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再読『夜のピクニック』 [読書日記]

夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック (新潮文庫)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/09/07
  • メディア: 文庫

2016年10月30日以来の再読。

2年連続で玉砕しているブータン国際マラソン。今年は3月2日開催だが、性懲りもなくまた申し込んでしまった。リベンジが目的ではない。今回に関しては、思い出作りを目的として、コース大半は早歩きで行くつもりでいる。21km、目標は3時間。離任してしまえばわざわざまた走りに来ることはないと思う。最後の景色、今回は楽しみながら行こうと心に決めている。

その景気付けに読もうと思ったのが、夜を徹して80kmを歩き通すという、高校のイベントを扱った恩田陸作品。最近、小説をあまりにも読んでないので、たまには息抜きしたいと思って年明けに読み始めたのだが、30頁ぐらいのところでストップしてしまい、その後仕事が忙しすぎてずっと読めずにいた。読書再開はこの週末。他にやりたかったことを全部パスして、5時間ほどかけて一気に読み切った。

読みながら感じたのは、①多くのものを覆い隠してくれる夜間の歩行というところ、②これだけ長い時間を集団で、でも微妙にばらけながら過ごすところ、そして、③ゴールが切られているところ等、歩行祭というのはいろいろな物語がうまれやすい状況設定だということだった。こういうのが自分の高校にもあったら、自然と誰かに長らく秘めた思いを伝えるチャンスは到来したかもしれないし、そうでなくても多分高校生活の中で最も長い時間をその相手と共有できたかもしれない。夜間なら相手の目や周りの目も気にならないでオープンになれる可能性も高まるだろう。そして、ゴールがあることで、それまでになんとか実現させなければという思いも生まれるに違いない。

大変な行事だけれど、そういう様々な仕掛けがある行事であり、そういう仕掛けを用意している学校もよく考えられているなと感心もする。

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タグ:恩田陸
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