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『機関銃英語が聴き取れる!』 [英語一期一会]

機関銃英語が聴き取れる!-リスニングの鍵はシラブルとビート

機関銃英語が聴き取れる!-リスニングの鍵はシラブルとビート

  • 出版社/メーカー: 三修社
  • 発売日: 2009/05/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
ネイティブ英語でまくしたてられると怖い!その原因は英語と日本語のリズムの違いです!
シラブルとビートの違いを意識すれば、英語が「言葉」に聞こえ始める!
『英語喉 50のメソッド』のリスニング版がついに登場
・ネイティブ同士の速い会話を聞いていると気が遠くなる。
・リスニング力がなかなか伸びない。
・英語で話すと何度も聞き返されるので無口になる。
という方に最適です!実は、喉の音に耳をすませばいいのです。

外出自粛の週末読書の4冊目。同じ著者の『英語喉』は6年前に図書館で借りて読み終えているが、本日ご紹介の著書は図書館にも所蔵しておらず、中古で購入した。

『英語喉』を読んだ時に、本文で英語があまり出てこないので驚いたというようなコメントを書いているが、その理由は、付録のCDにあったのかもしれない。残念ながら、図書館で借りた時にはCDまで付いていなかったので、内容確認できなかった。

それに比べて、今回は中古とは言え付録のCDが付いた状態で購入できた。これと併せて利用してみたら、CDの方が結構いいことがわかった。本書のサブタイトルに「リスニングのカギはシラブルとビート」とあるが、文字情報だけじゃなく、シラブルやビートは実際に聴くとどう聴こえるのかがよくわかる。また、例文も日本を紹介するような会話や説明文が使われていて、使用頻度が高そうだ。

この手の英語学習法の本は最近ほとんど読んでない。というか、少なくともネイティブに英語をまくしたてられて「怖い」と感じるようなフェーズはとりあえずは卒業したと自負しているので、今の僕自身のニーズには本書は合わないと思う。但し、日本人の苦手な子音のペアのうち、VとB、Zとthは僕も時々聴き間違えるというのは確認した。

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再読『政党から軍部へ』(日本の近代5) [仕事の小ネタ]

日本の近代5 - 政党から軍部へ 1924~1941 (中公文庫)

日本の近代5 - 政党から軍部へ 1924~1941 (中公文庫)

  • 作者: 北岡 伸一
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2013/06/22
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
原敬没後、軍部の介入と党内対立に苦しみ続けた政党内閣は五・一五事件で潰えた。軍部は日中戦争を引き起こし、二・二六事件を経て時代は「非常時」から「戦時」へと移っていく。しかし、昭和初期の社会が育んだ豊かで自由な精神文化は戦後復興の礎となったのだ。昭和戦前史の決定版。

外出自粛の週末読書の3冊目である。これも、先週末の三連休が明けて以降、毎日少しずつ読み進めていたもので、今週末までに残っていた200頁少々を、半日かけて全部読み切った。

とはいっても再読である。前回は市立図書館で借りて単行本として読んだが、今回は中公文庫から出ている文庫版を取り寄せた。感想については前回のものが相当書き込まれているので、今回は軽めにしておく。

2カ月前に読んで以降、自分なりに歴代首相のリストとか、戦前の政党変遷図を本書収録のもの以上にシンプルにしたものを作る作業とか、そういうのを仕事の一環でやっていた。その作業をやる過程で、何度か本書は参照させてもらった。特に、戦前の歴代首相がどちらの政党(政友会 or 民政党)出身なのか、あるいは軍人出身者なのかとか、なんでその政権が倒れちゃったのかとか、そういうのを調べるには本書はとても役に立った。

今回最初から通して読み直してみたのは、そうした取組みの復習も兼ねたもので、この2カ月の間に関連書籍も含めてそれなりに調べたものもあるので、誰が誰なのかがある程度認識できるようになり、それも本書再読の際の理解を助けてくれたと思う。

なんで日本は戦争に向かっていく流れを止められなかったのか?―――僕たちが常に何かしらを語れることが求められる問いだと思うが、本書はこれを、政党政治の腐敗、元老の死去、軍部の台頭といったところから描いている。また、その過程で、不平等の拡大や、世界恐慌化での国民生活の窮乏にも遠因として言及している。

