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日本語学習への冷や水 [ブータン]

労働省による受講料支援の停止が若者を直撃
MoLHR’s decision to stop providing tuition fees affects youth
BBS、2017年12月13日、Pema Tshewang記者
http://www.bbs.bt/news/?p=86318

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【ポイント】
労働人材省(MoLHR)は、基礎日本語コースを受ける若者の授業料の支援を1カ月前に停止。この動きは、日本に行って勉強しながら生計を立てたいという多くの若者に影響を与えている。

当初、2018年4月出発組として約400人の若者が登録。しかし、同省の授業料支援停止決定により、100人以上の若者が日本語コースに出席できなくなった。250人だけが今も受講中。

若者の1人、ロブザン・ツェリン君は言う。「ブータン海外雇用制度に登録した時点で、私たちは労働人材省が私たちの授業料を支援してくれることになっていると聞いていました。でも、授業を受けようとしていた時、私たちは急に授業料支援を受け取れないと言われました。私たちの殆どは貧しい家庭から来ており、授業料支援なしでコースに参加することはできません。」彼らは労働大臣にも訴えたが、その嘆願は予算制約を理由に受け入れられなかった。

サンゲイ・ハモ君は言う。「私たちのうち約220人が労働大臣に働きかけを試み、授業料支援を求める手紙を提出しました。しかし、大臣は予算不足なんだから、君たちの授業料を払うことはできないと言いました。ブータン海外雇用制度では、私たち100人分の融資口座から授業料分を差し引くことで了承されました。」

この問題は、公的会計委員会が雇用創出および促進に向けた取組みに関する報告書を発表した最近の議会でも議論された。過去3回の出発組に対する労働人材省の授業料は、学生1人につき1ヵ月5,000ニュルタムだった。ブムタン県選出の上院議員は、なぜ大臣が授業料支援を停止したのか問い、労働大臣から明確な回答を求めた。

ニーマ・サンゲイ・ツェンポ大臣は、制度のインパクトを調査するために、支援停止を行ったと回答。また同時に、大臣は、日本政府との間で協定署名に向けた交渉も続けていることを明らかにした。 「合意文書に署名できれば、融資手続なしで日本に若者を送ることができるだろう」と大臣は付け加えた。

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カネも出すけど口も出す [ブータン]

優先セクター貸付は経済に革命を起こす(首相談)
PSL will revolutionise economy: PM
Kuensel、2017年12月14日、MB Subba記者
http://www.kuenselonline.com/psl-will-revolutionise-economy-pm/

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【ポイント】
12月13日(木)、シムトカ・ゾンにおいて、優先セクター貸付(PSL)ガイドラインのローンチングが行われた。PSLは、昨年12月17日の建国記念日の演説において国王が示した問題意識に政府が1年がかりで応えたもの。貸付対象となるのは農業セクターと非農業セクター小規模零細産業に分かれ、前者は農業一次産品の生産に加え、加工、パッケージング、マーケティング、販売等の付加価値活動も含み、後者には製造業やサービス業を含む。それぞれ、5億3000万ニュルタム、9億5000万ニュルタム、合計15億ニュルタム規模の資金注入になる見込み。これは、市中銀行各行が現在の両セクター向け融資残高を1%増加させれば達成可能な数値となっている。

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借入希望者は、投資のタイプに応じて最大1000万ニュルタムまで借入れが可能。農業セクターは無担保だが作物保険によりカバー、非農業セクターはキャッシュフローに基づき、加えて火災保険でのカバーがなされる見込み。想定される借入人は農民や若手企業家で、個人、グループ、企業、いずれの携帯でも融資申込みは可能。起業であっても事業拡大であってもPSL適用は受けられる。

金融機関は、PSL借入希望者向け特別融資チャンネル(窓口)を設け、必要な情報や支援を提供する。政府の特別技術窓口との調整も担う。政府の特別技術窓口は、政府各機関と調整し、PSL借入希望者に対して技術的なクリアランスのサービスを提供する。提案事業内容に対する審査に留まらず、より採算が取れる事業にするための助言も行う。

