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2021年の読書まとめ [備忘録]

2021年の読書メーター
読んだ本の数:161冊
読んだページ数:50263ページ
ナイス数:1235ナイス

読書に関しては、去年の年初に4つ目標を立てていたが、反省も踏まえて少し振り返っておく。

1.『国富論』(アダムスミス)や『資本論』(マルクス)など、なるべく古典を読む。
←これは、「なるべく」という言い訳込みでできたと思う。但し、『国富論』や『資本論』みたいな有名なのではないが。何かの引用で使っても「ああ、あの本ね」というぐらいには有名なのは結構読んだ気がする。原書も含めて。

2.インドを含むアジアの開発問題に関する文献を重点的に読む。
←「重点的に」というほどではなかったけれど、これも自分なりにはできたと思う。ただ、これは去年がクライマックスで、今後はたぶん徐々にウェートを落としていくことになるだろう。これは、去年行った仕事の断捨離とも関連する。開発学やインド研究は、自分の中ではウェートが下がったということ。

3.わけあって、浄土真宗に関する文献を読む。
←これはやれた。ただ、そういう本を読んでいく過程で、門徒はそういう自分の信仰をひけらかしてはいけないという蓮如の教えについても知ったので、そもそもここでこんなことを挙げていたこと自体が恥ずべきことであったと反省もした。たぶん今後も何か読むことはあるだろうが、学びは心の中にしまっておきたいと思う。

4.小説では、宮本輝、垣谷美雨作品は重点的に読む。SFとして藤井太洋作品に挑戦する。
←これは、日本にまだいた時期には図書館で借りるなどしてなんとかできた。だが、5月以降は宮本輝作品のみ継続。で、通年で宮本輝は9冊いけたのだからまあまあでしょう。

今年についてはあまり目標は立てていない。強いて言うなら、ここ数年間でたまってきたデジタル革命関連の書籍や独習書を全部学びにつなげることだろう。簡単に本が手に入らない環境に身を置くので、冊数も期待はできない。おそらく読書量は減るだろう。読書メーターのレビュアーさんの感想や、SSブログの本カテゴリーのブロガーさんの紹介記事を拝見しながら、帰国後に読みたい本のストックを増やしていくことになるでしょう。

◆◆◆◆

https://bookmeter.com/users/24177/summary/yearly
■プロトタイプシティ 深センと世界的イノベーション
新年一発目の読了(といっても大半は年末に読み進めてあったが)。面白かったです。頭でっかちな計画を立てるよりも、手を動かす中で正解を探していくプロトタイプ駆動。そのプロトタイプ駆動をより効率的に行うために必要なコミュニティが、新興国など新たな都市に芽生えている――というのが大まかな本書のメッセージ。深圳がスゴイのはわかったけれど、深圳を追いかけるような地域はなかなか出てこないのかな。産業蓄積やアントレプレナーシップの有無等が必要条件になるとすると、インドはどうかなぁ。
読了日:01月01日 著者:高須 正和,高口 康太,澤田 翔,藤岡 淳一,伊藤 亜聖,山形 浩生
https://bookmeter.com/books/16109594

■カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
ソフトウェア開発の現場を想定したアジャイルの実践について、多少なりとも経験がある読者なら、きっと参考になる本だと思う。が、僕のような読者には、定義不明のカタカナや英語略語の頻出に戸惑い、ストーリーだけ読んで終わった感がある。情けないけど。今の僕の置かれた立場と関心領域にフィットする本だとは思えなかった。
読了日:01月02日 著者:市谷 聡啓,新井 剛
https://bookmeter.com/books/12579910

■新興アジア経済論――キャッチアップを超えて (シリーズ 現代経済の展望)
この当時(SDGs策定よりちょっと前)のアジア経済論の様々な論点が、わりと包括的にまとめられている良書。新興アジア諸国で進行している動きを、「生産するアジア」「消費するアジア」だけでなく、「老いていくアジア」「経済的不平等が拡大するアジア」「疲弊するアジア」として描いている。各々の論点に関する必読の参考文献を挙げて、要約してもくれていて、丁寧な解説書になっていると思う。ただね、「キャッチアップ工業化論」は「雁行形態発展論」や「グレート・コンバージェンス」とどう違うんだろうか、という点は依然として疑問。
読了日:01月04日 著者:末廣 昭
https://bookmeter.com/books/8165933

■正信偈入門
実家の父の具合が急に悪くなり、里帰りした際に父に代わってお勤め、正信偈を読むことになった。祖母に代わって父がその任を担い始めたのも50代の頃。急にお経をあげるようになった理由はわからないが、きっと自分のような感じだったのだろう。そして、ふだん何気なく読んでいた正信偈の、各句の意味をもう少し知りたくなった。それで読んでみた。在家の人間がここまでしっかり理解する必要があるのかどうかはわからないが、各句の意味の塊をどう読んだらいいのかはわかるようになれる気がする。その意味ではいい読み物だった。
読了日:01月05日 著者:早島鏡正
https://bookmeter.com/books/14059575

■MFゴースト(10) (ヤンマガKCスペシャル)
意味深な表紙について語るとネタばれになりそうですが、これ見て思ったことは、恋ちゃんは夏向より背が高かったんだという疑問でした(笑)。マシンではなく、ドライバーの方に不利な状況が生じるという展開は、新鮮でした。
読了日:01月06日 著者:しげの 秀一
https://bookmeter.com/books/17180303

■面白いほどよくわかる浄土真宗―宗祖・親鸞聖人の教え、真宗各派の歴史と仏事作法がよくわかる (学校で教えない教科書)
10年ぶりの再読だけど、前回感想書いてないのに気づいた。この間、親類の葬式があったり、自分が勤行を勤めなければならない状況になったり、実体験を通じてわからないところが明確になったので、二度目の解説書読み込みはすごくわかりやすかった。
読了日:01月08日 著者:田中 治郎
https://bookmeter.com/books/166122

■青が散る (1982年)
今年一発目の宮本輝作品。舞台は学生運動盛んなりし時代の関西だけど、作品発表自体は80年代。時代はこういう空気だったかな。なんか懐かしいな。
読了日:01月10日 著者:
https://bookmeter.com/books/400838

■SDGs――危機の時代の羅針盤 (岩波新書)
ここ数ヵ月ほどSDGsに関する解説書は何冊か読んだが、本書がいちばん包括的な解説書かもしれない。策定プロセスにおける国際交渉の舞台裏から、実際に出来上がったアジェンダの理念、それに企業の取組み中心の他書と違って、政府や市民社会組織、地域社会、労働組合、協同組合等への目配りも効いている。ややもすると環境問題中心で科学技術イノベーション重視の方法論中心の類書に対し、貧困や格差、保健、児童労働、DV等にも触れて、科学技術イノベーションが持つリスクにも言及されている。相当いい解説書だ。
読了日:01月11日 著者:南 博,稲場 雅紀
https://bookmeter.com/books/16582005

■インドの経済発展と人・労働: フィールド調査で見えてきたこと
発刊直後に指導教官から勧められて購入したが、読まずにずっと放置していた。自己都合退学したからだ。もしすぐに読んでいたとしてもその決断は変わらなかっただろう。ようやく読んだが、特に都市スラム居住労働者の労働実態についての調査は興味深かった。ただ、著者はアーメダバードでフィールドワークをされているが、それがムンバイだったら同じような結果が得られたのか、州間移動してきて一時的な出稼ぎ労働に従事している農村出身者の生活サイクルはどうなっているのかとか、視点を変えてもう少し知りたい気がした。
読了日:01月14日 著者:木曽順子
https://bookmeter.com/books/5612389

■四十九日のレシピ
3作目の伊吹作品読了。重松清的なムードを感じさせる、家族を描いたいい作品であった。映像化されるといいなと思っていたら、ドラマ化も映画化もされていた。
読了日:01月15日 著者:伊吹有喜
https://bookmeter.com/books/323805

■13億人のトイレ 下から見た経済大国インド (角川新書)
さすがは共同通信の特派員。読みやすい文体で一気に読ませる。著者があとがきで書いておられるように、インドから発信される日本人向けの情報は、経済発展の輝かしい話しかない。こういう、グラスルーツでの取材をベースにインドの実態を描いたルポが取り上げられたのは画期的なことだ。おススメする。
読了日:01月16日 著者:佐藤 大介
https://bookmeter.com/books/16418918

■文系AI人材になる: 統計・プログラム知識は不要
我が家の高校生に、「データサイエンティスト目指せ」と再三入れ知恵していたけれども、私立文系専願でかつ経済学部がいいと言いはじめた。僕は落胆したのだけれど、本書にはデータサインティストはもう十分だから採用を止めているという企業幹部の話が出てきていて、そこでの論点はそうしたデータサイエンティストを導くことができる文系AI人材の少なさだということだった。これを読んだら、愚息の選択も悪くないと思えてきた。どうせなら、愚息本人に本書を読ませたいものだ(笑)。
読了日:01月17日 著者:野口 竜司
https://bookmeter.com/books/14575056

■「接続性」の地政学 下: グローバリズムの先にある世界
上巻を読んでから半年も経過して、ようやく読了。なぜこういう章の並びにしたのかがちょっとわかりにくいが、各章は自分の知らない海外の事情がふんだんに盛り込まれており、読みごたえがあった。ちょうどアメリカでは新しい大統領が就任したところだが、本書が指摘しているような、国民国家の枠組みが、グローバル化によって出現してきた温暖化やデジタル経済、人の移動といった新たな課題に、対応できていない中で、1国で課題解決に取り組むのは前途多難だなと思えてきた。
読了日:01月20日 著者:パラグ・カンナ
https://bookmeter.com/books/11454211

■Gene Mapper -full build-
今年は藤井太洋作品を読むとの宣言に基づく、初の作品はデビュー作。遺伝子工学やVR/ARの実装について、多少なりとも知見があった方が読みやすかったのかもしれないが、展開もあまり目まぐるしいわけではなかったので、わからないなりに読み進めることはできた。自分の風貌や表情をVR/ARで隠すことができるなら、目の前に見えているものがホントか仮想かわからなくなる。読みながらその場面の状況をイメージするのがけっこう難しかった。
読了日:01月21日 著者:藤井 太洋
https://bookmeter.com/books/6765573