その上で少しだけ補足しておくと、多分他の著書の執筆過程で調べられたからというのもあるのだろうが、清沢冽とか宇垣一成に対してはポジティブな評価をされているように見受けられる一方、石原莞爾や近衛文麿の描き方はかなりネガティブだった。著者の視点によって人物評価にバラつきがあるのは致し方ないところである。当時の関係者が日記をこれだけ残しておられるのにも驚いたが、学者はこれだけの文献をしっかり読み込んで、それで真実に迫っていくのだというのにも感銘を受けた。

こうした二次資料でにわか勉強したぐらいじゃ、とうてい太刀打ちできないわ…。

これで本当にひと区切り。日本の近代化に関する蔵書はこれでクリアしたし、これからは別のテーマの本にももう少し挑戦していきたい。(が、その前に積読状態の蔵書を圧縮する作業をもう少しやっとこう。)

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ジュガード3.0 [仕事の小ネタ]

SimoneAhuja.jpgSimone Ahuja
JUGAAD 3.0
Penguin Random House, 2019

アマゾンURLはこちら


内容紹介
どの組織であっても、生き残り、さらにこれまでよりも良くなるための最良の機会は、その組織自身の中にある―――本書はこれを証明するために書かれた。 進歩的であることが確かで、行動施行で、そして何よりも息つくひまもないディスラプションという背景に対し、確立されたビジネスのDNAは再調整を求められている。贅肉の少ない企業家精神を巨大企業のコアコンピテンシーにする、大きなうねりが始まっている。 多くのインタビューと、企業に対するコンサルティングにより、本書は、企業内ハッカーが有するコンピテンシーが何かを突き止めようと試みる。本書はまた、人々が自身をこの趨勢の中に位置付け、組織がその内部にいる革新者を特定できるようになるための模範形の提示を試みる。

外出自粛の週末読書の2冊目である。実際は、先週末に『英語教育が甦るとき』を読み終えた際に、少し英語音読をやりたいと思い、適当な蔵書を探したというのが発端で、1日1章、約20~25頁というペースで毎日シコシコ読み続けてきた。今週末を迎える時点でまだ50頁ほど残していたが、これを土曜午後に一気に読み進めて読了した。

この著者の共著作『ジュガード・イノベーション』は2012年12月に読み、その邦訳『イノベーションは新興国に学べ』は、2015年11月に読み終えた。ジュガード(JUGAAD)って何かという疑問を持たれる読者もあろうかと思うが、「問題に対して解決策を考案する能力」という意味のヒンディー語である。

著者の共著作に関する過去の2つの記事で相当書き込んであるので、『ジュガード・イノベーション』についての内容紹介はそちらに任せるとして、その共著者の1人が今回同様に「ジュガード」という名を用いた本を単著で書いた理由は、多くの企業がジュガード的イノベーション創出を指向しているにも関わらず、なかなかそれがうまく行かない、新たなビジネスの種につながらないのはなぜなのかという問題意識があったからだと推察される。

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再読『銀翼のイカロス』 [池井戸潤]

銀翼のイカロス (文春文庫)

銀翼のイカロス (文春文庫)

  • 作者: 潤, 池井戸
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/09/05
  • メディア: 文庫

小池都知事が外出自粛要請を出された週末―――。巣ごもり状態での最初の読書は、この春始まるTBS日曜劇場『半沢直樹』後半の原作『銀翼のイカロス』の再読。

前回、2014年8月に一度読んでいて、その時のレビューは結構書き込んであったので、今回は軽めにする。原作のストーリーの復習が目的。思い出せたので良かった。

ただ、話が民主党政権時代を想起させるものだけに、ちょっとドラマ化するにはタイミングが遅くなっちゃったなという気はした。巣ごもりを強いられている時期にこのドラマはエキサイティングだとは思うが。視聴率相当稼ぎそうだね。

週末読書はまだまだ続きます。

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『ドローンの世紀』 [読書日記]

ドローンの世紀 - 空撮・宅配から武装無人機まで

ドローンの世紀 - 空撮・宅配から武装無人機まで

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/10/22
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
首相官邸屋上で発見された事件で、一躍世間の注目を集めたドローン。空撮や宅配に使える利便性や、将来性が高く評価されているが、テロリスト掃討作戦などに用いられる軍用の無人航空機(UAV)という側面も見落とせない。新しいビジネスを生み出す「空の産業革命」か。搭乗員を必要としない「無人暗殺機」か。ドローンの、民生・軍事両面での可能性と限界を描き、その「真実の姿」を明らかにする。

