国境の町は素通りされる [ブータン]
【抄訳(www.DeepL.com/Translator(無料版)翻訳を筆者編集)】
国境ゲートが開き、地方からの観光客を対象とした観光税(SDF)徴求が始まって3ヶ月以上が経過したが、プンツォリンのホテル事業はまだ復活に至っていない。星付きホテルも格安ホテルも、稼働率は低いままで、先行きは不透明だという。
1泊Nu.1,200のSDFが新たに導入される前から、ホテル経営者は政府に懸念を示し、リンチェンディンチェックポスト手前まで、プンツォリン市全域への立入りにはSDF免除とするよう政府に要請していた。SDFはその長期的な利益を考えて善意で導入されたものだが、ホテル経営者はビジネスが成り立たなくなると指摘していた。
数人のホテルは営業を停止している。ある星付きホテルの支配人は経営悪化を認めている。観光客は全くいない。以前なら1人のインド人ビジネスマンが自分のホテルで4部屋も占めるようなこともあったが、SDFのために、今ではインド側に同僚の宿を確保し、日中だけプンツォリンに入ってきている。
アレムホテルを経営するクルディープ氏も、SDFのためにすべての予約がキャンセルされ、2023年の客室稼働率は0%だと嘆く。政府はホテルへの融資の返済期限を延長したが、彼のホテルでは現在収益がないため、後の返済がまだ心配だという。従業員の給料も払わないといけないため、地元の客に頼らざるを得ない。
一方、ホテルマンたちの間でも、国境を越えて働きに来るスタッフは、毎晩帰国しなければならないので、大変だ。緊急の場合は、政府が宿泊を許可しなければならない。
政府は長期的なビジョンに基づきSDFを導入したが、ホテル経営者は、プンツォリン、サムチ、ゲレフ、サムドゥップジョンカルといった国境の町は例外にすべきだと主張する。そうでなければホテル経営は維持できない―――彼らの主張は明白だ。
現在、インドからの観光客は、国境手前で宿泊し、その後ティンプーやその先まで移動する。
ブータン・ホテル・レストラン協会(HRAB)のプンツォリン代表のカルマ氏は、この業界から既に撤退を決めたという。「このビジネスはもうだめ。それが理由です」と彼は言う。SDF導入には、長所と短所があると彼は言う。長期的に見れば良いことで、SDFはブータンを高級な観光地にするためのものだと指摘する。しかし、この変更による現在の影響、特に格安ホテルへの影響は不利をもたらす。
格安ホテルは観光客をもてなすことはできないので、政府は当初から、格安ホテルが望めば、その物件を3つ星ホテルに改装することができると懐柔してきた。しかし、カルマ氏によれば、「すべての格安ホテルが星付きホテルに転向できるわけではない」と主張。 多くの人が同意見だ。
格安ホテル「ホテル・カムザン」のオーナーによると、星付きホテルでも苦労しているという。「3つ星ホテルへの改装を求められても、それにはリスクがある。3つ星が特別にうまくいっているというのであれば、転換を考えることは可能かもしれないが。」
「ガリン・ホテル」(格安)の経営者は、プンツォリンのSDFが免除になれば、他のビジネスが復活すると主張する。「シッキム、ナガランド、アッサムから買物客はやって来るけど、SDFがネックになり、結局、インド側に滞在するか、短期間しかブータン側に留まらない。稼働率が高ければ、ビジネスが分散される。我々の店で買い物をし、我々のタクシーを使い、我々のレストランで飲食をするようになるでしょう。」
プンツォリンには少なくとも50軒のホテルがあり、そのうち10軒以上が3つ星ホテルである。パンデミック以前は、町の多くの賃貸ビルがホテルに改装された。
現在でも、既に新しいホテル建設に投資しているところがある。その1人、ウゲン・サムドゥップ氏は、ホテル業界の状況が不透明であるにもかかわらず、建設に踏み切った。「これは、私が取っているリスクです。プンツォリンで見かける建物の2、3軒に1軒はホテルで、しかもうまくいっていないのは明らかなので。」
それでもホテル投資に踏み切ったのは、学校中退者に雇用を与えられるのは、ホテル業界だけだからだ。マクロ的に見れば、この部門が好調であれば、雇用や不動産、経済全体など、さまざまな分野に波及効果が期待できる。
入国者数の減少にもかかわらず、昨年9月の国境開放以降、16,520人の観光客が訪れている。入国管理局の統計によると、総入国者数のうち、8,273人がSDF Nu.1,200を支払ったインド人観光客だった。
クエンセル紙のプンツォリン在住レポーター、ラジェッシュ・ライ氏の記名記事。プンツォリンの地域経済の課題をコンパクトにまとめている記事だと思う。ただ、最後の統計データは注意が必要で、これってプンツォリン入管ゲートを通った人の統計ではない気がする。プンツォリン入管ゲートを通過するインド人観光客が、全入国者数の半数程度だということはあり得ない。プンツォリンだけの統計なら、たぶんほとんどがインド人だろうと思われる。
僕もたまにプンツォリン市内で夕食をとることがあるけれど、レストランで働いているインド人従業員を見ていると、国境ゲートが閉まるのが21時らしいので、あまり遅くまでお店にいることができず、20時30分を回るとソワソワし始める様子が窺われる。ブータン側で夜明かしすると、それだけでNu.1,200を取られてしまうからだ。
だから、自ずと僕らもレストランで長居するわけにもいかず、早めに食べ始めて早めに撤収するというパターンになる。混雑しているのは16時から18時頃でも食べられるカフェやレストランで、おそらく外国人を当て込んで開業したと思われる小洒落たレストランは、19時過ぎに出かけても客で混雑しているのは見たことがない。
人出はそれなりにあるものの、引けるのも早い―――それが今のプンツォリンなのだ。


CSTやRIGSSがもっと国際的な学術研究拠点として認知されて、外国人研究者がたくさん長期滞在して下さるようになったらいいのに。構内にゲストハウスなど整備せずに、外のホテルと契約して来訪者はどんどん外に泊めたらいいのに―――。FAB18のような国際会議をどんどん誘致して、冬場でもいろいろやれたらいい。現在CST構内にコンベンションセンターが建設されているが、こういうのが今年中に立ち上がって、来訪者が増えて、それが地域にお金を落として行けたらいいのだろう。
それに、CSTのゲストハウスの宿泊者を見ていると、さすがに大臣や政治家はないけれど、次官や局長級の政府高官や県知事あたりが泊っていたり、一族郎党揃って宿泊なんてケースも結構見かける。ちゃんと地域にお金を落とすには、そういうところはなあなあにしない方がいいのではないかとも思う。
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