■工夫の連続: ストレンジDIYマニュアル
面白かった。作品のひとつひとつがどのような発想から生まれていったのか、解説もついていてわかりやすかったし。作品に「完成というのはない」と何度か強調されているが、それが各々の作品にどう込められているのかもよくわかった。Street Bombと称して製作されたガードレール付属型ベンチには特に惹かれた。そういう目で街を見ると、住みやすい街にどうしたら変えていけるのか、工夫のタネは結構そこらじゅうに転がっているのではないかと思えてきた。
読了日:01月22日 著者:元木 大輔
https://bookmeter.com/books/16647692

■軍師の門(上)
初火坂雅志長編作品。もちろん黒田官兵衛ものを読みたかったのだけれど、前半の主人公はどちらかというと竹中半兵衛で、菩提山城から比較的近い準地元民にとっては嬉しいお話。半兵衛主人公の小説はおそらく初めて読んだ。
読了日:01月23日 著者:火坂 雅志
https://bookmeter.com/books/566700

■にっぽんの美しい民藝
コロナ禍でなかなか旅には出られないので、とりあえず東京にある民藝ショップだけでも覗いてみることにしよう。
読了日:01月25日 著者:萩原健太郎
https://bookmeter.com/books/16235127

■農ガール、農ライフ (祥伝社文庫)
垣谷作品って、前半は主人公をどん底に落とす出来事がこれでもかこれでもかと続き、ちょうど中間点ぐらいから反転して物事が好転する出来事が続く、というパターンが多いが、今回の作品は、好転の糸口が意外と序盤にあったわりに、どうやってハッピーエンドになるのかが、終盤に迎えるまであまりよく見えない展開だった。ハッピーエンドで良かったけれど、元・同棲相手の言動って、ちょっとそりゃないだろというもので、登場人物の中では唯一こいつだけ違和感あった。ちゃんとメモを取ることの重要性を改めて認識した。
読了日:01月28日 著者:垣谷美雨
https://bookmeter.com/books/13783018

■はじめてでも簡単 ! 3Dプリンタで自助具を作ろう
自助具製作に行く前に、既存データのダウンロード、3Dスキャン、デザインソフト、スライサーソフト、3Dプリント用素材、3Dプリンター操作、そしてプリンターのメンテと、そもそも3Dプリントに必要な知識を総ざらえしてくれている。デザインソフトの独習書、3Dプリンターの原理等、個々の解説書は今まであったが、それらを統合して解説している解説書は稀だった。3Dプリントの入門書としては最適だろう。
読了日:01月31日 著者:林 園子,濱中 直樹,伊藤 彰,鈴木 一登
https://bookmeter.com/books/14247014

■江戸の陰陽師―天海のランドスケープデザイン
明智光秀が主人公のNHK大河ドラマも最終回を残すのみ。家康と光秀の絡みが若干描かれるようになって、すわ「光秀=天海僧正」説で行くのかとネットがざわついていたので、天海のことが書かれた本を読むにはちょうどいいタイミングだった。面白かったんだけど、江戸のランドスケープデザインに関する記述は思っていたよりも少なめで、京都に倣って江戸も風水に拠って寺社配置が行われたというのならやむを得ないが、あまり集中して読めなかった。大手町の将門首塚の経緯は、初めて知った。本書は「光秀=天海」説を推していない。
読了日:02月02日 著者:宮元 健次
https://bookmeter.com/books/392481

■ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
考えてみれば当たり前のことを言っているような気がする。でも、その顧客の片付けたいジョブが何なのかを見つけるのには大変な時間と労力をかける必要があるようにも思う。
読了日:02月03日 著者:クレイトン・M・クリステンセン
https://bookmeter.com/books/12207026

■軍師の門(下)
NHK大河ドラマ『麒麟がくる』最終回に、濱田岳クンが軍師官兵衛役で出演するというのが話題になっているが、この時代の小説は黒田官兵衛目線で描かれているものがいちばん面白いのではないかと思ったので、今のうちに読んでおくことにした。信長の変貌もさることながら、「天下」を意識してからの秀吉の変貌も、とかく絶対的権力の座が近くに見えてくると、人はこんなにも変わってしまうのかと感じさせる。黒田官兵衛が明智光秀をどう見ていたのかは、一瞬しか描かれていない。
読了日:02月06日 著者:火坂 雅志
https://bookmeter.com/books/566701

■新型コロナ 7つの謎 最新免疫学からわかった病原体の正体 (ブルーバックス)
ワクチン接種が各国で始まっている今日、謎の7つめにあった「有効なワクチンを短期間に開発できるのか」がとても腑に落ちた。日本のメディアの自然科学に関するリテラシーがほとんど醸成されていないという指摘を見て、メディアの報道に踊らされず、どこからどこまでは信じていいのか、自分なりのリテラシーを作らないといけないのだなというのを痛感させられた。
読了日:02月08日 著者:宮坂 昌之
https://bookmeter.com/books/16869001

■セルフ・デベロップメント・ゴールズ SDGs時代のしあわせコットン物語
発刊と同時に即読んだ。基本的には著者のライフヒストリーが中心だが、一部の章末にはその道の専門家で著者の構想実現を支えた人々が寄せたコラムもあり、それらを合わせてこの価格というのは相当コスパがいい本である。構想から常に苦労して12年やってこられて、どうやって今の事業の姿になっていったのかが描かれている。フェリシモの社風がこういう人を育ててきたんだなというのも感じる。いい会社だと思う。事業が今後も続けられて、10年後にこの本の続編が生まれていることを今から期待している。
読了日:02月09日 著者:葛西 龍也(一般財団法人PBP COTTON代表理事)
https://bookmeter.com/books/17296285

■オービタル・クラウド 上 (ハヤカワ文庫JA)
感想は下巻読了後にまとめて書くけれど、これは面白いなと思う。できれば映像化してもらえるともっといいのだけれど。
読了日:02月11日 著者:藤井太洋
https://bookmeter.com/books/10987670

■オービタル・クラウド 下 (ハヤカワ文庫JA)
上巻途中ぐらいからの展開が面白くて、下巻もイッキ読みだった。単にスペーステロの話かというとそれだけではなく、宇宙開発を巡っての持てる国と持たざる国との対立の構図が垣間見えたり、また民間と政府とのアプローチの違いや、民間の大富豪が持つ公共心のようなものが垣間見えたりと、かなり奥の深いストーリーだったように思う。実写化してくれたらもっと各シーンがイメージしやすくなるんだけど…。
読了日:02月12日 著者:藤井太洋
https://bookmeter.com/books/10998839

■光秀の定理 (角川文庫)
タイトルからの想像で今だから読んだが、光秀に絡んでくる法師「愚息」と浪人剣士「新九郎」の方が主人公のような作品。愚息は最初から達観しているが、新九郎の剣術の成長度合いに光秀が追い抜かれていく感じがあり、光秀のさえなさが後に行けば行くほど鮮明になる。同様に、光秀との関係が逆転して出世争いで追い抜かれてしまう細川藤孝も、後半になると存在感を失くしていくが、最後の最後で藤孝の油断ならなさが明らかになっていくお話。作家のイマジネーションが生かされたいい作品だと思います。
読了日:02月13日 著者:垣根 涼介
https://bookmeter.com/books/11301963

■カンタン英語で浄土真宗入門
門徒が外国で長期滞在するときに携行すると、話のネタにできそうな有用な本。漢字で書かれるよりも英語で書かれる方がわかりやすい用語も多く、相当面白い。「浄土真宗」って、「Shin Buddhism」って言ったらいいのか!
読了日:02月13日 著者:大來 尚順
https://bookmeter.com/books/12895914

■完全保存版 イラストだからわかりやすく簡単! なんでも自分で修理する本
これはいいわ、と思いつつ、先ずは道具を揃えないといけない。道具を揃えるための参考にもかなりなる。なんで自転車の修理と同じ章の後半に新型コロナウィルス対策が入っているのか不思議だ(笑)。
読了日:02月14日 著者:片桐 雅量
https://bookmeter.com/books/16087620

■半沢直樹 アルルカンと道化師
光景が想像しやすい。浅野支店長と半沢の対峙とか、査問会議での人事部小木曽次長と半沢のやり取りとか、渡真利クンと半沢の「オフ会」とか。渡真利クン、大阪出張し過ぎでは?正直、これを読んでの感想としては、「バブル入行組」の一角でもある渡真利クン主人公の「倍返し」ストーリーも見てみたい気がするな。あるいは、東京中央銀行行内に形成されつつある半沢シンパの各人による、勧善懲悪の短編ものとか。
読了日:02月17日 著者:池井戸潤
https://bookmeter.com/books/16330496

■怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道 (集英社文庫)
オリッサの話が出てくる本ということで随分と探したが、図書館にはなく、書店の文庫本コーナーにもあまり置いてなくて、仕方なくアマゾンで購入したが、正直期待外れだった。ただ、僕はこの舞台であるオリッサ州プリーには2009年1月に数日滞在したことがあり、こんな格闘を著者が2006年年末にしていたのを予め知っていたら、協力できたかもしれないのになという思いはある。
読了日:02月20日 著者:高野 秀行
https://bookmeter.com/books/556894

■フューチャー・プレゼンス 仮想現実の未来がとり戻す「つながり」と「親密さ」 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
VRを活用して、日本の学生や研究者が開発途上国でフィールドワークできたら面白いかも。
読了日:02月21日 著者:ピーター ルービン
https://bookmeter.com/books/13648548

■〈メイド・イン・ジャパン〉の食文化史
日本人の食生活が外国からの影響を相当に受けて変遷を遂げてきたことがわかる食文化の通史。言われてみればそうだと思うところが多く、これで日本食がなんでユネスコ文化遺産になったのか疑問に思えてくる。
読了日:02月23日 著者:畑中 三応子
https://bookmeter.com/books/16089507