3月の積読蔵書圧縮計画の一環で読んだ。去年8月にブックオフで購入。中身をあまり確認せずに「ドローン」という言葉だけに惹かれて購入したが、あまりにも軍事利用の方に傾いた記述に、何度トライしても読み進めることができずに半年過ごした。

軍事ジャーナリストという著者の肩書を事前チェックしていればこんな事態にはならずに済んだ。中古とはいえカネを払って購入したのを激しく後悔した。はっきり言って、民生面での可能性についての記述はものすごく薄い。民生での利用余地がそれほど広くないということなのか、それとも本書発刊時点(2015年)ではその程度だったのか、それはよくわからない。ただ、軍事ジャーナリストだったら、元々民生面でのアンテナの張り方が弱かった可能性もある。

去年は東京ビッグサイトや幕張メッセで開催されていた展示会に時々足を運び、どんな企業が出店しているのか見に行ったが、どこに行ってもドローンを使ったソリューションは幾つか出展されていた。僻地への医薬品の空輸であったり、インフラの維持管理であったり。本書発刊時よりも、民生利用の幅は広がったのかもしれない。

ケチ臭いことして古い本を読んで情報を仕入れようとしても、現時点の全体像をつかむのには役立たない。安物買いの銭失い―――大きな教訓となった。

タグ:井上孝司
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『英語教育が甦るとき』 [英語一期一会]

英語教育が甦えるとき――寺島メソッド授業革命

英語教育が甦えるとき――寺島メソッド授業革命

  • 作者: 山田昇司
  • 出版社/メーカー: 明石書店
  • 発売日: 2014/09/22
  • メディア: 単行本
内容紹介
英語大嫌いの学生が「もっと早く出会っていたら」と嘆き、帰国生も「こんな楽しい授業は日本に来て5年目で初めて」と驚く。そんな英語の授業を生み出す「寺島メソッド」の実践的大研究。「英語で授業」に翻弄される日本の英語教育再生のヒントがここにある。

宣伝になるけど、著者は僕の8つ上の従兄である。そして、本書も刊行されて間もない2014年末頃、「Sanchai君に読んでもらって感想聞きたい」と言われて謹呈を受け、実家の両親経由で受け取ったものである。よって先ず謝ります。6年もかかってしまいましたと。

そしてまた、この従兄には感謝もしている。こと英語の勉強に関しては、よい目標として君臨して下さったこと。著者が大阪外語大学英語科に進まれたのは知っていて、それで僕は東京外語大学英米科を第一志望にできた。(結局行ったのは別の私大の英語学科だったが。)この従兄がいなければ、大学で英語を専攻するという選択肢があることすら僕は知らなかっただろう。また、大学で英語を専攻するという目標設定の下、逆算して高校時代に何をやっておくか、特に英検受験とかラジオ講座受講とか、隣町の教会の「バイブルスタディ」という名の英会話教室とか、田舎でもやれることをやったのも、この従兄の足跡がベンチマークになったところがある。(只管朗読や只管筆写は、僕はラジオ講座『百万人の英語』の國弘正雄先生の回を聴いて知り、自分なりに実践していたもので、従兄が同様に高校時代実践していたという話は、本書を読んで初めて知った。)

ただ、大きく異なるのは、大学進学にあたり、著者と違って僕自身は英語教師になろうという希望は全く持っていなかったことだ。それがおそらく大学での英語の勉強への取り組み方の違いにつながっているのだろう。僕はどちらかというと国際関係論とか経済学の勉強の方に傾斜していったため、英語を主題として捉える機会が減った。自力で奨学金を探してきて米国留学につなげた。以降は英語を使う機会はそこそこあったけれど、勉強の対象として捉えたことは一度もない。

なので、正直言うと本書で書かれた英語教授法について、僕が言えることはあまりない。ただ、英語で話されている話の主題について、日本語であっても予備知識がある方が、多少の英単語や構文が理解できなかったとしても、話にはついて行けるというのはその通りだと思う。僕はここまでちゃんと体系立った英語の教育は受けていないけれど、リズム読みは常に意識はしていて、時々舌慣らしのための英語の文章音読はやったりする(特に朝風呂の時)。ただ、本書で推奨されているような「セン・マル・セン」のような符号は使わない。文やフレーズの切れ目に/(スラッシュ)を入れる方を用いている。

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再々読『ロスジェネの逆襲』 [池井戸潤]

ロスジェネの逆襲 (文春文庫)

ロスジェネの逆襲 (文春文庫)

