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『神山進化論』 [仕事の小ネタ]

神山進化論: 人口減少を可能性に変えるまちづくり

神山進化論: 人口減少を可能性に変えるまちづくり

  • 作者: 神田 誠司
  • 出版社/メーカー: 学芸出版社
  • 発売日: 2018/10/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
徳島県神山町。人口5300人、多彩な移住者が集まる地方再生の先進地。町は今、基幹産業の活性化、移住者と地元住民の融合、行政と民間企業の連携、担い手の世代交代などの課題解決のため、農業、林業、建設業、教育の未来をつくるプロジェクトに取り組む。100人以上のプレイヤーたちに取材した現在進行形のドキュメント。
【N市立図書館】
昨日帰国しました。結局、7月25日に日本を発った後、経由地ホノルルで1本記事をアップして以降は、ネットにつながりにくい環境にいることが多かったのと、夜も結局遅くまで行事があったりしたので、さらに読書をすることも、記事をアップすることもできずに2週間以上を過ごしてしまいました。

養蜂だの、地域おこしだの、現地入りする前にはいろいろ文献を読んで自分なりの作業の仮説を立てて行ったのですが、結局のところ、仮説は当たっていたとしても、それでその通りの作業が現地でできたかというと、正直できませんでした。一緒に参加したメンバーのスキルとのバランスや、受け入れる側のコミュニティの初期条件、それに自分のコミュニケーション能力や体力的な限界なども相まって、あらかじめ想定していた作業とは全く異なる作業に時間を取られました。

だから、現地入りする前に読んでいた文献や、アイデア出しのために訪問したいくつかの博物館、アートフェスなども、役には立ちませんでした。5日間という短期間で成果を出すのではなく、1カ月とか1年とか、あるいはもっと長期間の関与が可能ならば、もっと違うソリューションを検討できた可能性はあります。今回メキシコで参加した「ファブシティ・チャレンジ」というイベントは、「関係人口」づくりのグローバル版だと思っているので、単発で終わらず、今後もホストしたコミュニティとの関係性は継続していくよう心がけている必要があると自覚はしています。

さて、一見無駄だったようにも思える事前の情報収集でしたが、それでも、長い間疎かにしていた日本の地域おこしの取組みの経緯を知る意味では、有用だったなと思うところはあります。例えば、本書で取り上げられた徳島県神山町のケースなどは、自分が日本の地域おこしに興味を持った15年以上前からすでに耳にしていた事例でしたが、ケーススタディとして読んだのは今回が初めてです。

2018年発刊のレポートなので、以後6年が経過している今の状況がわかる文献ではありませんが、それでもそういうのがすっぽり抜けた状態の人間にとっては、少なくとも2018年に至るまでの経緯を知るにはいい文献だと思いました。驚いたのは、本文の中では具体名に言及はありませんでしたが、僕の知り合いが集合写真の1枚に移り込んでいました。今は生活の拠点を東京から別の場所に移してしまった奴ですが、一時神山にいたことがあるクリエイターだったのねというのが知れたのは、今後の話のネタにはなるかと思いました。

ただ、ちょっと考えさせられたこともあります。

本書では、よそから入って来る人口のほとんどは、現在の僕よりも20歳~30歳は若い。過疎地域ですが、こういう経済活動的にもアクティブな年齢層を狙って地域を開いたということなのでしょう。仮に本書が刊行された6年前の自分の年齢(50代前半)だとしても、なんだかお呼びでないという感がありました。

これらの出来事と、僕自身の属性とがうまくマッチして捉えられない―――この違和感は、最初から最後まで拭えませんでした。本書でも、ホスト側のコミュニティの中には、僕と同世代の人々が大勢出てくるのですが、僕は受け入れる側の人間と自分を捉えていません。この絵の中に、自分の居場所が特定できない、そんな現実を突きつけられたような気がしました。

このことは、僕が今考えている起業にも影響する気がします。具体的な事業内容は書きませんが、これをどこでやりたいかというと、狙っている場所はあります。しかし、今のところは足がかりになるような人間関係がどことも築けていません。

メキシコから返ってきてt、そろそろ次のステップを本気で考えなければならない時期に来ているのですが、ホント、どうしたらいいのか悩ましいところです。
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