼンは無事終わった。

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『WIRED』日本版VOL.37 [読書日記]

WIRED(ワイアード)VOL.37

WIRED(ワイアード)VOL.37

  • 出版社/メーカー: コンデナスト・ジャパン
  • 発売日: 2020/06/23
  • メディア: Kindle版
内容紹介
◆SPECIAL FEATURE BRAVE NEW WORLD◆
特集:Sci-Fiプロトタイピング
新しい世界がやってきた。必殺の概念や素型や行動がもはや通用しない、見通しの利かない世界が。しかし、そんないまこそSF作家の言葉に耳を傾けたい。彼/彼女らが生み出す「虚構性を孕んだナラティヴ」は、混迷の時代を攪拌する未来からの視線に溢れているからだ。かつてSFの父ジュール・ヴェルヌは「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」と語ったが、ありうる未来を準備(=プロトタイピング)した今号を実装せしめるのは、あなたかもしれない。
『WIRED』日本版VOL.37は、フィクションがもつ大胆かつ精緻な想像力から未来を構想する「Sci-Fiプロトタイピング」を総力特集。誰も予想できない未来へと現実が分岐したいま、ありきたりな将来分析にもはや価値はない。SF的想像力こそが、FUTURES LITERACY(未来のリテラシー)の必須条件となったのだ。ウィリアム・ギブスン、齋藤精一、藤井太洋、柞刈湯葉、樋口恭介、津久井五月、吾奏伸、石川善樹、北村みなみ、ナシーム・ニコラス・タレブ、ステファノ・マンクーゾ、ドミニク・チェン、塩浦一彗、山形浩生、水口哲也、パラグ・カンナ、篠原雅武、ジュリエン・ノリン、川田十夢、水野祐、筒井康隆、ほかが登場。

新型コロナウィルス感染拡大により、週2回程度の通勤以外は平日は在宅で、週末に特別な行事も入れられず、かつ参加するイベントもオンラインがほとんどである。僕の場合は加えて左肩関節痛(いわゆる五十肩)のリハビリのため、週1回近所の整形外科に通っている。よって、今は基本的に自宅と職場と病院の3地点間の往来しかしていない。買い物も近所のコンビニかドラッグストアで済ませている。

たまの通勤の帰りに、自宅最寄り駅で下りて本屋に立ち寄ることもある。先週の出勤の際、帰りにちょっと道草したくなり、久々に本屋に入って雑誌の棚を物色していて、ダークブルーの派手な背表紙が棚に5冊ほど押し込まれているのを発見した。

幅1.5センチほどの背表紙に、よ~く見ないとわからないほどの小さな文字で、『WIRED』とあった。確かにWIREDの背表紙はふだんからこんなデザインになっているが、おどろいたのは判が四六判に変更になっていたことだ。紙の節約でも狙ったのだろうか。

パラパラとページをめくると、広告のページがものすごく少ない。そのわりに、記事と記事の間に見開き2ページにまたがるイラストをドカンと挿入していたりする。デザイナーさんがいらっしゃるのだろうけど、僕にはそのセンスがよく理解できない。とはいえ、こういう編集、デザインなのはこの手の雑誌ではいつものことなので、理解できない自分の感性に問題があるのだろうと自分に言い聞かせ、WIREDだからというので1冊買った。

特集は「SFがプロトタイプする未来」。ポストコロナ時代の世界や社会のあり方をSF小説家が描いている。なんだか1冊まるごとSF短編小説集を読んでる感じ。

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