『ケアとアートの教室』 [仕事の小ネタ]
内容紹介【購入】
藝大で福祉? 東京藝術大学学生と社会人がともに学んだ「アート×福祉」プロジェクトの記録介護、障害、貧困、LGBTQ+、そしてアート。様々な分野で活躍する人々と、東京藝術大学 Diversity on the Arts プロジェクト(通称DOOR)の受講生がともに学び、考える。そこから見えてきたのは、福祉と芸術が「人間とは何かを問う」という点でつながっているということ。ケアとアートの境界を行く17項!。
3月まで在籍していた会社への通勤途中で使っていたターミナル駅から、自宅に歩いて帰る途中の繁華街のはずれに、ブックカフェができた。飲み物の単価が高いので、カフェとして利用したことはないが、品揃えには特徴があり、駅周辺の大衆向けと書店だとなかなか扱わないようなテーマの、専門書と一般書の境界領域にある本を選んで置いてある。在庫をこんなに抱えて売れるのだろうかと首を傾げたくなるが、この手のブックカフェは増えてきているのだろうか。
何はともあれ冷やかし半分で初めて入店した際、面白そうだなと思って購入したのがこの1冊。その頃受講開始していて、今も受講中のグローバルディプロマコースを修了できたら、その先に取り組みたいと考えていたのが修得したスキルを福祉の分野で生かしたいと思っている。今は未だ講座を無事修了できるかどうかの当落線上で大苦戦を強いられていて、具体的に大きな行動につなげることは難しいが、それでも小さな布石はいくつか打ってきていて、修了したら何から始めるかはクリアにはなっている。
購入後は、この講座の課題で毎週追いまくられる生活が本格化したため、講座と直接関係のない領域の読書は後回しにせざるを得なかった。講座との関連性が強く、かつ自分自身が弱いと自覚している領域の本を読むことが増え、他領域の本や小説などはあまり読むことができなくなってきた。それはこの3カ月ほどのブログの更新頻度の低下や紹介図書の偏りなどでご覧いただけると思う。
それで後回しにしていた本書だったが、生活拠点を長岡に移した際、今がその時だと思って最初に読むことにした。理由は、本書で登場する東京藝大と同じアート分野の専門大学で働くことになったからだ。
僕は本書で紹介されたDOORプロジェクトのように、社会の課題とアートの接点領域を掘り下げてアートの適用可能領域の拡張を図ろうとするプロジェクトに東京藝大がどれくらい取り組んでおられるのかよく知らないし、ましては新しく勤務開始した職場が同様な問題意識で社会との接点をどのように作っておられるのかもまだよく知らない。たぶん、長岡には長岡なりの取組みがあるのだろう。
芸大側においてこのような社会へのアウトリーチをされているのは本書を読めばすごくわかる。内容的にはアートそのものよりも福祉の分野における様々な課題や問題提起が前面に出た内容で、アート専攻の学生さんには、福祉の分野において活躍の余地が相当大きいことがわかると思う。
逆に、アーティストを地域の福祉の分野で生かしてソリューションを共創していこうとする意識が地域の福祉の側にあるのかどうかが問われていると思う。いや、本書はたまたま福祉だったわけだけれど、「アート×〇〇」というテーマは結構幅広く、それを「〇〇」で含まれる側の人々がどれだけ意識して、アーティストを取り込もうと働きかけられているのかにも課題がありそうな気がする。
さて、本書を読みながら、もし2025年度もDOORプロジェクトの受講者募集があるなら、挑戦してみたいかなと読みながら考えていた。今受講しているディプロマコースを修了したその先の進路としてはありだと思う。受講料が10万円ぐらいまでならその気にもなれたが、調べてみたら意外と高く、今受講中のコースで退職金から80万円ぐらいぶち込み、その卒業式に出るための海外渡航も含めたら合計150万円ぐらいの出費をしている僕には、新たな資金投入としてこれは難しいと断念せざるを得なかった。
方向性は違わないが、僕は僕で今まで布石を打ってきたことの延長線上でできることを考えて行きたい。
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