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医療の専門家としての強い決意 [ブータン]

この記事は3月3日に予約投稿するつもりだったのですが、明日(2日)午前9時に、ツェリン首相が出張先のゲレフからBBSで国民に直接話しかけることがアナウンスされたので、その前に掲載してしまうことにしました。

ロックダウン以外に選択肢はない-首相語る
No other option than lockdown: PM
Tshering Pelden記者、Business Bhutan、2022年2月26日(土)、
https://businessbhutan.bt/no-other-option-than-lockdown-pm/
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【抄訳】
「ウィルスが経済にもたらすインパクトは承知しているが、ロックダウン以外に選択肢はない」――首相は本紙に対してこう語った。

多くの人々がソーシャルメディア上で、政府に対して、ロックダウンをやめるよう要求している。彼らが直面する経済的課題を反映したもの。中には、英国が採用したような「ウイルスとともに生きる」ことまで提案している状況。

しかし首相は、2月21日のBBSでのライブインタビューで、ロックダウンを取り止めたら、この国の医療の能力が崩壊すると述べた。もしブータンが100人から200人の患者を抱えた場合、すべての人に寄り添うだけの医療能力を失う。経済にもたらすインパクトは承知しているが、5歳から11歳の子どもたちはワクチン未接種であり、ロックダウン以外の選択肢はないという。

ティンプーその他の県のロックダウンは1カ月近くにも及び、何度かの集団検査を経て2月14日にティンプーのロックダウンは解除された。しかし、市民は首相官邸が行った二度目のロックダウンの通達に衝撃を受けた。市内で5人の陽性者が出て、2月22日午前5時から再びロックダウンが適用された。5人の陽性者のうち、2人はバベサ、2人はノルジンラム、1人はカベサで見つかった。

一方、ソーシャルメディア上で遺憾を表明した人の多くは日雇い賃金労働者で、長引くロックダウンにより我慢の限界を超えつつあると述べている。民間企業や小規模ビジネスで働く人やタクシー運転手はロックダウンのせいで困窮を極めており、単にロックダウンを適用するより政府が他の方法を模索してくれる方がはるかに大きな支援になると主張している。

しかし、首相は、ロックダウンやその他の行動制限が緩和されると、COVID-19感染者の重症化や死亡率が高まるだけでなく、他の疾病の患者が十分な医療サービスを受けられなくなり、患者の急増によってこの国の医療制度全体が影響を受けると主張した。

また、首相は、行動制限を緩和しロックダウンをやめた国々のその後の経過を国王が注視されているとも付け加えた。「オミクロン株はそれまでのタイプと比べて症状が軽いから、行動制限は緩和されるべきだという人もいるが、オミクロン株が個々人の健康状況に損害を与えない大きな理由はワクチンにある。国が国民に対して十分なワクチン接種機会を提供していない場合、状況はもっと悪かっただろう。」

5歳から11歳の子どもに対するワクチン接種は2月28日までには可能となるとし、第1回接種は10日以内に行われるとのこと。「4月5日か6日までには、第2回接種も終える。学校は3月1日から始業予定だったが、第2回接種を終えて免疫が形成されたとみなされる1週間後の4月中旬に再開する」――首相はこう付け加えた。

前にも書いたが、二度目のロックダウンは精神的に相当にきつい。

僕個人の状況を言えば、派遣元からの声かけもほとんど行われていない。皆自分自身のことに精一杯なのだろう。そういう時は、人が自分にやってくれるのをただ待ち続けてブーブー言っているのではなく、人にやってもらって嬉しい声かけを人に対して自分が行うしかないのだと思っている。

BBSでの首相インタビューは、リアルタイムで見ていなかったので、内容を知ったのはこのBusiness Bhutan紙の記事においてであった。「ロックダウン以外の選択肢はない」という首相のお言葉にどのような含みがあるのかは想像の世界だが、主張されていることはそうかもなと思うし、今のように連日ティンプーでも二桁の市中感染者が出て、街のそこら中において建物の区画が封鎖の憂き目に遭っていると、少なくとも今週末まではあるだろう。

下手したら今週いっぱいどころでは済まないかもしれない。それくらいの強い意思を感じるご発言だ。

首相の主張をそのまま載せるようなことならあまりこのブログで取り上げる気もなかったのだが、それでもこれを取り上げようと思ったのは、この記事を見たのと同じ日に、ソーシャルメディア上でこんな記事も出たからだ。

掲載されたのは「Hello Bhutan」という個人Facebookページである。結構情報掲載が早くて、ややもすると政府の公式発表よりも早かったりもする。そんな迅速性も手伝って、9万5000人ものフォロワーがいる。このページが、2月27日にこんな投稿をした。


管理者本人の声なのか、それとも別の一市民の声を拾ったのか、どちらなのかはわからないが、こういう見方をしている市民もいるのだなというのがわかったポストだった。「コロナとの共存」を標榜しなくても、実際すでにコロナは我々と共存しているというレトリックは僕のようなボキャ貧にはなかなか出てこないが、次はうちのビルかな~といった圧迫感は日々感じている。

「メンタルやられる」とか、「別の理由で人命が失われる」といった懸念も活字メディアではチラホラ出てきているので、ロックダウンを続けるなら続けるで、国民への声かけは必要なのではないかと思う。

ロックダウンの有効性については僕にはなんともいえないが、前回の28日間のロックダウンの際に、二度もマススクリーニングをやったにも関わらず、それでも市中感染者がその後増えてしまった。あのPCR検査は何だったのか。その辺もいつか聞いてみたいものだ。

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―――と以上述べた上で、明日の首相の国民向け演説を聴きたいと思う。
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