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再々読『SFを実現する』 [仕事の小ネタ]

SFを実現する 3Dプリンタの想像力 (講談社現代新書 2265)

SFを実現する 3Dプリンタの想像力 (講談社現代新書 2265)

  • 作者: 田中 浩也
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/05/16
  • メディア: 新書

今年1月から受講していたデジタルものづくりのグローバル人材養成プログラムも、先週、卒業製作のプレゼンが終わり、卒業に向けて残るハードルは、毎週出される演習課題のうち問題未解決で放置していたものへの対応と、卒業製作のプロセスの文章化を、今月末までに片付けることの2つになった。作業期限はあるものの、卒業製作自体をプレゼン当日までに用意するのに比べたらなんとかなりそうなので、プレゼンを終えた先週末は、この研修のことを考えず、もっぱらリフレッシュに努めた。

本書の著者も、このプログラムが2009年に始まってかなり初期の段階で受講されている。本書にはその話は出てこないが、別の著書の中でその時のご経験を詳述しておられる。時系列的には、その経験についてご紹介された後で本書を書かれている。いわば、その受講経験を今後どう「拡張」していくかについての著者の私見が語られている本なので、今の段階でもう一度読み直してみようかと考えた。

ちなみに、SSブログで本書を紹介するのはこれが三度目だ。

1回目は刊行直後の2014年6月。刊行はその1カ月前で、青年海外協力隊員のご尽力で、フィリピンに初めてのファブラボができ、その開業に合わせて第1回ファブラボ・アジアネットワーク会合(FAN)が同国で開催されたタイミングだ。日本で「ファブラボ」がいちばん盛り上がっていた2013~14年のある意味クライマックス的タイミングで本書は出ている。たぶんにご祝儀の側面もあったと思う。
https://sanchai-documents.blog.ss-blog.jp/2014-06-28-1

ちなみに、今年5月は、そのフィリピンのファブラボ第1号ができてちょうど10年の節目を迎えた。フィリピンではその後ファブラボの数が32に増え(今年3月時点でカウント)、今後53にまで増えると見込まれている。そのきっかけを作ったのが日本人の協力隊員だというのは、とても誇らしいことだ。また、FANの方はその後も隔年ペースで開催されていて、今年10月にはオーストラリアで、2年後の2026年にはマレーシアでの開催が決まっている。

2回目は、僕が最初のブータン駐在を終えて帰って来て、何カ所かから「帰国報告」を求められていた2019年11月に、その準備も兼ねた文献調査という位置付けで読んだ。当時の僕にとっては「ファブラボ」はブータンでの活動の中のほんの一部でしかなかったので、帰国報告の中でそれだけを特出しして話すというわけにはいかなかった。かと言って、短いプレゼンの中で「ファブラボ」をちゃんと説明しきるのも難しかったので、「あとはこれを読んで…」と本書に誘導するようにしたかったのである。
https://sanchai-documents.blog.ss-blog.jp/2019-12-07

そして、3回目の今回は、冒頭のデジタルものづくり人材養成プログラムの修了に向けた最大のヤマ場を終えるというタイミングだった。翌週末には学会のラウンドテーブルでプレゼンをやる。ある意味、今後のことを考えた営業機会でもあるが、その営業トークというよりも、筆者と同じプログラムを15年近くも遅れて追体験した今、このテーマがどのように見えるのか、ちょっと試してみたかったという方が大きい。

ここで引用を始めると冗長な記事になってしまうので、ここらで簡単にまとめておきたい。

持ち運びしやすいことから、新書は沢山読んできた。印象に残る文献は多いが、印象に残るだけでなく、自分がその後具体的な行動にまで至ったきっかけを作った文献といったらそんなに多くない。本書はそんな1冊で、読んで、行動してみて、また読んでみて、また行動して、また読むというのを繰り返してきた。今はこの道である程度老後も食っていこうとしているだけに、今後も時々本書を読み直してみる機会があることだろう。
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