トブゲイ首相によると、小規模零細産業は大きな可能性を秘めた、ブータン経済の「宝石」の1つであり、この日を迎えることができ非常に光栄だと述べた。若者や農業セクターの人々は資金援助が必要だという国王のお言葉をもとに、ガイドライン策定に至ったと強調。これまでBDBLやREDCLのような開発金融、マイクロファイナンス金融機関だけに頼ってきた資金供給機能をPSLは補完し、市中銀行経由の資金量を増やす取組みで、ブータン経済に革命的変化をもたらすだろうと述べた。BDBLを除いて現行総融資残高の1%にも満たない同セクター向け融資を、2018年中に1%にまで引き上げるのが当面の目標。

新制度の進捗をモニタリングし、定期的な見直しや必要な介入措置を調整するため、新たにPSL評議会が設置される。王立通貨庁(RMA)総裁が議長を務め、政府及び金融機関の代表から構成される。

PSLガイドラインは、こうした関係機関のそれぞれの果たす役割を定義し、金融へのアクセスを改善するという共通の目的に取り組むための統合プラットフォームとなる。各県レベルでも、県知事を議長とする県PSL委員会を設置する。

新制度は2018年1月1日に正式にスタートする。

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タグ:経済 金融
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ブータン人が見た日本の離島 [持続可能な開発]

人の移動を反転させ、持続可能な地域経済を作る
Reversing the tide of migration and securing a sustainable local economy
Kuensel、2017年12月9日、Melam Chozang(Centre for Bhutan Studies & GNH)
http://www.kuenselonline.com/reversing-the-tide-of-migration-and-securing-a-sustainable-local-economy/

地域活性化で人口移動に対抗する
Countering rural urban migration through regional revitalisation
Kuensel、2017年9月19日、 Krishna Subba(JICAブータン事務所)
http://www.kuenselonline.com/countering-rural-urban-migration-through-regional-revitalisation/

先週、クエンセルに、島根県海士町を訪れたブータン人の寄稿が載った。JICAの研修で11月にこの隠岐の離島に行った13人のブータン人の一人、CBSの研究員が書かれたものだ。このコラムでも言及があるように、海士町を訪れたブータン人のグループは今年に入って3つあり、5月に訪れた別のグループに同行していたJICA事務所のスタッフも、9月に別の寄稿で海士町を取り上げている。

いずれの寄稿も、海士町を見て、離島と内陸国という違いはあっても、地方からの人口流出という課題に直面しているという点では同じで、若者が憧れる都会の生活からは遠く離れた地方の農村地帯で、どうしたら若年層人口の確保が可能なのか、海士町訪問から得られる示唆はそれなりに大きいだろう。以上はJICAのプログラムで海士町に行った人々によるブータンでの寄稿になるが、海士町の人々にとってもブータンは興味津々で、毎年隠岐島前高校の生徒さんがブータンを訪問し、その見学結果の報告も兼ねて、町ではブータンの勉強会のようなものが開かれていると聞く。

JICA事務所のスタッフが書いた方の記事ではそこまで明確には書かれていないが、CSBの研究員が最近書いたコラムを読むと、彼が見た海士町の成功要因が書かれている。ひと言で言ってしまうと「町長のリーダーシップ」ということらしい。以前読んだ野中郁次郎・広瀬文乃・平田透著『実践ソーシャルイノベーション』の中に海士町のケースが含まれていて、僕はそれで海士町のことを知ったのだが、これに基づくと確かに「暗黙知と形式知の相互変換を起こし、これを実践に基づく知としてまとめていけるリーダーがいること」とは書かれているのだが、僕の記憶が正しければ、こういう実践知リーダーは複数いたんじゃなかっただろうか。「町長がしっかりしていて適切な施策を講じていけば地域は活性化される」というのは、ちょっと短絡的かなという気がする。

そもそも、この本の海士町について書かれているチャプターだけでも、英文のペーパーになっていて、ウェブ上でも閲覧可能であれば、そういう点をブータンの政策立案者にも正しく知ってもらうよい手立てになると思うが、短期間の視察型研修だけでは、今目の前で起こっていることにばかり目が行き、何がどうしてどうなっていったから今の事象につながっているのかというところの洞察が弱くなってしまうのは致し方ないかもしれない。「海士町、すごい」という感想だけで終わらないようにしないと!

