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CNDP2030のその後 [ブータン]

今日の記事はいささか古いです。半年以上前の記事をほじくり返して書いています。

国土計画法案、また棚上げに
Spatial Planning Bill shelved again
Yangchen C Rinzin記者、Kuensel、2021年12月3日
https://kuenselonline.com/spatial-planning-bill-shelved-again/
【抄訳】
ほぼ6年前に起草され、この冬の国会会期に提出される予定だった国土計画法案がまた棚上げとなった。公共事業人間居住省(MoWHS)は2015年に同法案を起草し、同年、同省は国会への提出と真偽のため、同法案を内閣に提出した。同法案は、全国で実施中の開発計画と、今後実施予定になっている開発計画に法的根拠を与えることが期待されていた。

ドルジ・ツェリン公共事業相は、内閣がさらなる見直しの必要性を感じたのが法案棚上げの理由だと述べた。「でなければ、法案は法案提出に必要なすべての手順を踏み、それをクリアしてきた。私は内閣での見直しの決定を尊重するが、同法の制定は、開発計画の実効性を担保するという大きな利益を含め、省にとっては重要な課題だ。」大臣は明言しなかったが、内閣はMoWHSに法案を見直すよう指示した模様。

同法案が棚上げされたのはこれが初めてではない。省当局者によると、同法案は国民民主党(PDP)政権の在任中にも内閣に提出された。

また、一部の当局者は、大臣の同意を得て、国土計画法が既存の計画に法的根拠を与えるものであると語った。そのため、同省は法案を至急扱いとしてきた。しかし、法案は国会に到達することはなかった。

省とは別に、2019年のティンプー市の都市開発計画に関するパフォーマンス監査報告書の中で、王立会計検査院(RAA)は、省が法案の制定を進めるよう提言している。RAAはまた、国土計画が、構造計画の実施に関与する機関の意思決定権限と役割および責任を明確にするだろうと述べた。法案が承認されれば、現在実施中の開発計画に及ぶ影響を最小限に抑えることができるともRAAは指摘している。

ちょっと古い記事になるが、ふと「全国総合開発計画(CNDP)」の法的根拠ってちゃんと確保されたのだろうかと気になり、グーグル検索をしてみたところ、現時点でまだだということがわかった。

国土計画法案
国土とは、定義上、「国土空間に関連する、国土空間を占有する、または空間的特徴を持つ」ことを意味し、法案によれば、国土計画の目的は、土地の公正、秩序、経済的、持続可能な利用を提供することだという。その適用範囲は、国および地方政府の計画、政策、および必要な規制を実施することである。

同法はまた、構造計画における省、ゾンカグトムデ、イェンラグトムデ、およびゲオッグの権限と機能明確に規定する。その枠組みは、国の国土空間計画、地域空間計画、ローカル空間計画の三階層からなり、ローカル空間計画は、流域開発計画、構造計画、エリア計画、エリア行動計画からなる。

研究機関は別の腹案を示唆
法案の重要性について、MoWHS当局者が共有したこととは反対に、最近の調査研究では、包括的な計画力を考えれば、MoWHSは国土計画に関連するすべての権限を有するのではなく、技術的なバックストップのみを提供し続けるべきであるとの指摘もある。

2021年に発表された「ブータンにおける計画制度のレビュー」(Wangchuk Dema et al)というタイトルの調査研究において、国立ブータン研究所(CBS)の研究者は、別の権威ある機関が計画策定権限を持ち、MoWHSは国土計画の業務を同機関に引き継ぐべきだと提言している。

「財政および人的資源情の制約を含むいくつかの理由により別の組織が実行可能でない場合、理想的な選択肢は国家計画委員会の既存の役割と責任を活用することだ」と研究論文では推奨されている。「ブータンの場合、国土計画を主導するのに最適な機関は、その広範な計画策定範囲や権限、そして権利を考えれば、国民総幸福量委員会(GNHC)である。」

この調査研究では、GNHCが、社会的、経済的、環境的問題などの分野横断的な課題への統合的な対応をすでに担当しており、国土計画のノード機関になることがタイムリーかつ適切であるとの見解が示された。また、この調査研究では、空間のレンズを通して全国レベルと地方レベルの間を調整する垂直統合を推奨している。

「MoWHSはまた、国土計画が多面的なアプローチであることを認めているが、主に技術面を主眼に置く機関が、水平統合を促進するような国土計画を実施することはできないだろう。国土計画に関するいくつかの新しい開発取組みを含めた全国総合開発計画(CNDP)は、2019年、その実施が、MoWHSからGNHCに引き渡された。」

この調査研究によると、これは、国土計画を含む開発計画の実施を調整できるという、同省から計画委員会への信頼の表れだとしている。計画のより広い文脈の中で適切な機関として特定されたGNHCを用いるような、国土計画担当の形態を報告書は推奨している。

「国の国土計画システムは、同時に現代世界の開発ニーズに適した適切な結果が得られることが必要となる。すべてのレベル、特にゲオッグレベルの空間計画は、バランスの取れた地域開発をもたらすためにより多くの注意を必要とする。」

2019年にJICAがGNHCに提出したCNDPに関する最終報告書には、次のように書かれている。

近い将来に国土計画法(National Spatial Planning Act)の制定および同法に基づく国土計画(National Spatial Plan)の策定が予定されているところであり、その計画が全総に基づいたものとなることが期待される。国土計画法の法案は、2019 年の冬国会の審議に諮られる予定である。国土計画の策定は、公共事業・定住省が主体的に進める。国会審議および予算措置が順調に進行した場合、国土計画は 2019/2020 年度の下半期に策定される。都市地域を公式化するためには、その法的承認が必要不可欠である。都市地域には商業センターや開発プロジェクトによって発生する都市などの地方政府を持たない都市も含まれるため、都市地域は地方自治法ではなく国土計画法に基づいて法制化されることが望ましい。

そううまくは事が運ばなかったということですかね。ただ、この記事が出た後、4月頃に仄聞した話では、今GNHCが主管する方向で調整が行われているとのことであったので、早晩次の進展があるのだろうと期待したい。

法的なところはよくわからないのだけれど、同じ「全総」と言ってても、ブータンのCNDPは日本の全国総合開発計画とは相当趣が違う。産業振興策やらの農村振興策の提言もされていて、社会資本整備が中心で大規模プロジェクトが具体的に列挙されている日本の全総とは違う。言ってみれば他省庁の所管する事項にまでかなり足を踏み込んでおり、これをMoWHSが国土計画としてまとめるというのには、他省庁から何らか抵抗もあるかもしれないなと思う。

今日の記事は備忘録的に載せておいた。

”What happened to the Spatial Planning Bill?" Kuensel, October 15th, 2020
https://kuenselonline.com/what-happened-to-the-spatial-planning-bill/


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