■WIRED(ワイアード)VOL.39(12月14日発売)
特集が気になって年末に購入したものの、読むのが遅くなってしまいました。その間に読んだ別の本の中にも、こうした動きが2020年代初頭には起きていることを予測していたものもあり、1つ1つの寄稿を(・_・D フムフムと納得しながら読み進めた。
読了日:02月26日 著者:Condé Nast Japan (コンデナスト・ジャパン)
https://bookmeter.com/books/17167114

■カンパニー
イノッチ主演のドラマが間もなく12月公演の回を描くことになっているので、原作を読むなら今かなと思って図書館で借りて読んだ。多分NHK-BSのドラマの方は原作とはちょっと異なるエピソードが盛り込まれているように思うが、HPで出演者の顔ぶれをチェックしてから原作を読み始めると、場面場面がイメージしやすかった。青柳さんと同じような立場にあるオジサンとしては、明日からまた頑張ろうと背中を押してもらえるいい作品だ。ただ、この一方的に離婚を迫った妻の話の進め方だけは、ずっと違和感があった。
読了日:02月28日 著者:伊吹 有喜
https://bookmeter.com/books/11777658

■Education in Bhutan: Culture, Schooling, and Gross National Happiness (Education in the Asia-Pacific Region: Issues, Concerns and Prospects (36))
ブータンの教育に関連する様々なテーマ、政策・制度構築の歴史、僧院教育と世俗教育、重点施策、インクルーシブ教育、ノンフォーマル教育、女子教育、高等教育などのテーマで、ブータンの教育について相当程度理解できる本。ブータンの教育に関わるなら、研究者であろうと開発協力の関係者であろうと、おそらく必読の1冊といえる。ただ、いかんせん値段が高すぎ。図書館で借りて読んだが、とても買う気にはなれない。
読了日:03月05日 著者:
https://bookmeter.com/books/11884698

■チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学
この著者の書きっぷりは学者というより質のいいルポライターといった感じでかなり好みです。スナップショット的に見ていたらわからないものを、参与観察であぶり出し、それを読者にわかりやすい形で文章化するのにすごく秀でた人なんだろう。参与観察したものをどうまとめるかを考える上で、ものすごく参考になった。今さらですが、人類学、勉強してみたいなぁ。
読了日:03月06日 著者:小川 さやか
https://bookmeter.com/books/13908670

■出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記
【祝・読書メーター登録2,000冊め】自分もいいなと思った原書を翻訳してみたいと思ったことが何度かあったし、自著の原稿を某出版社に持ち込んで編集者から4ヵ月もなしのつぶてを喰らった経験があるだけに、本書の著者の体験談は身につまされる。ベースは出版不況という構造的な問題がある中で、いかに良書を日本人読者に知らせるかというところでの関係者もそれぞれ葛藤があるのだろう。著者が出版翻訳家を辞められてから8年も経っていて、その間に電子書籍とかも出てきている中で、今ならどうなんだろうか。
読了日:03月07日 著者:宮崎 伸治
https://bookmeter.com/books/17070323

■発想の整理学 ――AIに負けない思考法 (ちくま新書)
KJ法の実践について知りたいと思い、川喜田二郎先生の直系のお弟子さんの昨年出されたばかりの本を読んでみた。常々思うことは、こういう半ば暗黙知化している実践法を文章化されても、わかる人はわかるが、わからない人にはイメージがしづらいということ。実際に体験できるような研修を著者がホストされていないかと調べてみたけれども見当たらず、本書の記述だけを読んで見様見真似で取り組んでみるしかないのかと思うとかなり気が遠くなりそう。
読了日:03月10日 著者:山浦 晴男
https://bookmeter.com/books/16047019

■利生の人 尊氏と正成 (日本経済新聞出版)
著者が日経新聞のインタビューでも語っておられるが、当時のややこしい登場人物のWho’s whoを、丁寧に描いている。宮中での千種忠顕や坊門清忠の横暴、中先代の乱、多々良浜合戦等に加え、細川三兄弟、細川定禅、少弐頼尚などの九州勢など、他所ではあまり取り上げられない人物にまでちゃんと言及していて、描き方が丁寧。確かにそういう解釈の仕方もできるなと唸らされる展開も各所に見られ、読み応えのある作品だった。たとえ天皇の理想は崇高であっても、それを遂行できる有能無私の官吏がいないと結局ダメなのね。
読了日:03月12日 著者:天津佳之
https://bookmeter.com/books/17640468

■場のマネジメント 実践技術
全体を通してどこを切り取っても同じことが繰り返し主張されているような本に思えた。自発的な協働行動や組織の情報蓄積が起き、働いていて楽しい職場であることが理想なのだろうが、それを実現するために、ここまで型にはめた仕掛けを駆使していく必要があるのだろうか、それがかえって重荷になるなと思えてきた。発刊から10年も経過しているし、今はコロナ禍でリモートワークが当たり前になってきたから、発刊当時よりもずっと協働行動は難しくなっている。この手法を推奨するコンサルタントも、新たな時代への対応を迫られている。
読了日:03月13日 著者:
https://bookmeter.com/books/1504470

■MESHをはじめよう (Make: PROJECTS)
正直言うと、MESHキットは高いけど欲しい。今の僕のニーズにはかなり合っている。
読了日:03月13日 著者:萩原 丈博,小林 茂
https://bookmeter.com/books/13635253

■カラ売り屋、日本上陸 (角川書店単行本)
これ、TBSの日曜ドラマ枠で実写化したら面白そうだね。『半沢直樹』や『下町ロケット』を連想してしまった。勧善懲悪ものの匂いを感じる。
読了日:03月15日 著者:黒木 亮
https://bookmeter.com/books/16902815

■誰でもできる! MESH導入ガイド
同じMESHの活用ガイドブックだけれど、オライリーの本よりもビジネスユースに特化しており、しかも監修した会社が開発したカスタムタグの宣伝までしている。僕の今のニーズには合わない本だった。
読了日:03月16日 著者:阿部 信行
https://bookmeter.com/books/13254444

■Fusion 360操作ガイド アドバンス編―次世代クラウドベース3DCAD
半年がかりで全課題をクリアした。本書発刊時(2017年)から、Fusion360自体がバージョンアップしていて、ツールバーの表示がかなり変わっている。アドバンス編で独習したいなら、いちばん新しい版で学ぶことをお勧めする。勿論、そのものを作るにあたってのアプローチの仕方は旧版でも十分参考になるが。正直なところ、スカルプト機能はまだ理解が十分できていない気がする。
読了日:03月18日 著者:三谷 大暁
https://bookmeter.com/books/10914459

■東京の子
SFっぽくないけど、これもこれでいいかな。
読了日:03月19日 著者:藤井 太洋
https://bookmeter.com/books/13442956

■アパレルの終焉と再生 (朝日新書)
あまり一般読者向きの本じゃないな。業界の人ならともかく、これだけ横文字やら略語やら知ってて当たり前のように挿入されると、ついていけなくなる。論調も上から目線のダメだしが多いし、今のアパレルの体たらくはコンサルタントにも責任があると自覚した方がいいんじゃないだろうか。新書で15頁もない章もあったし、たぶんいろんなメディアへのこれまでの寄稿を集めた本なんだろうけど、章と章のつながりがわかりにくく、かつ知りたかったことが十分書き込まれていなかったりもする。
読了日:03月20日 著者:小島 健輔
https://bookmeter.com/books/17066477

■テクノロジーが雇用の75%を奪う
タイトルが煽りすぎのような気がする。消費する人の購買力が落ちたらものが売れなくなるというのはその通りで、そこで提唱されている政策オプションも納得感がある。たぶんそれが正論なんだろうけれど、そんな政策が本当に選択されうるのかどうかはかなり怪しい。
読了日:03月23日 著者:マーティン・フォード
https://bookmeter.com/books/9414360

■水のように
朝ドラのこれから1カ月半の展開を少し予習しておこうと思って読んだが、ことドラマの今後の展開にも関連する部分では、『アチャコ青春手帖』と京都嵐山の旅館「竹生」の記述が目立つぐらいで、あとは渋谷天外の仕打ちのことは繰り返し述べられていて、抑え目のトーンだが相当腸が煮えくり返っていたんだろうなと想像できる。結婚してから、「渋谷天外の妻」というので控えめにしていたらしい。これ読んだら今後のドラマの展開がかえって読みづらくなった(笑)。
読了日:03月23日 著者:浪花 千栄子
https://bookmeter.com/books/17017563

■カラー図解 最新 Raspberry Piで学ぶ電子工作 作って動かしてしくみがわかる (ブルーバックス)
好意的な編集。読み進めながら過去にどこで習ったかを何度も振り返り、知識を積み重ねて行ってキャタピラー製作にまで辿り着けるようになっている。別途ウェブサイト上でダウンロードできる解説もあり、また必要なパーツをどこで購入できるか、品番号まで書かれている。既に増補版が出ているようだが、古い版でも疎かにせず、これからも何度か振り返って実際に動かしてみたいと思う。
読了日:03月26日 著者:金丸 隆志
https://bookmeter.com/books/11068623

■チーム・オベリベリ
NHKのラジオ番組で紹介されていたので、図書館で借りて読んでみた。初乃南アサ作品。帯広の書店ではベストセラーらしい(そりゃそうだ)。十勝地方の開拓とアイヌの人々との共生の歴史が、没落武士の令嬢で同じく没落武士の子息の下に嫁ぎ、オベリベリの開拓に向かった1人の女性の目線で描かれている。商人の次男と武家の長男2人のチームで始めたオベリベリ開拓の、7年以上にわたる苦闘と、特に武士階級から小作農扱いされた人々の心境がよく伝わってくる物語になっている。660ページの超大作で、読みごたえたっぷり。
読了日:04月01日 著者:乃南 アサ
https://bookmeter.com/books/16000100

