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2022年のGOOD-BAD-UGLY [ご挨拶]

2022年をひと言で振り返るなら、自分のやりたいことをやらせてもらっている時は、どんなに忙しくても幸福感には満たされるということに尽きるでしょう。

相変わらず任地に入れない中で迎えた新年でしたが、ようやく行動制限が緩和されて4月下旬に任地入りが実現。それでも以後しばらくは今後の商売道具となる筈の機材が届かず、施設を操業開始することもできませんでした。それがようやく実現した8月下旬からは、まともな休日がほとんどない中で年末まで駆け抜けてきた感じです。

小刻みな喜怒哀楽はありましたが、全体を通じて言えるのは、「終わり良ければ総て良し」ですかね。

◇◇◇◇

以上申し上げた上で、2022年の個人的重大ニュースを以下で概括してみます。

1.年明け早々の首都ロックダウン(UGLY)
これはしんどかった。2021年5月に派遣されてきて以降、一度も任地プンツォリンに入ることもできずに越年してしまい、その間、カウンターパートもいない中で首都での活動をなんとか組み立ててきました。冬休みにはティンプーで滞留しているCSTの学生も相当数いたので、首都のファブラボ・マンダラ(旧ファブラボ・ブータン)にお願いして、学生向けものづくり研修をやってみたり、JICAの事務所会議室をお借りして、週末だけのmicro:bit講習会をやってみたりと、冬場もそれなりにやれることはやろうと試みたのですが、1月半ばからはじまった首都のロックダウンで、完全に息の根を止められました。

何がつらかったって、滞在先のホテルで缶詰めになり、身動きが取れなかったことです。自分はいったい何のためにここにいるのだろうか、これなら別にブータンに来ずに東京にいればよかったのではないか、そんな自問自答の日々でした。他の要因もあったのですが、本当に精神的におかしくなりそうでした。

大使館がないから、在留邦人に対する声かけもなされないし、うちの派遣元の組織の出先事務所も、自分達自身が缶詰になっている状態だから、私たちへの声かけなどほとんどありません。自分の中で、派遣元の組織に対する不満も爆発しそうでしたが、ひょっとしたらそんな状態にあるのは自分だけではないのではないかと気付き、むしろ僕のような状態にある在留邦人間で横のつながりを自ら作るべきではないかと考えるようになりました。

2.仕事の断捨離の続き(BAD)
私の派遣元の組織との間では、いろいろありました。メンツをつぶされて悔し涙を流したこともあったし、東京にハシゴを外されたこともあります。「今後こういうプロジェクトはやらない」と、派遣元の管理職に、当事者の私がいる前で明言されたこともありました。結論だけ聴けばそういう理由付けも私の中では可能でしたが、その管理職がどこまで考えてそう口にしたのかは疑問でした。

それなら別に所属組織に変に頼らず、自分でやりたいようにやろうと思い始めました。私は来年が還暦、来年度末で今の所属組織では定年を迎えます。再任用の途はあるかもしれません。ですが、自分のやりたくもない仕事に甘んじて従事するより、やりたいことをもっと伸ばせる方向で、自分のキャリアは考えたいとの思いが強いです。

また、昨年は、2017年以降4年間プロボノで務めてきた某財団法人の理事を退任して、財団の仕事から距離を置いたと書きましたが、それでも理事ではない別の肩書だけは残して、財団との関係は辛うじて維持していました。でも、定時理事会が毎回のように私のプロジェクトの隔週定例運営会議と開催がかぶってしまい、定時理事会欠席が続きました。欠席理由も毎回明言していたわりに開催日程の調整には反映されず、さすがに4回目の欠席が確定した時は我慢の限界で、もうその評議員という役も辞めようと決断しました。慰留もされませんでした。

たぶん、帰国してもお手伝いすることはないと思います。どこの組織であっても、老兵がつべこべ言うのは、主力となっている若い人たちにとっては聴きたくもないでしょう。なまじ距離が近いと見ていてじれったくて、老兵の側もストレスが溜まる。それなら今までやってきたことからは思い切って距離を置いてしまった方がよい―――そう考えるようになりました。

3.馬車馬のように働いた(GOOD)
首都のロックダウンが3月下旬に解除され、プンツォリンなどの南部地域への立ち入りの制限も緩和された4月下旬、ようやく僕は本来の任地に入ることができました。それでもしばらくは、肝腎の機材が納入されない状況が続きました。しかし、8月25日にファブラボCSTがオープンしてからは、文字通り馬車馬の如く働きました。毎月目玉的なイベントを用意し、それに向けて全力で取り組みました。完全オフの休日というのは、8月以降は右手で数えられるぐらいしかありません。

技術移転なのだから相手に働かせろ―――というのは理想です。しかし、もう1つの考え方として、「限られた時間の中でインパクトを残す」というのもあり得ると思っています。だから、周囲からどう見られていようが、自分の納得がいくところまでは働こうと考えました。一時帰国の権利も、1回分放棄しましたし、ようやく取得できた9月下旬の初めての一時帰国も、当初予定からは1週間近く短縮して、わずかな期間の本邦滞在で任国に返ってきました。

うまくいかなかったことも沢山あります。拡散させ過ぎて刈り取りがちゃんとできていない案件も多いです。自分なりにやったという実感はありつつも、接した相手に何らか行動変革を促すようなインパクトが与えられたかというと、まだよくわかりません。

4.サンチャイ☆ブログの役割再定義(GOOD)
これ、ずっとやりたかったんですよね。サンチャイ☆ブログは、読書ブログと任国からの気になる情報の発信と、自分の仕事関連の情報発信とがごちゃごちゃになっていたので、10月から新たにnoteにアカウントを開設して、仕事関連でのブータンからの情報発信を、そちらの方に全部集約させました。

結果的に、サンチャイ☆ブログはただでも記事掲載頻度が落ちたし、上記3で述べた通り、かなり働いたので、読書のペースが結果的には落ちました。これも、サンチャイ☆ブログでの読書日記の掲載頻度を下げた要因になっていて、結果として、PVのランキングが一気に下がりましたが、それは仕方のないことです。

noteの方は、ある程度まとまったら本にでもしてしまおうかと思っています。

5.個人的にはスキルを相当高めた1年だった(GOOD)
micro:bit、MESH、M5Stack、レーザーカッター、光造形式3Dプリンター、3Dスキャナー、ミシン、木工工具、CorelDRAW、Adobe Illustrator、Fusion360、Solidworks―――今年は、これらが使えるようになった1年でした。思いついたときにすぐに使える機械が手元にそろってきた8月以降は勿論ですが、それ以前にも、組込みを可能にするIoTデバイスを学んで、少しずつでも使いこなせるようになっていきました。人に教える機会を無理やり作り、そのために自分自身のインプットの時間を作るというループの繰り返しでした。

少しずつ自分の能力を高めることができた1年でした。お陰で、定年退職後にやりたいことも、単なる絵空事では徐々になくなってきている気がします。結局のところ、個人的なスキルアップが相当進んだとの実感があることが、「終わり良ければ総て良し」という今年の総括にもつながっているのだと思います。

今年も1年大変にお世話になりました。
読者の皆様の新年のご多幸をお祈り申し上げます。


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