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『「ついやってしまう」体験のつくりかた』 [読書日記]

「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

  • 作者: 玉樹 真一郎
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2019/08/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
元任天堂の企画開発者によるビジネスに活かせる発想法を大公開!
わかりやすく作ったつもりなのに人気の出ないサービス、盛り上がるよう企画したのに誰も来ないイベント、性能が優れているのに売れない商品、ビジュアルを工夫したのにウケの悪いプレゼン、将来のためにと「勉強しなさい」と言ってもまったくやらない子供たちetc<.br>相手のことを思って一生懸命伝えようとしているのに、なぜわかってもらえないのだろうか…。それは「人が動くしくみ」を知らないから。
人の心を動かし「ついやってしまう」仕組みと手法について体系的にまとめたのが本書です。
ついやってしまう・思わず夢中になる・誰かにすすめたくなる商品・サービスのしくみとは?
企画・開発・マーケティング・営業等、幅広く役立つ体験デザイン(UX)の入門書です。入門書といっても、専門的な解説は一切なく、だれもが遊んだことのある有名ゲームを題材に、「つい」の秘密をわかりやすく解き明かしていきます。
売れる商品や愛されるサービス、心を一瞬にしてつかむプレゼンは、説明がなくても自然とその商品を手にとったり、知らず知らずのうちにそのサービスに夢中になってしまったり、期待をしていなかったプレゼンなのに最後はスタンディングオベーションで拍手をしたり。「人が動くしくみ」を使えば、こちらが命令せずとも、相手が勝手に動いてしまいます。
そのような「人の心をつかむ商品・サービス」のつくりかたを、一冊にまとめました。
商品・サービス・アプリ・イベント等の企画・マーケティング・開発・プロデュース担当者必読の一冊です!

年末年始の読書は、多少いつものジャンルのチョイスから外れたものが含まれているのはお許し下さい。それにしても、この本は外しすぎだけど。

表紙に、こんなにデカく「つい」と書かれていたから、近所のコミセン図書室を訪れた際、つい借りてしまった。書店店頭でもこの目立つ装丁の本は平積みにされているのを見かけたことがあるし、売れているんでしょう。こういう装丁に釣られて借りてしまったところに、ちょっと「やられた」感がある。

ただ、内容的には、なにせ僕は「スーパーマリオブラザース」も「ゼルダの伝説」も、「ファイナルファンタジー」もやったことがない、この手のゲーム機やゲームソフトとはほとんど無縁の生き方をしてきた人間なので、書評などで「面白い」と書いている人の感じる面白さというのが理解できなかった。てんで理解が困難で、ダイヤモンド社の本にありがちな、太字の部分だけを拾い読みしてお茶を濁し、とっとと撤退することにした。

言いたいことはわからぬでもないのだが、こんなに難しい枠組みで考えていたら、考えている間に物事は進んでしまうのではないかと思うし、少し前に出たユニセフの『世界子供白書2017~デジタル世界の子どもたち』で「ゲーム依存症」のまん延が危惧されていたのを覚えていたので、ある意味こうしたゲームに依存させるためのテクニックが解説されている本に対しては、そうした批判的な目で見たくなってしまう。そういうご時世に、「ついゲームをやりたくなる」「つい続けてしまう」方法論を描いているとはなかなか勇気が要る。

どうせなら、これの逆張りで、「ついやってしまう」のを回避する方法論、やらせない方法論、あるいは「ついやめてしまう」体験のつくり方についても解説してくれたら、我が子がゲーム依存症ではないかと悩む世の父親母親には大変感謝されるに違いない(笑)。そういう読み方をする人もいる。

売れりゃなんでもいいのかという、出版社というか編集者の編集・出版姿勢にも、ちょっと疑問は抱いた。


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