■身近な人が亡くなった後の手続のすべて(新訂版)
初版は5年以上前に図書館で借りて読んだが、その際に一家に1冊あってもよいと思ったので、昨年末に新訂版を購入。先週、父が亡くなったが、落ち着いて初動を果たすことができた。その後の役所関係の手続もだいたいここで書かれている内容をなぞって今のところ展開している。葬儀社から同じような冊子を渡されたが、それよりも本書は記述が丁寧。但し、制度は年々変わっていくので、必要な人は最新版を参照して動かれることをお勧めする。
読了日:04月04日 著者:児島 明日美,福田 真弓,酒井 明日子
https://bookmeter.com/books/16615328

■紙の建築 行動する――建築家は社会のために何ができるか (岩波現代文庫)
1360円もする文庫本にしておくには惜しい内容。坂茂先生の設計の中核となっているのは紙管と構造なのだと思うが、紙管ってそんなに簡単に現地生産できるのか、またジョイント部分が逆に現地生産が難しいと述べられているが、もし現地に3Dプリンターがあったらどうなんだろうか、とか、もう少し知りたい欲求に駆られた。2015年ネパール大地震の際のVANの活動についても、もっと知りたい。ただ、そういうことも含めて、坂茂先生の建築設計の思想の根幹を知り、次のステップの学びにつなげていける、いい入門書だと思う。
読了日:04月07日 著者:坂 茂
https://bookmeter.com/books/11041922

■SDGs時代のグローバル開発協力論―開発援助・パートナーシップの再考
市民社会が政府開発援助を批判的に評価するのはわかるのだけれど、SDGs、SDGsと盛り上がっている企業の姿勢に対する言及をほとんどしていないから、まるでODAがやっていることは企業よりも質が悪いという論調になってしまっている気がする。環境面での貢献ばかりをアピールしたがる企業に対して、本書が貧困や人権をハイライトする本書の視点は重要だと思う。グローバル開発協力が援助だけでなく、貿易投資、人の移動など包括的に捉えるものだというのなら、いつものODA批判を越えた包括的な論考をして欲しい。
読了日:04月11日 著者:
https://bookmeter.com/books/14574635

■未来をつくる言葉―わかりあえなさをつなぐために―
クリエイティブ・コモンズの一説と、哲学とメディアアート専攻との間で揺れた大学選択の話のところを取りあえずテイクノート。もう少し自分自身が落ち着いたところで、改めて読み直してみたい。
読了日:04月15日 著者:ドミニク・チェン
https://bookmeter.com/books/15238955

■関ケ原合戦全史 1582-1615
豊臣秀吉没から大坂夏の陣に至るまでの17年間の政治史を、中央だけでなく地方で起こっていた出来事も含め、包括的に描いた意欲作。極力一次史料に拠っているし、先行研究もふんだんに取り込んで考察が進められている。分厚いだけに読みがいもある1冊。これを以て、しばらくは趣味的に歴史書を読むのは手控えようかと思っているが、いい本を読んで締めくくれたと思う。
読了日:04月17日 著者:渡邊 大門
https://bookmeter.com/books/17349978

■日本人―ユニークさの源泉
日本研究が盛んなりし1970年代の日本研究者の手による1冊。ライシャワーの『ザ・ジャパニーズ』も踏まえて日本人を論じられているので、『ザ・ジャパニーズ』よりも参考にはしやすい。外国で日本と日本人について話す際には参考としやすい内容。今から50年近く前の日本人論だから、今の日本人にそのまま当てはまるとは思えない記述も見られる。今日本研究をされている研究者の著作があると比較として面白いだろう。
読了日:04月23日 著者:グレゴリー・クラーク
https://bookmeter.com/books/1385402

■ふしぎの国のバード 8巻 (ハルタコミックス)
年1回の頻度でのコミック発刊だから、ここまでのストーリーを忘れた状態で本巻を読み始めた。この頻度だとなかなか読み味わえるところまでいかないなぁ。面白いのは面白いのだろうけれど、実際のイザベラ・バードとイトウの年齢差は相当あったみたいだし…。
読了日:04月24日 著者:佐々 大河
https://bookmeter.com/books/17686819

■蓮如〔御文〕読本 (講談社学術文庫)
元々学術論文を狙った書きぶりだが、ひらがな表記の原文は朗読しやすく、各章の現代語訳と由来あたりは読みやすい。日々の勤行における御文の読み方、特に章の選び方とその味わい方のヒントが得られたように思う。
読了日:04月27日 著者:大谷 暢順
https://bookmeter.com/books/250659

■不平等の再検討―潜在能力と自由
長年、読書メーターの積読本リストの最底辺に残されていた本を、ようやく読み切った。簡単には理解できない箇所も多かったが、第6章「厚生経済学と不平等」、第7章「貧しさと豊かさ」あたりで、ようやく著者が何を言いたいのかが理解できてきた気がした。最初から読み始めてわかりにくければ、このあたりから読み始めてもいいかも。
読了日:05月02日 著者:アマルティア・セン
https://bookmeter.com/books/7322

■般若心経入門-276文字が語る人生の知恵 (祥伝社新書183) (祥伝社新書 183)
昭和59年9月発行の祥伝社NONブックス第184刷で読んだ。般若心経入門書のロングセラー。亡き父が購入して読んでいたらしい。禅宗の禅師による説法のようだが、結構いろいろな宗派の開祖のエピソードも出てくる。宗派は違っても仏教は仏教なのだなと改めて感じた。もう少しスラスラ読めるようになれるといいと思い、もうしばらく携帯していようかと思っている。
読了日:05月04日 著者:松原 泰道
https://bookmeter.com/books/402119

■MFゴースト(11) (ヤンマガKCスペシャル)
いまだに登場しない藤原拓海クンが、プロジェクトD神奈川遠征の頃に付き合っていた美佳ちゃんとの長年の恋を実らせたとの解説者秋山渉の余談にほっこりした。結構晩婚だと思うんだけど(苦笑)。MFGエンジェルスのサービスカットに、「半ケツはいらん」と違和感を覚えているオジサンには、こういう話の方がホッとする。あと、瀬名との将来のバトルが楽しみ。
読了日:05月06日 著者:しげの 秀一
https://bookmeter.com/books/17833994

■セルフ・デベロップメント・ゴールズ SDGs時代のしあわせコットン物語
著者の自己成長ストーリーとしては確かに読めるのだけれど、これまでの12年間の展開の過程で著者が世話になったという人々が、著者の言う「指揮命令系統のない共働態」という考え方に基づいて、その後何をやろうとしているのか、プロジェクトに関わる各々の方の成長ストーリーにも興味がある。加えて、著者には社長を務めている本業がある中で、この財団法人の代表理事の仕事とどう折り合いをつけていくことができるのだろうかというのにも、関心がある。
読了日:05月07日 著者:葛西 龍也(一般財団法人PBP COTTON代表理事)
https://bookmeter.com/books/17296285

■地球に降り立つ: 新気候体制を生き抜くための政治
ブルーノ・ラトゥールのことを知ったのはわりと最近。とりあえず1冊著書を読んでみようと思って手に取った。トランプが大統領だった時代の記述なのだが、トランプが大統領でなくなったとしても、第4のアトラクターは続いていってしまうのだろうかというのが疑問。ただ、SDGsには貧困削減も経済成長も目標にあるのに、多くの論者が気候変動対策のみを強調されているのに感じていた違和感が、本書を読んで少し解消されたような気はした。著者も、またかなり長い解題を寄稿した訳者も、SDGsには全く言及せず。立場が違うのかな。
読了日:05月11日 著者:ブルーノ ラトゥール
https://bookmeter.com/books/14328556

■Newsweek (ニューズウィーク日本版)2021年5/18号[新章の日米同盟]
インドで猛威を振るっているコロナ変異株のことを少し知りたくて購入。最近モディ首相が静かなのだけれど、記事が示唆しているような、昔のインディラ・ガンディーが支持率低下局面でやったような恐怖政治をモディもやっちゃう可能性があるのだろうかと気になった。実績上がっていないような政策でも、「成功」と喧伝しちゃうような人だからなぁ。
読了日:05月13日 著者:
https://bookmeter.com/books/17961301

■南小国町の奇跡 稼げる町になるために大切なこと
3年でここまでやった外部コンサルタントもすごいと思うが、南小国町側にも、町長やその他リーダーシップが取れる人材がいたのも大きいのだろうなぁ。僕が元々この町のことを知ったのは、本書でも出てくるファブラボの話からだったのだが、このコンサルの関与が始まる以前から既にあった地域のイニシアチブなのに、このコンサルタントが南小国に来てからのファブラボの絡み、小国杉の活用の絡みがあまり描かれていない点に、少し物足りなさも感じた。
読了日:05月16日 著者:柳原 秀哉
https://bookmeter.com/books/17860039

■WTF経済 ―絶望または驚異の未来と我々の選択
読了に1カ月近い時間がかかった。いろいろな論点を含んでいると思うが、個人的には、序盤のオープンソースと、中盤での「仕事を作り出すのは顧客」という議論、終盤で出てくる学習の必要性、新しい学びのあり方に関する議論などが印象に残った。特に、最後の論点は、これからの僕自身の仕事のあり方への貴重な示唆になったと思う。
読了日:05月20日 著者:Tim O'Reilly
https://bookmeter.com/books/13491027

■イーロン・マスク 未来を創る男
また聞きでしか知らないイーロン・マスクの評伝でもこの際読んでおこうと思い、2日で読了。原書自体は2015年の発刊らしいが、ここまででまだ実現されていなかった構想もその後具体的に形になりつつあるものもあるし、既に世界一の大富豪にも躍り出ている。癖が強くて上司にするにはしんどいが(多分僕の方が即刻クビになってるだろうが)、有言実行の人というところでは批判のしようもない。宇宙インターネット構想の行方には要注目。
読了日:05月22日 著者:アシュリー・バンス
https://bookmeter.com/books/9867870

