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『インド特急便!』 [インド]

インド特急便!

インド特急便!

  • 作者: ダニエル・ラク
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/05/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
インドが「アジアのアメリカ」になる日!10億人の潜在力を浮き彫りにした衝撃のドキュメンタリー。

飛行機を使った外国出張をこなしていた話は、前回のブログでも書いた。そういう時には厚めの本を携行して出張途中に読んでしまうよう心掛けている。1冊目のクリス・アンダーソン『MAKERS』は順調だったが、出張直前にひいた風邪がその後悪化の一途をたどり、それでもお付き合いで夜飲んだりしていたため、2冊目の着手が大幅に遅れた。読み始めたのは出張最終日で、帰りの機内でも読み切れず、さらに1週間近くを要してなんとか読了した。帰国してからもちょっと忙しかったので。

読んだ本は、さすがに出張先がインドだったので、『インド特急便!(INDIA EXPRESS)』という1冊にした。実は、この本は原書が2008年刊行とちょっと古く、日本語訳はその翌年出ている。僕はちょうど2007年から2010年までインドに駐在していたので、原作が書店店頭にあったのをよく覚えている。インドが超大国として騒がれ始めた頃なので、こういう、インド人のプライドをくすぐるような本は沢山出てきていた頃だ。ただ、当時の僕自身の関心がそちらの方ではなかったため、あえて購入しなかったのである。

ただ、インド出張やインド赴任が決まった人が、手っ取り早くインドのことを勉強したいなら、こういう本は多分おススメだろう。そういう人々が仕事で遭遇するボリュームゾーンをメインに描いているが、その一方で、輝かしい都市の発展の周縁にあるスラムの実態とか、グローバル化の影で翻弄される綿花栽培農家とその自殺の問題とか、インド人が一生懸命働くようになってかえって目立ち始めた離婚、薬物乱用、家庭内暴力、うつ病などの問題とか、社会活動家とか、そういうものにも配慮した取材が行われている。ヴァンダナ・シヴァもアルンダティ・ロイも、アンナ・ハザレもP・サイナートも出てくるのである。

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