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『幸福をはかる経済学』 [持続可能な開発]

幸福度をはかる経済学

幸福度をはかる経済学

  • 作者: ブルーノ・S・フライ
  • 出版社/メーカー: エヌティティ出版
  • 発売日: 2012/09/11
  • メディア: 単行本
内容紹介
就職・結婚・政治は幸福にどう影響しているのか?最新の計量分析の手法を用いて幸福度を計測する「幸福の経済学」の主な成果と新しい展開をまとめた研究書。偏った印象論で幸福を語るのではなく、パネルデータと要因分析によって、多角的に私たちの幸福について考える。

今年の積読蔵書圧縮計画第2弾も、A5サイズであった。お陰で通読するのにも3日かかった。

この本は積読解消したらブータンに置いていこうかと思っていたが、読了した現時点では、やっぱり持って帰ろうかという気持ちの方が強くなった。3,700円もする高価な本だからというのもあるけど、それ以上に、この本、幸福度研究の2008年時点までの成果を俯瞰するにはかなりの良書だと思ったからである。

ご想像の通り、この本は自分がブータンに赴任してくる時に、GNHの国に行くんだから、帰国する頃には少しぐらい「幸せ」について蘊蓄を語れるようになっておかないとというようなよこしまな気持ちから購入に踏み切った1冊である。そして、A5判ハードカバーというもったい付けた装丁だったので、「幸福」に関して数冊購入した中で、いちばん後回しにした本であった。

でも、結果的にはこの順序でよかったと思う。ブータンに来る前にちょっとだけかじっていたポジティブ心理学もカバーされているし、ロバート・フランク『幸せとお金の経済学』で展開されていた「地位財」の話も出てきた(勿論、ロバート・フランクの著書は本書より後に出版されているので、本書で引用されているのはそれ以前にロバート・フランクが発表した文献ではあるが)。当然、「イースタリンのパラドクス」は出てくる。言ってみれば、これまでに読んできた本の論点を、比較的わかりやすい記述で網羅している1冊で、これまで読んだ幸福度研究関連の本の中では最も有用だと思った。

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