■人新世の「資本論」 (集英社新書)
「資本論」は膨大なので古典と言っても読むのには怖気づいてしまうが、こういう晩年までのマルクスの遺稿までカバーして新たな解釈を試みる取組みのおかげで、マルクスをわかった気になれた。実際に日本国内でも若い人々がそういう方向を指向しているのかなという気がするし、生産能力の市民営化とか、デトロイトやバルセロナへの言及とか、僕が注目し、自分なりに試行錯誤していることとも軌を一にする内容で、今までSDGs絡みで読んだ書籍の中でも、最も腑に落ちた。ただ、ブルーノ・ラトゥールへの批判は、針小棒大なんじゃないかな。
読了日:05月28日 著者:斎藤 幸平
https://bookmeter.com/books/16481452

■MESHをはじめよう (Make: PROJECTS)
再読は、MESHブロックを入手した上で、実際に動かしながらやってみた。本書では触れられていないが、MESHブロックそのものを実装するようなIOTシステムは、ブロック自体への充電が必要だったり、システムを動かしている間はMESHアプリを動かしていないといけなかったりと、制約もあるように感じた。ワークショップ等で用いるには有用だが、実装には次のステップが必要だと思う。
読了日:05月28日 著者:萩原 丈博,小林 茂
https://bookmeter.com/books/13635253

■螢川・泥の河 (新潮文庫)
週末読書で宮本輝作品を久々に読むことにした。やはり、太宰治賞や芥川賞を受賞した文学作品はそれなりに力が入っていた作品で、最近出た宮本作品よりも段違いに拡張が高い。いずれも映画化されており、YouTubeでその一部を垣間見ることができるが、原作の良さというのを感じさせられるいい映像作品になっていた。いずれも、戦地から戻った父親が登場している。そういう時代に生まれた作品なのだ。
読了日:05月29日 著者:宮本 輝
https://bookmeter.com/books/561499

■森の生活 (講談社学術文庫)
500頁近い本。読み終わってホッとした。著者は元々コンコードの出身だし、それが街の中心からちょっと離れた森の中で暮らしていたといっても、街には出かけていたようだし、街や近くの民家からの来訪者もあったみたいで、必ずしも人里離れた森の中での一人暮らしというわけでもなかったみたい。しかも、2年間だけだし。ただ、観察眼とそれを言語化できる表現力は素晴らしいと思う。膨大な読書量に裏打ちされた引用や比喩も豊富。終盤のウォールデン池の分析のところが特に面白かった。
読了日:06月03日 著者:D・ヘンリー・ソロー
https://bookmeter.com/books/447481

■偉い人ほどすぐ逃げる (文春e-book)
東京五輪の開催強行の可能性を踏まえてYahooニュースで本書が紹介されていたので、てっきり東京五輪フォーカスの本かと思ってダウンロードしたが、もっとカバー範囲が広かった。なるほど、今は五輪開催問題で偉い人が誰も責任取ろうとしていないのが目立つが、その背後で僕たちが忘れかけていた様々な問題があったのを思い出した。「国民のために」という言葉が見落としがちな人々への気遣いが感じられる論考の数々。
読了日:06月05日 著者:武田 砂鉄
https://bookmeter.com/books/18099391

■道頓堀川 (新潮文庫)
宮本輝「川」三部作の最後の作品も、前2作から間を開けずに読んでしまうことにした。邦彦主人公のお話だと勝手に思っていたが、喫茶店オーナーの武内も主人公だった。前2作よりも、少し現代に近づいてきた昭和40年頃が舞台。シニアの登場人物には戦地帰りもいる一方、戦後生まれの子供たちが20代に差し掛かったという時代。その交わり具合が印象に残った。大阪の土地勘のない僕のような読者が読みながら場面をイメージするのは少し難しかった。地図を片手に読めばよかったか。
読了日:06月05日 著者:宮本 輝
https://bookmeter.com/books/460104

■作って覚える Fusion 360の一番わかりやすい本
3Dモデリングを多少覚えて、最も作りたかったのは本棚や椅子、机といったファニチャーなので、Fusion 360の入門書の中では、これがいちばん自分には合っていると思った。ただ、できればこうして実際に作ったデータから、ShopBotなどにどうデータ転送して、実際の製作につなげていくのかについて、少しぐらいの解説が欲しかった。発刊から4年経過しており、Fusion 360もアップデートされていて、解説と実際の操作パネルが違うケースもあるが、それほど気にはならなかった。
読了日:06月07日 著者:堀尾 和彦
https://bookmeter.com/books/12414395

■蓮如文集 (岩波文庫 青 322-1)
限られた数の御文だけ掲載してその解説がやたらと長い解説本よりも、御文の原文を78通分も収録されている方が、蓮如上人の思想をつかむにはよいと実感できた。同じような話が何度か出てくるが、そういう反復で理解が進んだような気がする。また、時系列順に掲載されていて、読み進めるにつれて蓮如上人が何歳頃にどこで過ごされていたのか、その頃何が起こっていたのかがわかる。最初は原文ばかりで怖気づくかもしれないが、慣れてくるとスラスラ読めると思う。
読了日:06月08日 著者:蓮如
https://bookmeter.com/books/268540

■頭文字D 超合本版(2) (ヤングマガジンコミックス)
何かの拍子にKindleの操作を誤り、ダウンロードしてしまったので読んだ。「碓氷峠最速」佐藤真子のシルエイティとのバトルから、ランエボⅢ須藤京一との赤城での対決までが収録されている。いい区切りにはなっている。
読了日:06月09日 著者:しげの秀一
https://bookmeter.com/books/12729043

■スマホ脳 (新潮新書)
今までなんとなくそうだろうなと思っていたことを、科学的な研究の成果に基づいて説明されている。スマホやインターネットに潜むそうしたリスクを十分理解した上で、賢く使っていくことが必要だと改めて痛感した。たぶん、原書はそれなりに研究論文の出所を巻末脚注に明記していたと思うのだが、それを新書版にするために参考文献リストを全削しちゃっている点はちょっともったいないかもしれない。
読了日:06月12日 著者:アンデシュ・ハンセン
https://bookmeter.com/books/16915149

■カラー版 マンガでわかる 個人事業の始め方
事業計画書の構成について知りたかったので、あとのところは飛ばし読みした。起業のターゲット時期を先ず決めて、そこからの逆算で動けというメッセージを重く受け止めたい。起業の1年前には事業計画書を作れという。ならば残りは2年。2年で事業のイメージを作らねばと思うことができた。
読了日:06月14日 著者:
https://bookmeter.com/books/10851514

■Regulatory Hacking: A Playbook for Startups (English Edition)
社会を変えたいと願うスタートアップ企業が、そのために政府や既存の規制枠組みとどう向き合い、それらを変えていくために何に取り組む必要があるのかを、著者が支援してきたスタートアップのケースから整理し、提言を試みた本。事例が米国中心なので、米国での起業、そして米国でベンチャー投資家やエンジェル投資家から資金を調達する際には役に立ちそうなDos & Don'tsが述べられている。英語がシンプルで読みやすかった。
読了日:06月20日 著者:Evan Burfield,J.D. Harrison
https://bookmeter.com/books/13730330

■MESHではじめるIoTプログラミング: 〈うれしい〉〈たのしい〉〈おもしろい〉を創作しよう
スイッチサイエンスやタミヤ等でパーツを追加入手しないとできない工作は、途上国在住の現在の身ではなかなかできないため、読み流すしかない項目も相当数あった。日本国内だったら別にそれでもいいのだろうけど。また、作るのはいいけどそのまま実装はできないので、MESHで覚えたことをどう実装に連携していけばいいのかが知りたかった。流し読みでの収穫はさほど多くないが、共著者の何人かが比較的自分の身近にいる方だとわかったのが最大の収穫だったかもしれない。
読了日:06月20日 著者:上林 憲行,中村 亮太,中村 太戯留,岡崎 博樹,田丸 恵理子
https://bookmeter.com/books/13765438

■デジタル化する新興国-先進国を超えるか、監視社会の到来か (中公新書)
世の中の流れと、それを踏まえた日本の今後取り得るアプローチ、そしてその中での政府、企業、個人に求められる取組みについての著者なりの提言が示されている。個人レベルにまで落とし込んでもらったので、自分が今やっていることが間違いではないという自信を与えてもらえた。
読了日:06月27日 著者:伊藤 亜聖
https://bookmeter.com/books/16684580

■Fusion360操作ガイド ベーシック編 2021年版―次世代クラウドベース3DCAD
初版からFusion 360の操作も随分と改編がされてきているので、こうやって定期的に改訂版を出してくれるのは良心的だと思うが、このシリーズの難点として、目次がモデリング対象物を見出しにしているため、どの操作法がどの巻のどの章で学べるのかがわかりにくいと感じる。実際にモデリングをやっていくと、「こういう造形をしたい時には何をどうしたらいいのか」がピンポイントでわからない事態に多く直面する。そういうのを引ける、シリーズ全体での目次のようなものがあったらなぁと思う。
読了日:06月29日 著者:三谷 大暁
https://bookmeter.com/books/17535023

■マーケットデザイン: 最先端の実用的な経済学 (ちくま新書)
発刊当初、話題になっていた新書である。「最先端の」と付いているが、発刊から8年も経過すると、マーケットデザインのカバー領域も少し変わってきているのではないかと言うのが気になる。2013年時点での位置をクイックに確認するにはいい読み物。サクサク読める。第3章を除けば、あまり僕らの日常生活で接点がある話題でもないため、あくまで週末読書であった。
読了日:07月03日 著者:坂井 豊貴
https://bookmeter.com/books/7268256