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安全な工事現場実現への長い道のり [ブータン]

職場の安全・衛生が施工業者の評価基準に
Workplace health, safety likely to become criteria for evaluating contractors
BBS、2017年12月9日、Phub Gyem記者
http://www.bbs.bt/news/?p=85988

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【ポイント】
国内の建設業者は、建設開発庁(CDB)の仕事を受注するために、もう1つ新たな分野での契約履行能力を証明できなくてはならなくなりそう。それは作業現場の安全衛生基準である。建設業者は、作業員の安全や衛生に配慮するだけでなく、それを実践することでCDBを説得する必要がある。そうしないと、プロジェクトへの参加が認められなくなる。

公共事業省道路局は、工事現場の安全衛生に関する記録はきちんととっておく必要があるとする。これは、プロジェクト発注前に請負業者を評価する基準となる見込みだ。これは、建設業界で働く人々の健康と安全が無視されないようにすることを目的としている。現在、CDBに登録されている多くの建設業者のうち、ほんの一握りだけしか真剣に取り組んでいない。

建設開発公社(CDCL)は、JICAが支援する建設事業以外でこの基準の順守に取り組む数少ない建設業者の1つで、作業員の安全と衛生に関するガイドラインを策定している。

一方、労働省は建設部門の作業員の安全を監視している。しかし、職員が不足しているため、現場での実地検査はほとんど行われていない。また、訓練を受けた有能な検査員もいない。しかし、作業員の安全に関する法制度の整備は既に行われているという。労働省のソナム・タシ氏は、「我々は労働安全衛生と福祉に関する規制を持っており、建設業のための個別規制も整備しています。建設業だけでなく、民間企業に対しても、これらの規制と雇用法を適用してきました」という。同氏によると、安全装置の整備には莫大なコストが伴うため、雇用者と被用者の両者が協力していないという。しかし、彼らは、こうした措置を取らないことで、長期的には被用者の健康に悪影響を及ぼす可能性があるということに気付いていない。

保健省公衆衛生局のカルマ・ワンディ氏は、工事現場作業員は多くの危険にさらされる可能性があると述べる。 「例えば、採光が十分でない場合、それが危険をもたらす可能性があります。同様に、作業環境があまりにも騒々しい場合も危険をもたらすでしょう。作業員が溶接作業やハンマー打ちを繰り返す環境にある場合も危険です。ほとんどの産業では化学物質を使用しており、その中のいくつかは危険であり、不適切な管理では呼吸器疾患や癌の発症につながります」と語る。

JICAブータン事務所長は、日本のベストプラクティスを採用することでブータンが改善できる分野がいくつかあると述べた。日本では、施工業者が要求される安全基準を満たしていないと、次の入札プロセスに参加する資格を失うという点で、 「報酬と罰則」の体制ができていると語った。「ブータンの請負業者に日本で行われているのと同じレベルの実践を再現することまでは期待していませんが、日本の実践をこうして共有することで、すべてのステークホルダーが彼らの作業現場の将来像について、真剣に考え、取り組むための環境を作っていきたい」と述べた。

道路局では現在、入札参加企業の能力評価基準として安全衛生管理を含める予定にしている。テンジン局長は言う。 「請負業者の評価基準の1つはその業者の過去の業績です。その業者が施工した過去10回の建設作業のパフォーマンスを評価する上で、安全管理記録に10ポイントの評点を配分することが考えられます。」

現在、CDBに登録されている建設業者4000社以上にのぼる。

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危うしプナカ(2) [ブータン]

トルトルミ氷河は16年間で1.2キロ後退
Thorthormi glacier recedes by 1.2kms in last 16 years
Kuensel、2017年12月6日、Phurpa Lhamo記者
http://www.kuenselonline.com/thorthormi-glacier-recedes-by-1-2kms-in-last-16-years/

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《記事とは関係ない写真ですが、プナカゾンも1994年に氷河湖決壊洪水にさらされた》

