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『英語と日本軍』 [英語一期一会]

英語と日本軍 知られざる外国語教育史 (NHKブックス)

英語と日本軍 知られざる外国語教育史 (NHKブックス)

  • 作者: 江利川 春雄
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2016/03/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
軍のエリートはいかに「敵国語」を学んだのか?
陸海軍の学校では敗戦後まで英語教育が行なわれていた。目的はなんだったのか。どんな教科書や参考書が使われていたのか。幕末に始まった外国語教育は近代陸海軍創設からアジア・太平洋戦争に至るまで、皮肉にも日本の帝国主義の歩みを下支えしてきた。英語教育史研究の第一人者が、当時の生徒が使用した教科書や残された手記の分析、生存者への取材から、知られざる教育の実態に迫るとともに、それらが戦後に遺したものを明らかにする。

日本の近現代史を様々なテーマで取り上げて、45分のコンテンツにするという仕事をここ数ヵ月やってきた。その関連で個人的に勉強のために読んだ文献も何冊かある。僕自身の守備範囲じゃね~なと思いながらも読んだ文献もある。あまり本意ではないんだけど、本意でないものにどう前向きに取り組めるかといえば、自分が少しは昔かじったことがある領域に、この本意ではないものを引っ張り込めるかというのにかかっている気がする。

ブータンで、最近セクハラ疑惑で6人の講師が解雇されて問題になっている言語文化カレッジ(CLCS)の教務主任の方から、以前、「日本は日本語をどうやって公用語として維持したのか」という質問を受けたことがある。その質問の心は、熊谷誠慈編『ブータン』の第7章「輪廻のコスモロジーとブータンの新しい世代」の中で、西平直先生が書いておられる。西平先生はCLCSの学長へのインタビューでそれを聞かれている。僕が教務主任から言われたのは、「それが知りたいから日本に留学させてほしい」というオチまで付くのだが(苦笑)。しょうがないから少しだけ自分なりに心当たりを当たってみたりもしたが、多分西平先生も同じリクエストを受けて奔走されたに違いないと思い、ど素人が深追いするのはやめにした。

ただ、こうした経緯があっただけに、明治以降の国語政策とか外国語政策とかは、できれば日本の近現代史のテーマの1つとして取り上げられないかと思っていたのだが、この仕事の関係者から、「誰がこんなテーマ入れたんだ」とチェックが入り、「私の意見です」と言ったらあっさり却下された。会社でこの仕事をやっていても日の目は見ないかもしれないが、僕個人としては、日本の外国語教育政策史とかは、もう少し語れるようにしておきたいものだ。

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タグ:江利川春夫
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