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遅いインターネット(別文脈ですが) [ブータン]

遅いインターネットに市民は苛立つ
Slow internet speed frustrates people
Samten Dolkar記者、BBS、2022年1月31日(月)、
http://www.bbs.bt/news/?p=165280
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【抄訳】
ロックダウンが始まってすぐに、より多くの人が様々な目的からインターネットを利用し始める。インターネットは唯一のコミュニケーション手段となり、ネットワークに負荷をかける。携帯電話利用者が70万人以上にも及ぶ今日、インターネットの速度の遅さに人々が不満を表明する姿は、いつもの光景だ。

COVID-19やそれに関連する課題を別として、ソーシャルメディア上には遅いインターネットに関する不平不満が氾濫している。「顧客相談窓口に電話しても、ロックダウンのせいだと言われるだけ。もしそうだとしても、このロックダウンは初めてじゃない。3回目なんですよ。なんでサービス改善のための手が打たれてないんですかね」――ティンプー在住のゲム・ツェリンさんは述べる。

「ロックダウン中は家にいるしか選択肢がない。インターネットは唯一の友だけど、退屈なものでもある。この頃は、Samuhといった新しいアプリがあるけれど、インターネットを利用しないといけない。以前なら4Gはきちんと機能したけれど、今はテレコム各社とも5Gを導入したにも関わらず、スピードは速くない。早くアップデートされないといけない」――こう述べるのは、市内在住のテンジン・デンドゥップさん。

タシセルもブータンテレコムも、この問題については認識しているものの、いろいろな課題に直面しているのだという。「モバイルデータのためのキャパシティを増やそうと思ったら、中継塔をできるだけ多く建てないといけません。でも、建てようとしたら用地確保が必要で、そう簡単に増やせないのです。この問題に関しては市当局とも取り組んでいますが、市側も用地確保は難しいと認めています。例えば、2021年、弊社はティンプー市内で21カ所に中継塔建設を申請しましたが、認められたのは9カ所のみです(後略)」――タシセル社のマネージングディレクターであるタシ・ツェリン氏はこう説明する。

「弊社にとっての難題は、こうした独占事業の事業拡大への認可取付そのものでもあります。中継塔ではなく電柱1本であっても、許可取付には困難を伴います。多くの手続きを踏む必要があるのです(後略)」――ブータンテレコム社のカルマ・ジュルミCEOもこう述べる。

2社のトップの中には、通信網をより早く拡大するのを助けるための政策が策定されることが重要になってきていると指摘した。また両社によれば、5Gが遅いインターネットにつながっているとする批判は正しくないという。5Gはただ速い速度でデータ送信するだけでなく、4Gネットワークの混雑の軽減にも寄与していると反論する。.

ロックダウンも3週目に突入しているティンプー。確かにロックダウン入りしてから、仕事をなんとか進めるために、そしてストレス解消のために動画見たりするために、インターネットへの依存度は増した気がする。何度か話題にしているように、Zoomを使ったオンライン会議やオンラインセミナー出席は増えたし、特にZoom会議を開いている最中に、接続が不安定になって相手の声が聞こえなくなったり、画像が静止しちゃったりする事態は、以前より多発するようになった。

ネットに頼った情報収集をやっているだけに、こういう批判がテレコム各社に寄せられるのは仕方ないのかなとは思う。批判の声を張り上げるほと遅いというわけでもないように思えるが、ロックダウンも3週目に入ると、人々の寛容度も徐々に下がってきているのかもしれない。

でも、まあ遅くてもいいじゃない?という気もするのです。

一昨年の8月、宇野常寛『遅いインターネット』の読書レビューをブログで書いたが、著者の問題意識は、インターネットが人間を「考えさせない」ための道具になっていて、かつてはもっとも自由な発信の場として期待されていたインターネットが、今ではもっとも不自由な場となり僕たちを抑圧しているというものだった。

確かに、ネット利用している時に物事を考えているかというと、YouTubeで動画見たり、フェイクが混じっているかもしれないネットのニュースを見たりしている時に、ただ漫然とそれらを受け入れている自分自身の姿に気付くことがある。考えるためにネットを見ているんだという反論は当然あるとして、もう少し考えるのに時間を充てたいとはやはり思う。古典とは言わないまでも、ちょっとネットから距離を置いて読書に時間を費やすのもいいのかもなと考えたりして。

読書を進めるためにキンドルでダウンロードするのはお許し下さい。

余談ながら、こんな状態になるとは予想もしてなかったので、日本の知人から頼まれて月例開催されているオンライン勉強会のホストを先月から務めているが、勉強会の発表者が画面共有のやり方がわからないから、スライドめくりをホスト側でやって欲しいと言われて、さすがに断った。素晴らしいパワポスライドを用意できるような発表者が、Zoomの画面共有に不安って、それだったらリハーサルを1回やれば済む話のように思えたし、ただでも停電リスクがあるこの国から、Zoom会議のホストを1人で担うのは危険極まりない。

タグ:読書 zoom
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