【抄訳】
JICAの斉藤潤ボランティアの調査によると、トルトルミ氷河は過去16年間で1.2キロ後退しているという。ティンプーで開かれた第4回ブータン生態学シンポジウムで発表されたもの。斉藤隊員は、ブータンでの地理情報システムQGISの活用方法を指導しているボランティア。

氷河は毎年75.6メートル後退し、1990年代と比べて後退速度が速まっている。この後退速度が続くなら、現在は長さ4キロあるトルトルミ氷河も、50年後には消失すると考えられる。

発表の中で、斉藤隊員は、1990年から2000年の間の後退率は年37.2メートルだった示した。「氷河はモレーンの崩壊と氷山の分裂によって衰退します。モレーンに氷塊が衝突して堰堤が崩壊する可能性があります。」実際、トルトルミ氷河湖は決壊し、下流域に氷河湖決壊洪水(GLOF)をもたらした。

トルトルミ氷河の融解に加えて、トルトルミ氷河湖から近いルゲ氷河湖からの流出水がこれに合流する可能性がある。ブムタン県のチュダ氷河も急速に後退してきており、近年になってその速度がさらに早まっている。チュダ氷河の後退速度は2000年までは年14.7メートルだったが、今は年26メートルと推測される。

斉藤隊員は、2016年7月にブータンの21の氷河を調査し、18の氷河が氷河の正面位置の変化を加速していることを発見した。トルトルミ氷河の後、1994年に氷河湖が決壊したルゲ氷河も急速に後退していると指摘。ルゲ氷河は0.6キロ後退、年24.2メートルの速度で後退が進んでいるという。

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国際障がい者デー2017に向けて [ブータン]

国連障がい者権利条約が障がい者福祉の鍵
UNCRPD essential for well-being of persons with disabilities
BBS、2017年12月4日、Phub Gyem記者
http://www.bbs.bt/news/?p=85659

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【ポイント】
国連障がい者権利条約(UNCRPD)は、障がい分野における国連の数十年間の作業に基づいて構築され、障がい者の権利と福祉の増進を目指している。ブータンがこれを批准すると、さまざまな障がいを持つ多くの人々の生活の改善につながるかもしれない。障がい者がアクセスしやすい設計の施設が増え、障がい者の社会的包摂が進み、人々が自信を持って自立し、社会に貢献できる環境の構築にも役立つ。

3日、国際障がい者デーを記念して、ダクツォ特別児童青少年職業訓練センターは、同センターに通う生徒が運動能力を競うスポーツイベントを開催した。ダクツォのデキ・ザム事務局長は言う。「教育省は既に特殊教育ニーズ(SEN)プログラムを実施しており、SENを持つ学校として15〜16校が登録されています。障がい者に平等な機会を与えるために、障がい分野で活動している市民社会組織や関係省庁もあります。」

UNCRPD批准は、障がいを持つ人々の権利と幸福をさらに向上させ、促進すると事務局長は言う。「ダクツォで働いてみて、私は、情報、技術、教育、その他あらゆるインフラ等、様々なものへの平等なアクセスが保証されるよう、ブータンは早期に批准を進めるべきだと思います。」

国連ブータン常駐代表のジェラルド・デイリー氏は、ブータンは条約を批准することによって利益を得ることができ、また利益を得ることができる多くの分野があると述べた。 「例えば、建物の新規建設が障がい者にアクセスしやすいものにしていくことに重点を置いていきたい。条約を批准することで利益を得ることができる他の分野では、データ収集を強化することが重要。実態が把握できれば、我々はどこの誰が障がいを抱えながら暮らしているのかを理解し、政府の限られた資源が賢明に使われるようになるだろう。」

