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『下町ロケット ゴースト』 [池井戸潤]

下町ロケット ゴースト

下町ロケット ゴースト

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2018/07/20
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
宇宙から人体へ。次なる部隊は大地。佃製作所の新たな戦いの幕が上がる。倒産の危機や幾多の困難を、社長の佃航平や社員たちの、熱き思いと諦めない姿勢で切り抜けてきた大田区の町工場「佃製作所」。高い技術に支えられ経営は安定していたかに思えたが、主力であるロケットエンジン用バルブシステムの納入先である帝国重工の業績悪化、大口取引先からの非情な通告、そして、番頭・殿村の父が倒れ、一気に危機に直面する。ある日、父の代わりに栃木で農作業する殿村のもとを訪れた佃。その光景を眺めているうちに、佃はひとつの秘策を見出だす。それは、意外な部品の開発だった。ノウハウを求めて伝手を探すうち、佃はベンチャー企業にたどり着く。彼らは佃にとって敵か味方か。大きな挫折を味わってもなお、前に進もうとする者たちの不屈の闘志とプライドが胸を打つ!大人気シリーズ第三弾!!

ドラマ『半沢直樹』の続編はなかなか描かれないのに、『下町ロケット』の続編は、ドラマ公開の少し前のタイミングで原作も世に出るという、お互いメリットがあるオイシイ戦略がうまくとられている。おかげで、ドラマ公開前に原作を読んじゃおうという流れが読者側にもでき、まんまとその戦略にハマっている自分を感じる。

『下町ロケット』シリーズ第三弾は、これだけ読んでも感想が書きづらい。ドラマTV公開まではまだ1カ月あり、しかも第三弾「ゴースト」は9月末に出る第四弾「ヤタガラス」とセットで読まないとドラマの先取りとならない。少なくとも、「ゴースト」の主役は佃製作所の面々というよりは、同社の新たな取引先となるベンチャー企業ギアゴースト社だと思う。佃製作所はギアゴースト社の苦境脱出に協力し、結果を残すところまでは描かれているが、本当の波乱は「ヤタガラス」をお読み下さいという感じで、幾つかの伏線は刈り取られずに終わっている。

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