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ますます遠くなる国 [ブータン]

遺跡や聖地の入園料が改訂される
Tourist entry fees at monument and sacred sites revised
Choni Dema記者、BBS、2022年7月18日(月)
http://www.bbs.bt/news/?p=172196
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【抄訳】
国定モニュメント委員会はすべての外国人訪問客に対する寺院や遺跡などの入園料を改訂、15日(金)から新料金が適用されることになった。同委員会は、8つの寺院及びゾンの入館料も新たに導入した。

タクツァン僧院を訪問するには、外国人は2,000ニュルタムの支払いが必要。それまでは1,000ニュルタムだった。ティンプーのタシチョ・ゾンやメモリアル・チョルテン、チャンガンカ寺院、パロのキチュ・ラカン、リンプン・ゾン、プナカのプナカ・ゾン、チミ・ラカンでは1,000ニュルタムが徴求される。

委員会によれば、18歳未満の子どもに対しては50%の割引、5歳未満の子どもについては免除とされるとのこと。ブータン観光評議会(TCB)が当面この料金の徴収を行うが、9月23日以後は、指定の場所で料金徴収が行われる。

委員会は、新たに8つの寺院での1,000ニュルタムの入館料を導入。これには、ブムタンのジャンパ・ラカン、パロのドゥムツェ・ラカン、ドブジ・ゾン、プンツォリンのリンチェンディン・ゴンパ、パルデン・タシチョリン・シェダ、ティンプーのブッダ・ドルデンマ、シムトカ・ゾン、トンサ・ゾンが含まれる。料金は9月23日から徴収開始される。

観光客は、6つの祝日を除いて、一年中これらの場所を訪問することが許される。6つの祝日(Chotrul Duchen, Zhabdrung Kuchoe, Saga Dawa Duchen/Lord Buddha Parinirvana, Chokhor Duchen/First Sermon of Lord Buddha, Lha Bab Duchen/Descending Day of Lord Buddha and Birth Anniversary of Guru Rinpoche)の行動制限は、地元の人々が集まる日の観光客の安全を確保するための措置。

昔、インドのタージ・マハルの外国人入館料が275ルピーだった時代、インド人料金がたしか20ルピーぐらいで、あまりの格差に戸惑った記憶がある。でも、この外国人料金は当時の為替レートだと500~600円ぐらいで、そんなにぼったくられているという感覚はなかった。

でも、これと比較するなら、タクツァンに2,000ニュルタム(≒約4,000円)って、相当なぼったくりに遭っているように思えてならない。そもそも先日の新観光政策で改訂された1泊200ドルという持続可能な開発基金自体、需要の価格弾力性の高い低中所得層観光客には「来るな」と言ってるようなもので、価格弾力性が低い高所得層観光客にはさほど痛くもかゆくもないだろう。そして、そういう人ならタクツァンの入館料を2倍にしたところで、行くのを「やめた」とはならないに違いない。

メモリアル・チョルテンで1,000ニュルタム(≒約2,000円)ですか?考えに煮詰まった時に、思考を整理するのに無心で歩こうと思ってほぼ毎日のようにチョルテンの周りを1時間歩いていた時期があった。僕は歩く時間帯が早朝6時とか夕方17時以降といった、料金所の閉まっている時間帯だったので一度も払ったことがないが、それはともかくとして正攻法で日中に訪れると、そこで1,000ニュルタムも取られたら、1時間歩いたって元が取れた気持ちにはなかなかなれない。

それも自分の暮らすプンツォリンとは別の土地のことだから僕にとっては他人事なのだが、さすがにプンツォリンのリンチェンディン・ゴンパって、カルバンディの僧院のことですよね?地元の人がピクニックでも訪れるところじゃないですか?そもそもプンツォリンに住む外国人って、インド人を除いたらほとんどいないが、その数少ない外国人として、僕も狙い撃ちされているのではないかと勘繰りたくもなる。

なんか、だんだん距離感を感じるような政策導入が続くな…。財政の持続性とか、伝統文化の保全の観点からいって背に腹は代えられないのだろうが、なんか寂しい。
タグ:観光
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