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JICA留学生の寄稿 [ブータン]


2023年2月4日(土)付クエンセルに、名古屋大学大学院経済学研究科博士課程に在籍中のペマ・ドルジ君の寄稿が掲載された。クエンセルのFacebookページで、日本の「ふるさと納税」について紹介した寄稿があったのにはすぐに気付き、誰が書いたのかと投稿者名を見たら、ペマ・ドルジ君の名前があった。すぐに本人からもLINEにメッセージをもらった。今年3月で博士課程を修了し、ブータンに戻ると聞いた。

今日は記事の内容にまでは踏み込まない。ただ、JICAの奨学金で日本で勉強してきたブータン人留学生で、おそらくクエンセルに1,000ワードのコラムを投稿したのは彼が初めてであり、僕はそのこと自体が嬉しくて、SSブログでも紹介したくなった。

僕も以前の役職の時は、日本の制度や経験を紹介する寄稿をクエンセルには何度もしてきたが、単なる手前味噌な紹介に留まっていた気がする。今回のペマ・ドルジ君の寄稿は、ふるさと納税という制度の紹介に留まらず、ブータンの既存制度にどのように付加価値をもたらすか、どのようにフィットさせられるのか、ブータンの文脈に即して書かれている。これは日本人の僕らでは書くのがムリで、ブータン人だからこそ書ける提言書であると思う。

前職でブータンに駐在していた時、僕は、これから研修で日本に向かうというブータン人公務員に会うたびに、日本で見てきたことをクエンセルかどこかで投稿して欲しいと口を酸っぱくして訴えてきた。僕にすれば、日本での学びを文章化してどこかで発表するなんて当たり前のことで、そうすることで他の人も学べるし、何よりも自分の履歴書にも書ける実績となる。

でも、帰国してそれを実践してくれた人は皆無に近く、僕のところで働いていた現地スタッフも、研修員に同行して日本に行かせても、結局率先してレポートを書いてくれた人はいない。件数が多すぎて僕自身がしつこく一人一人を追及してなかったこともあり、残念な結果に終わっている。目立つのが嫌なのか、それとも文章を書くのが苦手なのか、忙しいからなのか、はたまた単に忘れただけなのか、理由はわからない。

短期研修だと、どうしても短期間に多くの行事を詰め込むようなやり方になり、個々の訪問先での掘り下げが不十分になってしまうので、事前準備段階から伴走して、相当な予習をやっていかないと、まともなレポートは書けないかもしれない。しかし、留学生は違う。日本で数年学ぶのだから、それにどのみち論文やレポートはいっぱい書くのだから、1,000ワードのエッセイを書くことだって、難易度のハードルはそれほど高くはない筈だ。

ペマ・ドルジ君は以前から、「JICA留学生で論文集を出したい」と言うくらい、書くことへの意識の高い留学生だった。彼はやる気満々だったが、他の留学生がそこまでついて来れず、論文集には至っていない。クエンセル寄稿はそのハードルを一段下げる次善策だと思う。これが先例となって、今後も続く留学生が登場してくることを願ってやまない。こういうエッセイが積み上がっていったら、いつかJICAは彼らのエッセイを1冊にまとめ、世に問う支援をしてあげて欲しい。

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