『はじめての木工家具づくり』 [仕事の小ネタ]
内容紹介【市立図書館】
木を使ったナチュラル家具づくりの基本&コツ
テーブル、机、イスなどの定番から、キッチンラック、踏み台、すき間収納まで、写真とイラストでビジュアル解説。
・基本の道具の紹介から、作品づくり、塗装の方法まで、誰もがつくれるように写真を多用してわかりやすく解説
・読者自身が自分の好みにあわせてカスタマイズできるよう、塗装の方法も複数紹介
7月下旬から8月上旬にかけてメキシコに出かけて、うち前半の1週間はチアパス州で先住民の女性グループと木工家具作りをしてきた。今振り返っても貴重な経験だったが、ああいった内容での活動になると事前にわかっていたら、今年2月に既にメキシコ行きにエントリーしていた経緯からすれば、本書のような作例集を参考にして、1つ2つ木工家具を作る経験を積んでから現地入りすれば、できたことの幅はもっと広まったのではないかと思う。
メキシコ行きは貴重な体験だったけれど、逆に今の自分に何が欠けているのかを見直す場でもあった。メキシコでできたことを喜ぶ気持ちがある一方で、できなかったことを今後どのようにできるようにしていくか、復習のための課題を突き付けられたような気がしてならない。
渡航準備の段階で、何もやっていなかったわけではない。実際のところ大型CNCを用いた家具作りは経験していた。ただ、大型CNCで切り出し、接着剤なしで組み立てるところまでは経験済みだったが、その後の仕上げで困った。どのように塗装すればいいか、その下準備で行っておくべきことは何か、何もわかっていない自分に気付かされた。
さらに言えば、大型CNCを使って正確なカットは確かにできるようになったが、そもそもカットするためのボードを買いにホームセンターに出向いた時、どのボードを使うか、すぐに決心がつかなかった。樹種による加工の難易度やクセ、留意点の違いなど、実際選択を迫られる場面に来て、どうすればいいのか途方に暮れる数分間を経験したのである。
そういうことも含めると、カットするためのデザインのところに気を取られ過ぎていて、他の工程についての予習が全然足りていなかった。そんな苦い経験が過去にはある。
どうすればいいか―――。平板からの正確なカットのためのCAD/CAMも時々やってみて、せっかくのハンズオン体験を忘れないように定着させることは勿論だが、他の材木の選択から始め、小さくても家具を1つこしらえる、そんな経験を時々積むことが必要だと強く感じる。
本書はそんなときに参考になる。必要になる工具とその使用法、木材の種類と特徴、さらにサンディングから塗装に至るまでの選択肢等、自分に欠けていた情報が多く含まれていて、自分が近い将来、自分なりの家具を試作するという場面に来たら、参考にしたい1冊となっている。
作例については、メキシコに行く前に知っていれば、そのまま使えたかもしれないシンプルな家具の作例が豊富だったと思う。変に凝ったモジュラー型の家具をデザインするのもありだと思うが、こういうシンプルな家具をデザインして、製作する経験が、現地の女性グループにはまだ十分でなかったように思う。
では僕自身にとって今必要な家具が作例に含まれていたかというと、ちょっと悩む。そのあたりは、類書の作例も当たってみて、より参考になるものがないかどうかをもっと調べてみたい。
今は11月に出展するイベントに向けて、作品製作に当たっているところなので、木工は後回しになっているが、11月が過ぎると、実家の母から頼まれている実家のリノベーションが待っている。
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