SSブログ

地域から遠ざかる学校 [ブータン]

教育省、第12次五カ年計画で学校数を200に削減へ
MoE to reduce number of schools to 200 in 12th Plan
Kuensel、2018年4月24日、Karma Cheki記者
http://www.kuenselonline.com/moe-to-reduce-number-of-schools-to-200-in-12th-plan/

【ポイント】
教員の労務負担を軽減する措置として、教育省は次期五カ年計画期間中に、学校数を200にまで削減する計画である。

現在、ブータンには584の学校がある。サテライト教室96カ所、自主学校20校、セントラルスクール51校、その他の学校が513校から成る。計画では、セントラルスクールと寄宿舎付き大型小学校を合わせて120校に増設する。

教育省のこうした計画の背景として、教員配置の困難、教員・生徒比率1対18の達成、教員育成の課題等があったとされる。学校には教員の他にも支援要員が必要になるが、この配置も課題となってきた。「学校を作り過ぎた」と教育省関係者は話している。

教員・生徒比率は、多いところで1対30、少ないところで1対5と大きなばらつきがある。学校の統廃合を図ることで、このばらつきを是正し、1対18の適正比率に近付けることが狙いである。

教育の質に関するレビューレポート2016年版によると、教員の勤務時間は1日10.45時間、週57.51時間となり、公務員に比べて1日2.45時間余分に働いているという。教育省の政策として、教員は年間180日は教務に従事することが求められているが、これは、一般的な公務員に比べて55日多く仕事をすることを意味する。また、寄宿舎付き学校の教員は、教務以外の活動で週17.42時間を拘束され、これは寄宿舎のない学校の10.02時間と比べても多い。

教員の教務に関する満足度は45%と低く、女性(49%)に比べて男性(40%)の方が低い。また、男性、女性とも、「満足」が「不満足」を下回っている。

教員は教室で教える以外にも様々な業務に従事する。先述のレポートでは、担当授業時間を週14時間に削減し、授業計画や生徒評価等に14時間、学校全体行事や社会学習等に5時間配分するよう提言している。現状教育省の目標は週22コマの授業を行うものだが、これを18コマに削減するのが目標となる。

続きを読む


タグ:教育
nice!(4)  コメント(0)