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/09/02
  • メディア: 文庫

自分的には再読のつもりだったけど、実は二度目の再読だとこのブログを書こうとして気付いた(苦笑)。まあ、TBSで久しぶりに日曜劇場で『半沢直樹』の新作が放映される直前でもあるし、彼岸の三連休だし、1冊ぐらいは小説を交えてもいいかと思う。

1回目(2012年9月)に読んだ際、「「全ての働く人は、自分を必要とされる場所にいて、そこで活躍するのが一番幸せなんだ。」っていうのは、今の僕自身の状況を考えたら、容易に首肯できなかった」とコメントした。7年半が経過した今、この半沢のセリフのところには再びマーカーで線を引いたけれど、それでは自分がそれを実感できているかというと、是ともいえるし否ともいえる。

どんな仕事において自分が必要とされるのかによる。必要とされる場所であったとしても、余人をもって代えがたいとして求められているのか、誰でもいいけどやってくれる人が必要だからと求められているのかによって、受け止め方は違う。与えられた仕事でベストを尽くしていればそれなりの評価は得られるけれど、器用貧乏というか、一つ間違えば何でも屋になってしまう。それでいいのかという気がしてしまう。

一方で、自分が本当にやりたい仕事をやるのに、一時的にであっても目の前の仕事でベストを尽くさねばならない時期もある。そういうのをコツコツやっていかないと、自分がやりたい仕事にありつけない。「この仕事をやらせろ」とアピールして、聞き入れてもらうためには今やっている仕事での実績が要るのも確かだ。

僕が本作品を30代とか40代とかで読んでいたら、それも受け入れていただろう。でもね、今や僕は50代後半。やりたいことははっきり見えていて、手も届くところにあるのだけれど、目の前には本意ではない別の仕事がある。それは最短時間で片付けたいのに、横やりを入れて話をややこしくする人が多い。

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『デジタル資本主義』 [仕事の小ネタ]

デジタル資本主義

デジタル資本主義

  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2018/04/20
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
デジタル革命は資本主義の“常識”を覆す。その変化はGDPという従来の指標では捉えきれない。新たに生み出される経済社会は、巨大企業が支配し、ロボットが雇用を奪う「純粋デジタル資本主義」になるのか。あるいは個人のスキルや未稼働資産が価値を生み出す資本となる「市民資本主義」か、多くのモノが無料となり、労働と余暇の区別も消滅したSFのような「ポスト資本主義」なのか。大胆なシナリオを描き出す。

今週の積読蔵書圧縮計画の第1弾。19日朝締切で職場内で求められていたコメント依頼に意地でも応じるべく、それを目標にしてシコシコ読み込んだというわけ。取りあえずコメントは取りまとめ役の方にお送りしたが、本書に書かれていたことがうまく撮り込めたかというと不十分だったかなという気はする。

ただ、それを割り引いても、この本は良かった。基本的にはシェアリングエコノミー礼賛の主張なのだが、それが消費者余剰を膨らませている点から説明し、また企業があまり元気がないのを、生産者余剰の縮減から説明し、今後の生産者と消費者の共栄の方向性を、顧客の生産への参加というところから説明している。消費者余剰も生産者余剰も、ミクロ経済学ではお馴染みの概念なので、読んでいてわかりやすかった。もっとも、シェアリングエコノミーの理論的説明部分はアルン・スンドララジャン『シェアリングエコノミー』の受け売りなので、それならスンドララジャンの著書も読んでおいた方がいいとなる。

また、シェアリングエコノミーの適用についても、それぞれの「●aaS」によって千差万別だろうから、一概に生産へのユーザー参加といっても、できる業態とできない業態で相当バラつきがありそうな気がする。事例として言及されている企業も、現存しているのもあれば既にサービス中止しているのもあるので、サービス中止しているものについて、何が持続的事業発展のハードルだったのかを分析して提示するところはあっても良かったかもしれない。

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タグ:野村総研
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Number 999「名将・野村克也が遺したもの」 [ベースボール]

内容紹介
●追悼特集 名将 野村克也が遺したもの。
2020年2月11日、日本のプロ野球を代表する知将がこの世を去った。自らを月見草に喩えながらも、27年間、第一線で戦い続けた強打の名捕手。ID野球とも呼ばれた「考える野球」で、弱小球団を栄光へ導いた名監督。唯一無二の野球人だった野村の実像とは。そして彼が遺したものとは――。今や球界全体に広がる盟友・愛弟子たちが、惜別の言葉とともに振り返る。