政府は条約の重要性を認識している。2010年の条約署名以来、多くの制約が批准手続の妨げになっている。国連が求める多くの義務を履行しないと、批准準備は整わない。数週前に上院が行った討論会で、ダムチョ・ドルジ外相は、なぜ政府が条約を批准できないでいるのかとの説明を求められた。 「第一に、我々には専門知識がない。第二に膨大な予算が必要であり、第三に現在のインフラに大きな変更を加える必要があるかもしれないからだ。」と大臣は答弁している。「我々はこれらすべてを準備しなければならず、それには多くの調査と予算の準備が必要となる。条約の義務を履行できない場合、2年後に報告書提出が求められ、そこでも義務が履行できていない状況があると、その国はやる気がないのだと見なされる。」

一方で、外相、批准に向けたハイレベル・タスクフォースが、条約批准に必要となる法的・技術的見地を検討し、内閣に報告書を提出したと述べた。ブータンは、第65回国連総会で約190カ国とともに条約署名している。

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タグ:障害
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『Common Wealth』(その5) [持続可能な開発]

連載シリーズ第4弾、といっても、シリーズとして第1弾から第3弾までと、第4弾をすっ飛ばして第5弾を掲載したのはなんと2年以上前の話で、その後下書き状態の第4弾を長きにわたって放置して今日に至った。その間、僕は某私大大学院の非常勤で履修生に持続可能な開発を語る立場になり、そのテキストとしても本書を使っている。本書を用いるきっかけとなったのは2015年8月に読了していて内容を知っていたからだが、その直後から非常勤講師の話はいただいていたので、すぐにシラバスに組み込み、既に二度にわたり講座で使わせていただいた。最近、今年度開講分として再読がようやく終わったので、過去の遺産に終止符を打つべく、この記事を完成させてアップしてしまうことにした。

地球全体を幸福にする経済学―過密化する世界とグローバル・ゴール

地球全体を幸福にする経済学―過密化する世界とグローバル・ゴール

  • 作者: ジェフリー・サックス
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2009/07/24
  • メディア: 単行本

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本日は、著者の言う持続可能な開発に向けた戦略の枠組みについてご紹介する。

持続可能な開発を実行するには、何もしなければ地球とそこに住む僕たちが今後辿るであろう軌道に対して、3つの根本的な変化をもたらさなければならないという(pp.60-61)。
 
(1)短期間のうちに、地球規模で、持続可能なテクノロジーを採用すること。
   持続可能なテクノロジーとは、環境に負担をかけずに高いレベルの繁栄を可能にする。

(2)世界人口、特に最貧国の人口を安定させること。
   それができなければ、環境を持続させつつ経済的な繁栄を得ることはできない。

(3)最貧国が貧困の罠から抜け出せるよう支援すること。
   

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しっかりやれ、G2C [ブータン]

インターネット接続問題がG2Cサービスの足枷に
Internet problems impede G2C service delivery
Kuensel、2017年11月28日、Tshering Palden記者
http://www.kuenselonline.com/internet-problems-impede-g2c-service-delivery-2/

【ポイント】
上院特別委員会が行った調査で、市民向け電子政府サービス(G2C)を提供するコミュニティセンター(CC)は、3カ所に1カ所以上がインターネット接続環境の問題があって、利用できない状態にあることがわかった。97カ所のCCのオペレーターに行った個別インタビューでも、40%以上の回答者がインターネット接続が最大の問題だと答えている。また、回答者の20%は十分な人材配置や適切な研修機会がないこと、16%は関連政府機関の許認可申請承認が遅いこと、12%が頻繁な停電を問題点として挙げている。

G2Cは120項目ものオンラインサービスを提供しているが、うち最も利用頻度が高いのはたったの7項目(5.8%)。警察が発効する身分証明、誕生登録、家系図等の世帯情報、木材伐り出し許可、商取引免許の更新、燃料用木材伐り出し許可等。

1,201人の回答者のうち、過去1年以内にG2Cのサービスを利用したのは480人(49%)。28%の回答者はG2Cサービスの存在自体を知らなかった。その中には、女性や農民が大半を占めていた。また、G2Cサービスを知らないと答えた回答者は、公務員の2%、地方自治関係者の4%いた。

殆どの許認可申請承認は1日以内でなされるが、地方での木材伐り出し許可は、1週間から1カ月かかると答えたのが72%、1カ月以上と答えたのが13%いた。森林公園サービス局によると、手続き処理期間は1カ月と定めているので、申請者の13%は期間内に承認が受けられないことになる。

