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『インフラ・ビジネス最前線』 [仕事の小ネタ]

インフラ・ビジネス最前線 ―ODAの戦略的活用―

インフラ・ビジネス最前線 ―ODAの戦略的活用―

  • 編著者: 山田順一
  • 出版社/メーカー: 廣済堂出版
  • 発売日: 2018/09/14
  • メディア: 単行本
内容紹介
民間企業向けにインフラ輸出に関する具体的事例や課題を分かりやすく紹介した書籍は少ない。本書は、特に日本の中小企業を含めた民間企業が行うインフラ開発を取り上げ、それらに役立つ政府開発援助(ODA) の制度について解説する。新興国で事業を受注したい、調査がしたい、海外展開をしたい、などの目的別に使えるスキームを紹介し、企業や研究者の役に立つようにしている。海外のインフラ開発の歴史や国別・セクター別のインフラ開発の動きを整理した前著『新興国のインフラを切り拓く』(2015年刊)の続編。

積読蔵書圧縮計画2019の第3弾。積読蔵書はターゲットとなるイベントを定めてその直前に読み込みに取りかかるようになるべくしている。本書の場合もそうで、週明けに行われるブレストに向けた話のネタの仕込みとして、とっとと読んでしまうことにした。元々は日刊建設工業新聞に毎月連載されていたJICA職員による寄稿に、編著者が概説を書き下ろしてドッキングさせた本で、内容紹介が示すように、インフラ整備支援に関連しそうなJICAの最近の支援プログラムとそれの途上国での適用事例がふんだんに紹介されているので、民間企業に勤めていて、自社の技術を外国市場でも売りたいと考えておられる人には多分参考になる。

JICAの開発協力スキームといったら、「技術協力」「無償資金協力」「有償資金協力(円借款)」だとよく解説される。元々「技術協力」に「ボランティア」(今年より「JICA海外協力隊」に改称されたらしい)や「草の根技術協力」なんてのもあるのは知っていたけれど、民間企業と連携できるよう、「民間連携ボランティア」なんて制度ができ、「研修員受入」についても、長期研修の場合は本邦での民間企業でのインターン実習経験なんてのがプログラムに組み込まれたりもするらしい。(元々研修の場合は、短期間であっても研修員受入機関に民間企業が含まれていたりするので、研修員本人、受入側民間企業、そして研修を組んだJICA自身にその気さえあれば、民間連携というのはもっとできたかもしれないが。)

本書を読んで驚くのは、JICAの資金協力についても、こんなにメニューが豊富になっているんだということであった。まだできたばかりで適用された事例がないような「サブソブリン円借款」のようなプログラムもあるようだが、できることならなんでも制度改善やって、民間企業に参加してもらいたいというJICAの熱量はものすごく感じる。価格も1000円(税別)と相当気張って抑えられているので、ある程度売れるだろう。

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