野村克也さん逝去の報は、2月の日本を駆け抜けた。断片的なニュースでも、自分が野村さんからどのような影響を受けたか、野村さんがどのように自分に接してくれたのかなど、野球人のコメントを数多く報じられている。贔屓の中日ドラゴンズが長年の低迷状態にある中、僕はプロ野球関係のことはこのブログでほとんど書いていないが、昔読んだ本の中には、『野村ノート』も含まれている。このブログを開設してからまだ1年も経たない、初期の頃の読書日記として。

そんな野村克也さんの追悼特集を、隔週刊のスポーツ雑誌Numberが組んだ。Number自体も通巻999号、いよいよ大台乗せという直前の特集になる。先週末、僕は1週前とはいえ彼岸の墓参りも兼ねて里帰りした。東京駅新幹線のキオスクで、売られていたNumberを購入し、他に携行していた本を全部読み切った後、復路の新幹線車内で特集記事だけは読み切った。第2特集であるベイスターズの記事の方は読まなかった。僕もドラゴンズファンなので(苦笑)。

あんなに口の悪い指揮官で、上司には持ちたくない、特に自分がキャリアを積んで仕事に関して一家言あるような現役晩年になってくると特に上司に持ちたくなくなるタイプの人だ。あるいは、現役を退いてコーチングスタッフに名を連ねるようになってからであっても、こういう、注文の多い管理職の下で働くのは嫌になる。体調崩す人だっているだろう。自分がここ2カ月ほどそういう状態にあったから余計に身につまされる。僕の場合は後になって振り返ってみたからといって、「〇〇さんに育ててもらった」な~んて感謝の言葉は、絶対に言わないと思うが(苦笑)。

でも、これだけ多くの野球人が、「ノムさんに育ててもらった」と感謝の言葉を語っているというのもすごいなと思う。身近にいないと凄さが実感できないが、結果として成績を残しているのだから、信じてついていくことができたのだろう。阪神の矢野や楽天の山崎、鉄平など、ドラゴンズ出身者を再生して、豊かな野球人生を歩まして下さったことには感謝する。

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タグ:野村克也
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『ブータンの小さな診療所』 [ブータン]

ブータンの小さな診療所

ブータンの小さな診療所

  • 作者: 坂本 龍太
  • 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
  • 発売日: 2014/12/11
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
ブータンに憧れた一人の医師が、多くの人びとの協力のもとスタートした、地域に根ざすプロジェクトの記録。そこには人びとのぬくもりがあった―。

積読状態の蔵書圧縮イニシアチブ。今回はブータンの地方診療所に半年あまりの間とどまり、村人の健康診断を進め、その結果を以ってブータン医療を治療中心から予防へと方針転換するよう働きかけた日本人医師の活動記録である。しかも、半年少々とはいえ滞在していたのがタシガン県カリン・ゲオッグ(県)という、今でも首都ティンプーから車で2日半はかかるという遠隔地である。書籍化にあたっての文字数の関係もあるのかもしれないが、ティンプー~カリンの間の行程についてはあまり描かれていないが、サラッと描いて済むような距離ではない。それくらい遠いところで活動された日本人医師の現地活動記なのである。

ブータン政府が外国人が持ち込む新概念をどう捉えるのか、どうしたら政策に採用してもらえるのか―――それがブータンに役に立つのかどうかを慎重に見極め、容易に受け容れて行動につなげてくれない国であるのは当然のことだ。僕も「デジタルファブリケーション」という、ブータン人が聞いたこともない概念をそこに持ち込んで「2023年までに全国に15ヵ所」という閣議決定にまでつなげた経験があるが、僕の場合は既にそれをやりたいと言って動いてくれていたブータン人がいたのでまだいい。でも、本書の著者の場合は、これを、現地にそれを理解できる人がいない中で始め、現場での活動からエビデンスを集め、それをもとにして政策立案者に対してプレゼンまでやって、それで政策につなげている。

その道のりは僕なんぞと比べてもずっとハードである。ましてや、僕の駐在時代の印象では農業や公共事業と違って日本に対するシンパシーがほとんどなく、一種独特の動き方をされる保健省が著者のプロジェクトの相手だったわけで、何度か著者がイラついたり怒りをあらわにするシーンがあるけれど、それもわかる気がする。著者がいらしたのは2010年9月から2011年3月まで。それでそれ以後僕が現地にいた頃と比較してみると、予防医療がものすごく進んだようには見えない。高齢者対策も、地域でお年寄りをケアすべきと本書でも指摘されているが、実際にはお年寄りを集めた養護施設を作られている。

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