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『にぎやかな天地』(上・下) [読書日記]

にぎやかな天地(上) (講談社文庫)

にぎやかな天地(上) (講談社文庫)

  • 作者: 宮本輝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/10/18
  • メディア: Kindle版
にぎやかな天地(下) (講談社文庫)

にぎやかな天地(下) (講談社文庫)

  • 作者: 宮本輝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/10/18
  • メディア: Kindle版
内容紹介
【上巻】熟鮓、醤油、鰹節といった日本の伝統的な発酵食品を後世に残す豪華限定本を作ってほしい――。謎の老人松葉伊志郎から依頼を受けた船木聖司は、早速祖母の死とともに消えていた糠床を蘇らせる。その後、料理研究家の丸山澄男の協力で日本各地の職人を訪ねるうちに、微生物の精妙な営みに心惹かれていく。
【下巻】聖司が生まれる前に父親が亡くなり、仕事を再開した母親に代わって彼を育てた祖母が生前遺した「ヒコイチ」という言葉がきっかけで大前美佐緒という女性を知り、聖司は道ならぬ恋心を抱く。一方、父親の死にも思わぬ真相が……。発酵という営みに人の生死や結びつきを重ね合わせ、命の根源に迫る長編小説。
【Kindle Unlimited】
メキシコでの2週間の滞在の後、帰路米国ワシントンDCで2泊したのだけれど、DCから羽田までの長時間のフライトの時間つぶしのため、長めの長編小説でも読もうと考え、ちょうどKindle Unlimitedeで薦めていたので、宮本輝だったし久しぶりに宮本作品でも読んでみるかとダウンロードした。13時間のフライトで、途中何度も睡魔に襲われたので、機中では上巻を読み切るのが精一杯だった。下巻は羽田から長岡に戻る列車の車内、及び時差ボケで早朝目が覚めてしまった朝の3時間ほどで一気に読み切った。

全体的に発酵や醸造という、手のかかる、時間もかかるプロセスを丁寧に描いている箇所が多かったし、登場人物の間の関係がまだまだ希薄で、一度登場した人がその後なかなか出て来なかったりもしたので、間延び感もあった。下巻になるとそのバラバラだったピースが徐々につながっていき、テンポも良くなっていくので、集中して読みやすくなった。

僕が50代で興味を持ち、退職後の60代はこれで時間を費やそうと思っているコミュニティの人々の間では、「発酵」は1つの関心領域でもある。本作品で描かれているように、糠漬けと納豆とご飯だけで3日間過ごしたら体調が良くなるというのなら、ちょっとやってみようかと思わないわけでもない。今、年明けから突っ走って来た活動がひと段落し、今後の展開を考えなきゃと思っていたところだったので、自分のスキルの幅を広げる一環で、少しかじってみた方がいいと考えている。

そういうきっかけを与えてくれる読書だったなと。


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