■持続可能な開発における〈文化〉の居場所――「誰一人取り残さない」開発への応答
世の中に出ている多くのSDGs解説本の想定読者はビジネスパーソンで、基本的なスタンスは「SDGs=ビジネスチャンス」とシンプルだが、それと比べると、やはり研究者の考察は圧倒的に深く、面白い。自身の関係する特定のフィールドワークを通じての一般化が多く、本書に出てくるその殆どの国を僕は知らないから、読みにくいところもあった。それでも、執筆者の知見の中には、僕自身それに近いこと経験したこともあり、共感できた。外部者が良かれと思って持ち込んだものが、期待通りに現地で使われないことはよくある。高いけど有用な本。
読了日:07月05日 著者:
https://bookmeter.com/books/17254781

■日本の国際協力 アジア編:経済成長から「持続可能な社会」の実現へ (Minerva KEYWORDS6)
自分も執筆に協力した。自分の担当章は文字数の制約で相当削らされたので、言いたいことの8割程度しか書けていないし、他の章にも「自分だったらこう書くのに」という異論もあったりする。読者のほとんどが、自分の関心ある国のところだけ読むような本だろうし、僕も多分そうする。売りにくそうな構成になっているが、図書館に入れてあったら、かなり有用な本だろう。
読了日:07月06日 著者:
https://bookmeter.com/books/18108749

■Tinkercadではじめる3D‐CAD―「3Dプリンタ」や「マインクラフト」の3Dモデルが簡単に作れる! (I・O BOOKS)
改訂版出ないだろうか。レゴやマインクラフトはいいから、2Dモデリングや電子回路シミュレーション、それにTinkercad Classroom等のすぐれた機能をフィーチャーしてくれたら嬉しいのに。そもそもTinkercadの日本語解説本がこれ以外にないのも驚きだが。
読了日:07月11日 著者:東山 雅延
https://bookmeter.com/books/12532117

■海の見える理髪店
再読。自分自身が父を亡くした後だけに、僕らと同じ50代の登場人物が、亡き父への思いを描いた「時のない時計」が印象的。また、「成人式」は、うちも娘が1歳半ぐらいの頃に大けがをして一時は死も覚悟したことがあり、あの時本当に逝ってしまっていたらと思うと、ちょっといたたまれない気持ちで読んだ。エンディングは良かったと思う。
読了日:07月16日 著者:荻原 浩
https://bookmeter.com/books/10634457

■続 横道世之介
再読。東京オリパラがグダグダになっている中で読み直したが、「世の中がどんなに理不尽でも、自分がどんなに悔しい思いをしても、やっぱり善良であることを諦めちゃいけない」という隼人さんの手紙の言葉が、今だからこそ心にしみた。「ダメな時期はダメなりに、それでも人生は続いていくし、もしかするとダメな時期だったからこそ、出会える人たちというのもいるかもしれない」―ー今、ちょっと落ち込んでいるので、これ信じて人ともっと会ってみようと思うことができた。
読了日:07月17日 著者:吉田 修一
https://bookmeter.com/books/13445150

■東京物語 (集英社文庫)
6年ぶりの再々読。前2回は主人公(=著者)の学生時代までのエピソードに自分の学生時代を投影して読んでいたが、今回はむしろ、大学中退して働き始め、力量が評価されて部下を持つようになってからの主人公の、ほぼ同世代の部下への接し方とか、20代後半に突入して故郷の母親から無理やり見合いを仕込まれたりとか、1989年頃のバブル絶頂期の社会の異常な浮かれ方とか、別のところが印象に残った。80年代の変遷が、この1冊で見事に表現されていて、同時代を生きてきた者として、頷かされるところが多かった。
読了日:07月18日 著者:奥田 英朗
https://bookmeter.com/books/572183

■聲の形(1) (講談社コミックス)
東京五輪開会式の楽曲制作担当の小山田圭吾が過去に犯した凄惨ないじめと、それを雑誌で自慢していたという報道に胸くそ悪くなって、それをきっかけに再読を開始した。小山田圭吾って、将也のように過去の行いを悔いて、償いの行動を起こしてきているのだろうか。自慢げに語っているだけだったら、本作品の将也の足元にも及ばない。(第1巻は、それでも読むのがつらい。)
読了日:07月18日 著者:大今 良時
https://bookmeter.com/books/7476079

■聲の形(2) (講談社コミックス)
読了日:07月18日 著者:大今 良時
https://bookmeter.com/books/7850030

■聲の形(3) (講談社コミックス)
読了日:07月18日 著者:大今 良時
https://bookmeter.com/books/7968326

■聲の形(4) (講談社コミックス)
読了日:07月19日 著者:大今 良時
https://bookmeter.com/books/8095613

■聲の形(5) (講談社コミックス)
読了日:07月19日 著者:大今 良時
https://bookmeter.com/books/8175040

■聲の形(6) (講談社コミックス)
読了日:07月19日 著者:大今 良時
https://bookmeter.com/books/8290907

■聲の形(7)<完> (講談社コミックス)
再々読。途中の各巻の感想は省くが、過去の過ちは詫びないといけないし、詫びるだけじゃなく相手を理解するよう努めなければ赦されるものではない。本巻にて将也は硝子にはっきり謝罪しただけではなく、将也を攻撃の対象にしたすべての登場人物が将也に謝罪した。特に、嫌悪感の対象でしかなかった植野を少し見直すことができた。
読了日:07月19日 著者:大今 良時
https://bookmeter.com/books/8963724

■考える術──人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71
71個ものワザを全部動員してるんだろうか(笑)。決して批判しているわけじゃなく、この中でも、比較的よく使っているワザと、本当に思考で煮詰まった時のワザとでは、優先度が違うと思うので、参考でもいいから著者の場合はどのあたりが常套手段でどこからが非常手段なのか、メリハリ付けてくれていたら、それを参考にして僕たちもアイデア出しができると思う。アイデアソンのような仕掛けを考えるよりも、著者の実践されていることの方が僕にはとっつきやすい。実は一番いいのは、毎週1つはアイデアを出すというノルマだったのかも。
読了日:07月21日 著者:藤原 麻里菜
https://bookmeter.com/books/17034874

■頭文字D 超合本版(3) (ヤングマガジンコミックス)
読了日:07月24日 著者:しげの秀一
https://bookmeter.com/books/12729040

■頭文字D 超合本版(4) (ヤングマガジンコミックス)
読了日:07月24日 著者:しげの秀一
https://bookmeter.com/books/12729038

■頭文字D 超合本版(5) (ヤングマガジンコミックス)
読了日:07月24日 著者:しげの秀一
https://bookmeter.com/books/12729035

■頭文字D 超合本版(6) (ヤングマガジンコミックス)
読了日:07月24日 著者:しげの秀一
https://bookmeter.com/books/12729039

■頭文字D 超合本版(7) (ヤングマガジンコミックス)
読了日:07月24日 著者:しげの秀一
https://bookmeter.com/books/12729036

■頭文字D 超合本版(8) (ヤングマガジンコミックス)
読了日:07月24日 著者:しげの秀一
https://bookmeter.com/books/12889708

■錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)
メールやSMSのなかった時代の話だから、手紙のやり取りだけで話が進んでいくのが今となっては新鮮だった。この10年前に別れた元夫婦って、まだ30代なんだよな。冷静に見ると1970年代後半ぐらいの30代の男女が、これだけ格調ある文章を長々と書き綴れたのかどうかはよくわからない。(34年前に別れた元カノと今週メールのやり取りがあったが、2、3段落程度の短いメールの応酬だった。)
読了日:07月24日 著者:宮本 輝
https://bookmeter.com/books/562872

■micro:bitではじめるプログラミング ―親子で学べるプログラミングとエレクトロニクス (Make:PROJECTS)
ギブアップ。第三版が近々出るらしいのでそちらに乗り換える。なにせ、ブロックの表示が今のMicrosoft MakeCodeとずいぶん違うので、本書にあるブロックを探すのにも苦労を余儀なくされた。
読了日:07月26日 著者:スイッチエデュケーション編集部
https://bookmeter.com/books/12425592

■卒業 (新潮文庫)
3年ぶり二度目の再読。自身も父を亡くした後で読む「あおげば尊し」はやはりしみる。
読了日:07月27日 著者:重松 清
https://bookmeter.com/books/580488

■こころのつづき (角川文庫)
仕掛けの存在に気付いたのは最後の「お日さまに休息を」の中だった。次回再々読の機会があれば、全8編の中にある仕掛けをもう少し追いかけてみたいと思う。
読了日:07月31日 著者:森 浩美
https://bookmeter.com/books/5657731

■真実の10メートル手前 (創元推理文庫)
初読じゃない筈なんだけど、前回の読書記録が消えているので、再読を機会に再掲。この後、『王とサーカス』も再読する。続けて読んでみて、わかることもあるかもと期待。
読了日:08月03日 著者:米澤 穂信
https://bookmeter.com/books/12656053

■さよなら妖精 (創元推理文庫)
会話が高校生っぽくないので違和感はあったけれども、我が家の高校生には読ませたいものだ。ここで登場する高校生と同じ3年生の梅雨時を終えたところだけれど、こんなレベルの高い会話を我が家の高校生がしているとはとても思ない。90年代初頭にあった出来事として、小説からでもいいから学んでほしい。
読了日:08月06日 著者:米澤 穂信
https://bookmeter.com/books/579910

■頭文字D 超合本版(9) (ヤングマガジンコミックス)
続けて読んでくると、この超合本版第9巻で、画風が急に変わった気がする。美佳ちゃんの顔が変わったし、高橋涼介の顔がそれまでの拓海と変わらなくなった(その分、拓海の顔が変わった)。
読了日:08月08日 著者:しげの秀一
https://bookmeter.com/books/12729037

■頭文字D 超合本版(10) (ヤングマガジンコミックス)
とうとう読了。また画風がもとに戻った。
読了日:08月15日 著者:しげの秀一
https://bookmeter.com/books/12729041

