プンツォリンの物価 [ブータン]
プンツォリンの物価は上がっているのか?
Is Phuentsholing becoming expensive?
Rajesh Rai記者(プンツォリン)、Kuensel、2022年5月27日(金)
https://kuenselonline.com/is-phuentsholing-becoming-expensive/
【要約】
行動制限の緩和とともに、プンツォリンはゆっくりとパンデミック前の状態に戻りつつあるが、市民は物資の価格がティンプーよりも急騰していることを懸念している。例えば、タバコはティンプーだと1箱100ニュルタムだが、プンツォリンでは120~150ニュルタムする。
ソルチェンに運転手交代ポイントがあった頃は、ティンプーの方が物価は高かった。しかし、このチェックポイントが撤去された後、運送手数料が下がり、ティンプーの物価が安くなったのだという。ただ、本当の理由は、ティンプーの業者がプンツォリンよりも規模が大きく、製造業者から直接輸入しているからだと指摘されている。プンツォリンでは、製造業者から直接輸入している業者は多くない。
プンツォリンの事業主は、ほとんどがジャイガオンから仕入れている。ジャイガオンからの輸入には追加の運送料が日割りで加算され、さらに積替え手数料もかかる。
ティンプーの物価はまだ高いとの指摘もある。プンツォリンのお店なら80ニュルタムのものが、ティンプーだと150ニュルタムする。コンテナやカーゴを使って輸入する場合にこうした差が生じる。しかし、ティンプーやパロの方が品ぞろえが豊富だ。ハードウェアでもその傾向がある。これらはコロナ禍により人口が多い都市部に物資を供給する必要があったからだともいえる。
取材を受けた事業者は、関係機関はプンツォリン経済をパンデミック前の状態に戻していく方策を検討する必要があると指摘する。国境ゲートがオープンすると、プンツォリンはインド側のビジネスとも競争を強いられる。少なくとも40%の事業がインド側との取引に事業分散が行われると見られる。
プンツォリンの貿易事務所は今のところ物価や取引価格の問題について特段の苦情は受けていない。物価上昇が見込まれる中で、5月23日、貿易事務所は、自動車整備工場やサロン、パーラー、ホテル、レストラン、小売店、企業等を含む全事業者に、サービスチャージを明示するよう通達を出した。
プンツォリン貿易事務所のソナム・デンドゥップ所長代行によると、食用油の価格は、プンツォリンよりもティンプーの方が安いとのこと。ティンプーの物価の方が安いという点については、消費者保護局(OCP)が6月にレポートを発表したら、より明らかになるだろうと述べた。彼の事務所もOCPに対して市場価格情報(MPI)データを提出した。ソナム氏はさらに、COVID-19に伴うすべてのプロトコルが撤廃されたら、価格は下がるだろう。結局のところ、大きな違いは生じないと述べた。
プンツォリンに越してきてから当地でよく聞かれた指摘は、コロナの影響で、プンツォリンが中継地として機能しなくなったということだった。ジャイガオンから入って来る物資はいったんティンプーまで運ばれ、そこで仕分けされて一部がプンツォリンに流れてくる。輸送コストが2回かかるので、物価が上がったのだという。すべての物資がそうというわけじゃないかもしれないが、これは一理あるかも。
一方、先日市内で民族衣装の生地を物色しようと思って何店舗か回ってみたけれど、既製のゴはティンプーよりもプンツォリンの方が1000ニュルタム以上安い。CSTの学生に訊くと、ジャイガオンに行けばもっと品ぞろえも豊富で、価格も安いので、自分たちはパンデミック前はそうしていたという。そういう学生たちにとってみれば、今プンツォリンの街で購入できる生地は、相対的に見たら高いということになるのかもしれない。
国境ゲート近くには何度か行ったことがあるが、日中はたいていの場合出国するトラックの行列ができているが、入国する車両はほとんど見かけない。このあたりの通関手続きや商取引の行われ方は僕も不勉強なところで、もう少し調べてみないとわからないのだが、出国と入国で時間が決められているのかもしれない。いずれにしても、出国するトラックしか見かけない中での印象としては、荷物はほとんど積んでいない。
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