これらの調査結果をもとに、報告書は、啓発活動、インフラ強化、承認手続き日数の短縮、オペレーターの能力強化等について、6項目の提言を行っている。上院特別委員会は、これらを踏まえて、最終提言として政府に提出する予定。

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エコツーリズムでの起業??? [ブータン]

54時間でアイデアが56個
56 business ideas pitched in 54 hours
Kuensel、2017年11月28日、Rinchen Zangmo記者
http://www.kuenselonline.com/56-business-ideas-pitched-in-54-hours/
(現時点でこのリンクは閲覧ができません。ほとぼりが冷めた頃に閲覧再挑戦してみて下さい。)

2017-11-28 Kuensel.jpg

【ポイント】
11月24日午後4時から11月26日までの54時間の間にビジネスのアイデアをブラッシュアップする、「第5回スタートアップ・ウィークエンド」が開催された。国連開発計画(UNDP)とティンプー・テックパークが開催。初日にピッチされたアイデアは56案件にのぼり、参加者の互選により13案件が選ばれ、残る2日間で参加者は13グループに分かれ、各案件のビジネスアイデアの具体化を話し合う。その上で、最終日のプレゼンで、上位入賞者が発表された。今回の共通テーマは「エコ・ツーリズム」。

最優秀ビジネスアイデアに選ばれたのは、ソナム・タシ君の率いる5人組が練り上げた「ミニチュア・ブータン」。1ミリの鉛筆の先に乗る高さわずか4ミリの小さなブッダの座像のプロトタイプを製作。ブータンのお土産のほとんどが中国やタイからの輸入であることから、内国産のお土産を開発したいと考えた。第2位は、アロマセラピーによるストレス軽減を狙ったサロンの創設を謳った「レドレンス(Redolence)」、第3位には、紙のリサイクルを進めようとする「ハッピー・ペーパー」が選ばれた。

上位入賞者には、テックパーク内に設置されたブータン・イノベーション・テクノロジーセンター(BITC)での6カ月間の起業準備スペースとインキュベーションサービスが提供され、ラグジュアリーホテルに籠ってビジネスアイデアを練り上げる権利も与えられる。またUNDPからは、上位入賞したアイデアを最初にピッチした起案者に対し、外国で開催される青年フォーラムに参加する外国旅行の権利も授与された。

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『ビジネス・フォー・パンクス』 [仕事の小ネタ]

ビジネス・フォー・パンクス

ビジネス・フォー・パンクス

  • 作者: ジェームズ・ワット
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2016/09/01
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
2007年に300万円で始めたクラフトビールの会社が、8年足らずで売上70億円を超える急成長を遂げる。熱狂的なファンを世界中でどうやって獲得したのか?ブリュードッグの奇跡のマーケティングを創業者本人が語る!

11月上旬、GNH国際会議で日本からお越しになられた方に、「面白いよ」といって薦められたのがこの本である。著者はスコットランドでクラフトビールの製造を始め、今では世界40カ国でクラフトビールのバーを展開している「ブリュードッグ」の創業者。タイトルからは想像できないが、起業し、事業拡大していく過程での、著者の思想や手法が詰まっている。

11月はGNH国際会議から始まり、グローバル企業家週間、そしてティンプーでのスタートアップ・ウィークエンドと、起業について考えるイベントが目白押しだった。個人的にも月末にはブータン商工会議所の方にお目にかかって「ブータンでのビジネスは特別であなたたちにはわからないだろうが」的な言われ方をしたばかりだったので(その割には、やろうとしていることは外国からの投資誘致だったりして、少しは外国のビジネスのやり方に歩み寄ろうと考えた方がいいんじゃないかとも思うのだが)、この本は、そういう、起業というものをブータン人的思考の枠組みの中でしか捉えていない人々に、原書で紹介したいとぐらいだ。

とても数えきれないぐらいにマーカーで線を引きまくった。全部を紹介するのは無理なので、特にブータン人の起業の捉え方との違いが鮮明だと思う箇所だけ抜粋してみる。

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