■バングラデシュ IT人材がもたらす日本の地方創生
このバングラデシュでの国際協力の事例は、隣国でも仄聞する機会があり、同じことを自国に対しても支援して欲しい/支援したいと言われることが度々あるが、バングラデシュでも14年間かかって今の姿に至っているものを簡単には複製できないし、そもそも国内の人材市場の規模も違い過ぎ、同じ規模の投入を人口小国に対して行うのは難しい。そうした複製検討の際の課題についても本書では考察されている。想定読者をバングラデシュ関係者やIT業界関係者に限定せず、他国で他業種での日本の地方創生とのつながりを考えるのにも活用可能な良書。
読了日:08月16日 著者:狩野 剛
https://bookmeter.com/books/18421018

■アイデアスケッチ ―アイデアを〈醸成〉するためのワークショップ実践ガイド
さあ、いよいよワークショップを実践に移す時が来たようだ。ということで、再度復習のために読み直した。
読了日:08月26日 著者:James Gibson,小林 茂,鈴木 宣也,赤羽 亨
https://bookmeter.com/books/12301463

■ハルロック(1) (モーニングコミックス)
初読になっているけれど、実は再読です。感想は、第4巻で。
読了日:08月29日 著者:西餅
https://bookmeter.com/books/8210084

■ハルロック(2) (モーニングコミックス)
初読になっているけれど、実は再読です。感想は第4巻でまとめて。
読了日:08月29日 著者:西餅
https://bookmeter.com/books/8650987

■ハルロック(3) (モーニングコミックス)
初読になっているけれど、実は再読です。感想は第4巻で、と書こうと思ったけれど、読み返してみると、プログラマーの今村さんがメイカーフェアで晴と出会うあたりが、今の自分には示唆に富んでいた気がする。
読了日:08月29日 著者:西餅
https://bookmeter.com/books/9294371

■ハルロック(4) (モーニングコミックス)
初読になっているけれど、実は再読です。1巻から通しで読んできて、やはり、プログラミングだけをやってきた今村さんが、「ビット(データ)の世界から飛び出して、実体をいじって何かを作りたくなることがある」と言っている第3巻の終盤あたりから、自分の今置かれた環境との接点が見えてきた気がした。「電子工作×社会学」とか、電子工作で社会問題を解決とか、第4巻を読んでいたら自分も何かできないかと思いたくなった。
読了日:08月29日 著者:西餅
https://bookmeter.com/books/9717551

■国際協力と想像力 イメージと「現場」のせめぎ合い
いろいろ考えさせられる本だった。国際協力に携わっている人は、いろいろな場面で本書で紹介されたのと似たような経験をしていると思う。自分が期待していたような反応が相手から返ってこない時、自分が当たり前だと思っていたことでつまづいたりした時、最初は動揺し、相手に少し怒りも覚えるが、なぜ相手はそういう言動をしたのかを考え、同じことを繰り返さないためにはどうすべきかを考える。「現場」を理解するとはどういうことかを改めて見つめ直せる良書。堅苦しい学術書と違って読みやすい。
読了日:09月03日 著者:松本悟,佐藤仁
https://bookmeter.com/books/17540825

■MFゴースト(12) (ヤンマガKCスペシャル)
過去2戦が予定調和的な決着だったのに比べて、終盤のトップ争いがもつれたところが描かれていて、おいしい内容だった。自分としては、「神フィフティーン」のパイロット一人ひとりのオフのマシン戦闘力アップの努力とか、もっと群像劇っぽく描いて欲しいんですが。特に常にやられ役になってしまっているドライバーの。いつも女の子を周りに侍らせて遊んでいるだけじゃないんでしょ?それぞれがベストリザルトを得るために努力している姿も見てみたい。その点では、レース後の沢渡君の葛藤なんてのはいいシーンだった。
読了日:09月05日 著者:しげの 秀一
https://bookmeter.com/books/18453245

■地震イツモマニュアル
これを全部やるのは日本であっても大変だけど(外国だともっと大変)、自助の部分としてやっておくべき枠組みの全体像は示してくれていてわかりやすいし、イラストも理解しやすい。常に座右に置いて、自身の現状をチェックするようにしたい。こういう本をベースに、各国版があったら地震国でも安心して暮らせる。
読了日:09月08日 著者:
https://bookmeter.com/books/11137135

■僕はまだ野球を知らない・Second 1巻
自費出版なんですか?Firstが唐突に終わってしまった感じがして残念だったので、こうして続きが読めるのは嬉しい。また、自費出版だからという作者の自由度もあるのだと思うが、野球部員たちの日常生活が番外編的に描かれていて、これも面白かった。何気にロク君が登場していたので、『ハルロック』と同時進行の話だったのかというのが驚き。そのうち、宇佐監督が必要とする新たなデバイスの試作で、ハルさんも登場しそうでワクワクする。
読了日:09月09日 著者:西餅
https://bookmeter.com/books/18139329

■つくって役立つ! 防災工作-水・電気・ガスが使えないくらしを考える
直前に読んだ『地震イツモマニュアル』と構成が似ている。『地震イツモ~』の方を読んでいて感じた疑問は、用意しておくものがいつも手元にあるとは限らないということ。これは特にものがない開発途上国に住んでいて感じることなので、どこにでもありそうなものをハックして避難所生活でこのように使えるという例を沢山示してくれているこの本はかなり有用。開発途上国での防災教育でも役立てられそう。ただ、高いので中身を見る前に購入するのには勇気が必要だった。
読了日:09月09日 著者:
https://bookmeter.com/books/17277973

■サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)
小学生の二郎中心の軸と、父親の一郎中心の軸を、うまく絡み合わせながら話が展開していき、とても面白く読むことができた。父親の得体の知れなさが際立っているが、二郎君もなかなか。このオヤジにしてこの子ありという片鱗を見せてくれている。「御茶ノ水のジャンヌダルク」たる母親があまり生かせてない気もしたが、東京編の展開としては面白かった。
読了日:09月11日 著者:奥田 英朗
https://bookmeter.com/books/574296

■サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2)
で、東京編に続く西表島編だけど、もうちょっと自給自足生活の描写が多いのかと予想していただけに、それもそっちのけで波乱の展開がずっと続き、しかも話がエスカレートしていったのには正直戸惑いもあった。そもそもこの作品は二郎の誕生日の2カ月前の時点から始まっており、わずか2カ月での怒涛の展開となっている。でも、落ちはなんとなく予想できてしまい、ちょっと物足りなさがあった。
読了日:09月12日 著者:奥田 英朗
https://bookmeter.com/books/580765

■いのちの姿 完全版 (集英社文庫)
小説かと思わせるような文体のエッセイ。幼少時代からの作者の様々な体験がベースとなって、『螢川』『泥の河』等が生み出されてきたというのがよくわかる。デジャブ感がある作者の体験談が多い。もう少し宮本作品を沢山読んだ上で読み直すと、作品につながる作者の原体験の数々がこれらのエッセイに収められていてもっと味わえたのではないかとも思う。
読了日:09月17日 著者:宮本 輝
https://bookmeter.com/books/12346999

■ナオミとカナコ (幻冬舎文庫)
読み始めの数十ページがなかなか進まず、600ページも読み進められるのか自信なかったが、そこは奥田作品、途中からページをめくる手が止まらなくなった。テルマ&ルイーズ的な展開になっていくのかと予想していたが、ハラハラドキドキはあったものの、最後はホッとさせられた。で、奥田さんはこの作品で何を訴えたかったのだろうか。
読了日:09月23日 著者:奥田英朗
https://bookmeter.com/books/11765311

■ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)
立場を明確にしておかないと感想が書きづらい作品。僕は立場的にみずほの夫の啓太に近いので(痩せてはいないが)、そういう目線で自分の妻も見てあげたいと改めて思った。女性同士の交友関係、母親と娘の関係、近くに住む老いた恩師の女性との関係等、妻から何気なく聞かされてきたそれらの世界が、この作品を読んでなんだかものすごくリアルなものに感じられるようになった。もっとちゃんと話を聞いてあげられるようにならなきゃ。
読了日:09月28日 著者:辻村 深月
https://bookmeter.com/books/4709098

■2040年の新世界: 3Dプリンタの衝撃
前回は3Dプリンターが手元にない状態で想像だけで読んだが、今回は手元に3台もあり、デザインも自分である程度できるところまでスキルアップした上で読んだので、共感できるところが多かった。特に、学校教育への導入、視覚障害児の教育での活用、手元に現物があることでつい作りすぎてしまう「無分別なものづくり」、オープンソース・ハードウェア、「アールグレイ症候群」等は、ふだん3Dプリンターの利用を進めようとして感じていた自分の問題意識とも通じるところが多かった。
読了日:10月03日 著者:ホッド リプソン,メルバ カーマン
https://bookmeter.com/books/9062257

■デザイン思考の道具箱: イノベーションを生む会社のつくり方 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
デザイン思考の方法論の概略をつかむにはいい本だと思う。特に、フィールドワークやプロトタイピングに関する記述は、とても参考になった。ただ、ここで述べられている道具を活用した具体的な活動事例が詳述されていたらよかったかも。道具の説明はわかった。でも、例えばフィールドワークに出るとして、1人の「師匠」に付くフィールドワーカーは何人いたのかとか、何時間ぐらい張り付いたのかとか、よくよく読むと具体が欠けていて、これを読んで実践しようと思った時に、困ってしまうケースがありそうな気がした。
読了日:10月09日 著者:奥出 直人
https://bookmeter.com/books/7687059

■嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか
ドラゴンズ新監督が発表されたばかりの今のうちに読んでしまうことにした。長年のドラゴンズファンにとって、落合監督時代は間違いなく最高の時代だったが、それと裏腹に、親会社にとってはいい時代とはいえなかったのだろう。これ読むと、立浪新監督に潜むリスクも感じたし、また、親会社が新聞社である以上は、監督が代わっただけではドラゴンズは変わらないのではないかと危惧する。加えて、安易に「なんで若手をもっと使わないのか」と与田前監督を批判していた自分自身のものの見方の甘さも反省させられた。
読了日:10月13日 著者:鈴木 忠平
https://bookmeter.com/books/18580279

