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中央主導のFAB23開催準備 [ブータン]

全国学校ファブチャレンジが学びのイノベーションを促進
National fab student challenge hopes to encourage innovation in learning
KP Sharma記者、Kuensel、2023年4月26日(水)
https://kuenselonline.com/national-fab-student-challenge-hopes-to-encourage-innovation-in-learning/
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【ほとんど抄訳【抄訳(www.DeepL.com/Translator(無料版)翻訳を筆者編集)】】
スーパーファブラボ(JNWSFL)は、教育省の全国学校イノベーション選手権を補完するために、全国学校ファブリケーションチャレンジを開始した。このイベントは、2023年7月16日~28日にブータンで開催予定の国際ファブリケーション祭の一環で、ファブリケーションを学習支援に活用することを学生に奨励することを目的としている。全国の学校の生徒が、3Dプリント、木工、回路基板作成などの技術を使い、物理的な教材を開発することが奨励される。上位チームは教師の指導を受け、最寄りのファブラボを訪れてアイデアを試作し、世界ファブラボ会議2023(FAB23)の会場で最終試作品を発表する。

この発表に先立ち、教育省とDHIイノテック部は、生徒と教師を指導するためのオリエンテーションプログラムを開催し、7月22日にはスーパーファブラボで対面セッションを実施した。DHIによると、選ばれたチームは、国内の最寄りのファブラボを訪問し、アイデアを試作する機会が与えられるという。

スーパーファブラボはFAB23に向けて準備を進めている。スーパーファブラボは、ファブ・ファンデーション、米MITのビッツ&アトムズセンター、ファブシティ財団と共同で、ブータンでこのイベントを開催する予定。

DHIは、このチャレンジは、青少年の教育とテクノロジーを促進し、デジタルファブリケーションツールに基づくイノベーションのエコシステムを構築するために企画されたという。

イベント開催中および開催前には、さまざまなプログラム、ワークショップ、セッションを実施し、国際フェスティバルの期間中には製品やプロトタイプの展示を行う予定。 .

休暇を終えて任地に戻ってからも、けっこう毎日が多忙であまり読書もできず、よってSSブログの更新頻度もあまり上がらない状態が続いている。別途作ったnoteの方も、週イチ更新がやっとこさの状態が続いている。

今日は、先週クエンセルに久しぶりのスーパーファブラボの記事が出たので取り上げることにした。

スーパーファブラボが初めてメディアで取り上げられて以降、SSブログでもnoteでも、僕が書く記事はわりとスーパーファブラボに批判的なものが多い。それは2017年設立のファブラボ・ブータンのレガシーへのリスペクトが、スーパーファブラボの若いスタッフやそれを取り巻く関係者の間にほとんどないというのが根本的な原因なのだが、スーパーファブラボができたことによって、一時は開催自体も危ぶまれた世界ファブラボ会議(FABx)のブータン開催が、今年実現の目途が立ったという点については、彼らに感謝している。市民社会の1つに過ぎなかったファブラボ・ブータンと違い、スーパーファブラボのバックにはDHIという巨大持ち株会社が控えている。FABxのような巨大なイベントのホストは、スーパーファブラボのような核があってこその実現だと思う。

それに、本記事で紹介されている全国学校ファブリケーションチャレンジも、FAB23を盛り上げる1つのイベントとして、その方向性は評価する。今まで「STEM教育」といったらコーディング一辺倒だったブータン教育行政関係者の既成概念に対して、新たに「ファブリケーション」の要素を付け加えようとする取組みである。僕が地方で「ファブリケーション」が要素として足りないといくらほざいたところで、中央がその声を拾ってくれるわけがない。

そもそもうちのファブラボにしたって、主要想定ユーザーであるCSTの学生のうち、いちばんファブラボを利用していないのはIT学科の学生である。コードが書けることが至上の価値だと思っている学生に、ファブの話をいかに響かせようとしたところで、僕自身がさほどコーディングのスキルがあるわけではないから、説得力に欠ける。こうして全国学校ファブリケーションチャレンジで、参加した小中高生がその後CSTに進学してきてくれたら、うちのファブラボにとってもメリットはある。何年か先のことかもしれないが、IT学科の学生がファブラボも使いこなすという姿になっていくのに、今からまいておけるいい種だと思う。できれば、FAB23に限らず、毎年続けて行って欲しい。

スーパーファブラボだから、中央の教育省も話を聴く。そういう意味で、この取組みは歓迎である。

でも、あまのじゃくな僕は、ここでも注文を付ける。このイベント、「全国」ですよね?でも、ふだんお付き合いのあるプンツォリンの公立学校や一部のチュカ県の学校の関係者やユースセンターのコーディネーターと会っても、このイベントの話は聞いたことがない。学校関係者がこれに生徒を参加させるため、近隣のファブラボの施設を利用させる?―――一応歓迎は歓迎だけど、そんな話はファブラボCSTのスタッフの間でも聞いたことはない。

考えられることは2つある。1つは、「全国」と言いつつも、ティンプーか、あるいはDHI傘下の地方ラボがあるパロ、ロベサ、サルパンに地域限定で呼びかけている可能性。もう1つは、単にファブラボCSTを含めた地方ラボへの周知を忘れている可能性である。おおかた後者の方の可能性が強いと思うが、とかく中央から指示をすれば地方は多少「聞いてないよ」と抵抗したとしても、最終的には指示に従うと思っているところがある。

スーパーファブラボと違って、こちらはコミュニティラボなので、ふだんから地域のステークホルダーである学校やユースセンターとはお付き合いをしていて、時には協力する関係も既に作っているが、そこでやろうとしているプログラムがあるにもかかわらず、中央から各地方の機関に指示が飛んできて、それが我々のプログラムに優先されるという状況が、これまでにも二度三度とあった。

ここで書いていることは僕自身やうちのファブラボのスタッフの愚痴のようなものに過ぎない。もちろん、プンツォリンやチュカの学校の生徒がプロトタイピングのためにファブラボCSTに来られるのなら、喜んで受け入れるし、万が一今回のプログラムから一部の地方が除外されていてプンツォリンやチュカも除外の対象となっていたのであれば、不公平感が生じないようにファブラボCSTのカバー地域だけに限定したイベントの開催も、FAB23とは絡めない形で今秋にやってもいいような気がする。

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