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ティンプーの野犬 [ブータン]

イヌ人口抑制策も奏功せず、犬咬傷は依然脅威
Dog bite cases continue to be a menace despite population control efforts
Kelzang Choden記者、BBS、2022年7月27日(水)
http://www.bbs.bt/news/?p=172618
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【ほとんど抄訳】
イヌの人間への攻撃は、全国的に多くの人々の懸念事項として今も取りざたされる。首都は特にそうした事案が多く、国立レファラル病院の記録によると、過去6カ月で1,000人以上がイヌに噛まれたという。そうした咬傷をもたらすイヌのほとんどは、自由に外を徘徊できるイヌだという。

野良犬の集団が見知らぬ人や自動車を吠えて追いかける光景はティンプーでは日常茶飯事で、特に朝と夕方に多い。1匹が吠え始めると、他のイヌも続く。知人を家に招く時も、家人は外に出て来客を出迎えないと危ない。政府がこれらのイヌをどこかに移送してしまえば、市民には大きな手助けとなる。ある生徒は、毎日同じ通学路を歩くが、お年寄りを攻撃しているイヌを目撃したことがあるという。大人も子供も見境なく、イヌの攻撃対象となっており、通学が怖いと述べる。

首都では4月に300件以上のイヌ咬傷が報告された。過去6カ月で最大の被害者数だ。7月だけでも170件だという。そして、うち約130件が野犬による咬傷だ。イヌ咬傷は、ペットのイヌへのマイクロチップ埋め込みや野犬の断種が終われば減るだろうと見られている。現在、野犬3,000匹以上が断種措置を施され、6,700匹以上のペット犬にマイクロチップが埋め込まれた。学校に通う子供が野良犬やペット犬にちょっかいを出したりするケースがあることが、イヌ人口抑制努力にもかかわらずイヌ咬傷が増えている原因だと農業省畜産局幹部は述べる。野良犬の95%は断種措置済みで、7、8年もしたらブータンに野犬はいなくなるだろうと述べる。

保健年報によると、2020年も21年も、6,000件以上のイヌ咬傷事例が報告されている。こうした事案は、何らかの介入措置がない限り、今後減ることはない。

今月に入ってから南部のアブナイ話をいくつか投稿してきたが、逆にティンプーと比べて危険度が下がったと感じることもある。その代表的な例がイヌである。

プンツォリンに野犬がいないわけではないが、ティンプーの異常な数と比べたらはるかに少なく、しかもわりとおとなしい。以前8月のデリー(インド)を訪問した際、コンノートプレイスでぐでっと寝ていた野犬を見かけたことがあるが、印象としてはそれに近い。人間に厳しい気候は、イヌにとっても厳しいのかもしれない。

また、大学の構内に住み着いている野犬の群れがいて、縄張りを主張している勢力が2つぐらいあるが、構内には学生や教職員が大勢いて、カフェテリアやダイニングホールが4カ所ぐらいあって時々食べ物を恵んでもらっているからか、毛並みもいいし目つきも優しい。単純にイヌの人口よりもヒトの人口の方が圧倒的に多いから、野犬が数的優位を作りにくいということもあるが、ティンプーでよく見られるような、深夜の街中を駆け巡るような野犬の集団行動はここにはない。もっとも、夜間はたいてい雨だから、雨の中を走り回る奇特な野犬は少ないのかもしれない。とにかくモンスーン期の学内しか見ていない現状、ここで述べたことを一般化することはまだ時期尚早だとは思うが。

それと比べたら、ティンプーは大変ですね。お気を付け下さい。プンツォリン、良いところですよ(笑)。その点だけなら…。

農業省の畜産局の幹部が、「7、8年もしたらイヌは減り始める」と述べているそうだが、僕は2016年に当時の農業大臣が、「あと3年もしたら野犬は減るから大丈夫だ」と太鼓判を押しておられた。あの話はどうなったのだろうか。どうも、そうやって楽観的な見通しに基づいて自分の行動計画を組んでいたら、どんどんなし崩し的に見通しが後ろにズレていくケースを最近身近で経験しており、僕はこういう見通しには「どこまで確かなのか」と疑いの目で見てしまう癖がついている。

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