『神保町奇譚』(花咲舞シリーズ) [池井戸潤]
内容紹介【Kindle Unlimited】
テレビドラマ化、新聞連載で大好評の「花咲舞が黙ってない」シリーズ最新作は、神保町が舞台。〝一見客お断り〟のこだわりの寿司屋で、臨店を終えた東京第一銀行の花咲舞と上司・相馬健が舌鼓を打っていると、高齢の女性客がひとりで来店した。店主とも顔なじみらしい、上品そうな婦人の話に耳を傾けてみると……。
婦人は五年前に娘を通称〝もやもや病〟で亡くした。神保町界隈にあるベンチャー企業に勤めはじめてまだ3年目の若さだった。遺品を整理していると、産業中央銀行の通帳が出てきた。この日、銀行に出向き、口座の解約を申し出ると、係員に不思議な話を告げられた。娘の死後も口座が〝動いていた〟と。多額の振り込みがあり、一時、残高は3400万円にものぼったが、1ヵ月後にはきれいに引き出され、娘が口座開設時に振り込んだ1000円だけが残っていた。娘に何があったか知りたいと願う婦人の依頼を受け、舞と相馬のコンビが幽霊口座の謎に挑む!
『犬にきいてみろ』に続き、花咲舞シリーズの短編1編売りで冊数を稼ぐことにした。これも1時間程度で読み切ることができる。そして、感想もほぼ同じで、短編だけにあまり詳述する気にもならない。
でも、半沢直樹シリーズだと『銀翼のイカロス』から10年も前に行われていた産業中央銀行と東京第一銀行の合併より、本短編の舞台が前だというので、時系列がしっくり来なかった。東京第一銀行側の不正融資の発覚で合併交渉が難航している話まで本編には挿入されている。そんなに前の話なのかというところに戸惑いを覚えた。その点だけは述べておきたい。
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