■孤愁〈サウダーデ〉 (文春文庫)
日清・日露戦争、第一次世界大戦の頃の社会の雰囲気が良く出ている小説だった。また、明治後期から大正時代の神戸や徳島の様子がよく伝わってくる。この頃の外交官って、いったん赴任したらこれだけの長期間にわたって任国滞在したのだ。そりゃあ親日派・知日派になって下さるわけだ。本書を読むだけでもモラエスの日本研究の一端を垣間見ることができるが、これを読んでしまうと、モラエスの著書も読んでみたくなる。
読了日:10月16日 著者:新田 次郎,藤原 正彦
https://bookmeter.com/books/9673427

■はじめての電子回路15講 (KS理工学専門書)
ハルちゃんのイラストに惹かれてジャケ買いしたが、内容は確かに大学理工系学部の1年生ぐらいの予備知識は必要としていて、文系の僕にはチンプンカンプンであった。理解できたのは第1章とBOXコラムぐらい。ハルちゃんも、各章末のワンポイントイラストでしか登場しない。もう少し電子工作をやってみてから、必要なところを時々読み返したい。それと、モノクロのKindle Paperwhiteでは文字が薄れて読みづらいので、買うなら製本版の方をお勧めする。
読了日:10月17日 著者:秋田 純一
https://bookmeter.com/books/11232988

■スモール イズ ビューティフル再論 (講談社学術文庫)
仏教経済学や「人間の顔を持った技術」、「大量生産ではなく、大衆による生産を」「大プロジェクトよりも小プロジェクトを」「街のプロジェクトよりも村のプロジェクトを」「資本消費型のプロジェクトより労働使用型のプロジェクトを」「中間技術」といったあたりが自分にとっての重要キーワードだったかと。『スモールイズビューティフル』の方を相当熟読してあったので、今回は復習の意味合いが強かったが、仏教経済学については本書の方が紙面が割かれていて、わかりやすかったような気がする。
読了日:10月27日 著者:F・エルンスト・シューマッハー
https://bookmeter.com/books/154532

■南朝研究の最前線 ここまでわかった「建武政権」から後南朝まで (朝日文庫)
こんなに多くの歴史学者がこの時代の諸側面を掘り下げて研究を続けておられるというのに感銘を受ける。しかも、『太平記』の記述を鵜呑みにするのではなく、同時期の中国の史料やその出来事とまったく違う地域で伝わる史料からの類推等、様々なアプローチを試みて、歴史上ブラックボックスとなっているところを明らかにしようと試みておられる。ひと通りの『太平記』の流れを知っている身としては、わかりやすくてとても面白い内容。特に建武政権や南朝の実務官僚の実像に迫っているあたりは、ドラマや小説などではわからない奥深さ。
読了日:10月29日 著者:
https://bookmeter.com/books/16853351

■実践Fabプロジェクトノート 3Dプリンターやレーザー加工機を使ったデジタルファブリケーションのアイデア40
7年ぶりの再読。前回は「何を作るか」という点に目が行って各々の製作プロジェクトを眺めていたが、今回読み直してみて、「どう作るか」という製作過程をシェアすることに相当なウェートが置かれた本なのだというのを改めて感じた。木材加工、電子工作、アート作品、金属加工と、各章で特徴があり、それが担当した各ファブ施設の特徴にもなっている。自分自身が多少これらの工作機械を使うようになっているため、どの事例もちょっと複製・リミックスに挑戦してみようかと思えるようになった。これからは度々本書は参照すると思う。
読了日:10月30日 著者:Fabの本制作委員会,ファブラボ鎌倉,ファブラボ渋谷,ファブラボつくば,IAMASイノベーション工房 [f.Labo],東京工業大学附属科学技術高等学校 門田ロボテク,慶應義塾大学SFC 田中浩也研究室
https://bookmeter.com/books/7008052

■日本の聖域 ザ・コロナ (新潮文庫)
「選択」の定期購読は2年前にやめてしまったけれど、この特集シリーズは好きだったので、キンドルで買って読むことにした。日本のコロナ対応は何か変だと漠然と感じていたけれど、その一端がこれを読んで少しわかった気がする。だからといって一般庶民ができることは少ないのだけれど。衆議院議員選挙への反映は、発刊が直前すぎてとても間に合わなかっただろうし。日本のメディアももっと暗部に切り込んで真実を報じてほしい。
読了日:10月31日 著者:「選択」編集部
https://bookmeter.com/books/18777901

■micro:bitではじめるプログラミング 第3版 ―親子で学べるプログラミングとエレクトロニクス (Make: KIDS)
micro:bit v.2を入手した。これで手元に2台あるので、やれることの幅が格段に広がった。「親子で学べる」とあるくらいだから、本書はかなり易しい。これにMakecodeのチュートリアルでさらに独習したら相当幅は広がりそう。問題は工作。第3章以降の電子工作は、パーツが届いたらもう一度読み直すつもり。
読了日:11月03日 著者:スイッチエデュケーション編集部
https://bookmeter.com/books/18194650

■ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読 (岩波現代文庫)
高評価が多い本だが、元々門外漢の者には初見では理解がしづらかった。これを読んでサクッと理解するには、周辺知識があまりにもなさすぎた自分が悪い。もう少し勉強してから再挑戦したい。評論よりもベンヤミン自身の論考を先に持って来てもらった方が、ひょっとしたらわかりやすかったかもしれない。
読了日:11月04日 著者:多木 浩二
https://bookmeter.com/books/545531

■無料データをそのまま3Dプリント 作業に出会える道具カタログ/事例集
少々値が張るが、それでも座右に置く価値のある本。障害者自助具等のデザインデータのカタログである他に、それらの製作プロセス、さらには共創デザインの「場」づくりにも言及があって、参考にしやすい。これまで部分的に目を通すことが多かったが、今回初めて通読してみて、いくつか新たな学びもあった。フィラメントの種類やパラメトリックデザインの理解が今回の大きな収穫。今後もたびたび参考書としてお世話になると思う。
読了日:11月05日 著者:林 園子,濱中 直樹
https://bookmeter.com/books/18050694

■三十光年の星たち(上) (新潮文庫)
体調がイマイチだった週末にイッキ読みした。基本的にはいい人しか出てこないし、会話が本当に日常でも行われていそうなくらいに自然で、安心して読める作品。
読了日:11月07日 著者:宮本 輝
https://bookmeter.com/books/7426025

■三十光年の星たち(下) (新潮文庫)
これから社会に出ていく我が子どもたちの世代に読んで欲しい作品だな。30年周期で考えたら、僕の次の目標は88歳だもんね。今の会社に勤めて約30年、やってきたことの集大成を今やっている気がする。少なくとも、そういう気持ちで臨んでいる。
読了日:11月07日 著者:宮本 輝
https://bookmeter.com/books/7426033

■理科がもっとおもしろくなる Scratchで科学実験: 自由研究にも使える プログラミングを活かした実験がいっぱい! (子供の科学★ミライクリエイティブ)
Kindleで購入したが、白黒画面では読みづらく、PCのKindle Cloudリーダーでようやくカラー画面で読めるようになった。取りあえずひと通り目を通した上で読了したことにしたが、実際はmicro:bitを使ったプログラミングをもう少し独習した上で、もう一度本書の該当章を読み直して科学実験もやってみたいと考えている。
読了日:11月08日 著者:横川 耕二
https://bookmeter.com/books/17778523

■無駄なことを続けるために - ほどほどに暮らせる稼ぎ方 - (ヨシモトブックス)
著者のYouTubeチャンネルは時々見ているのだけれど、YouTubeで儲けているのではなく、他の様々な手段で生計を維持しているのだなというのが本書ではわかる。その意味では、本書はものづくりの本ではなく、生計手段の確保に関する著者の体験談が中心。また、無駄なものづくりを売りにしているわりに著作も多い人だなと思っていたら、文筆業であげている収入も結構なウェートを占めているらしい。還暦間近のオジサンには真似できないが、現代にはこういう生き方もあるのだなと気付かされた1冊。「ふ~ん」で終わっちゃったんだけど。
読了日:11月15日 著者:藤原 麻里菜
https://bookmeter.com/books/13242655

■ODAの終焉: 機能主義的開発援助の勧め
二度目の再読。「プロジェクト型援助」の規模感をある程度標準化して、小さく細々した協力を「プロジェクト」と呼ぶのはやめようとか、公共政策の策定への協力(機能主義という言葉の根拠もここにあるか)に特化していこうとか、ODAの現状を考えたら「そうだよな」と首肯させられる提言がかなり多い。いい本なんだけど、相変わらず誤植が目立つのと、居酒屋トークかとおぼしき共著者の1人によるあとがきがどうにも気になってしまった。
読了日:11月21日 著者:浅沼 信爾,小浜 裕久
https://bookmeter.com/books/12222524

■死ぬほど読書 (幻冬舎新書)
読友さんが紹介されていたので自分も読んでみた。自分も読書好きだから書かれいている内容にはほぼ同意。特に、現在自分が悪戦苦闘しているアダム・スミス『道徳感情論』の内容紹介されている点には感謝もしたい。一方で、図書館や電子書籍への言及はなく、もっぱら書籍購入を推しておられる点には、少しばかりの違和感も。また、これだけ購入してマーカーで線を引っ張ったり付箋をつけたりされている膨大な蔵書を、お亡くなりになった後どうされるのだろうかと余計な心配も。「丹羽宇一郎の蔵書」として放出したら、結構な高値が付くだろうが。
読了日:11月24日 著者:丹羽 宇一郎
https://bookmeter.com/books/12135858

■蓮如文集 (岩波文庫 青 322-1)
今回は、全文朗読した。漢字と片仮名で書かれている実家の御文集よりは、読みやすかった。
読了日:11月27日 著者:蓮如
https://bookmeter.com/books/268540

■ザ・ジャパニーズ (角川ソフィア文庫)
2年前に単行本を読んで以来の復刻版での再読。やはり日本研究の書としては発刊から40年以上経過した今でも色褪せない名著。ただ、世代交代もあったので、著者の日本人論の枠に収まりきらない日本人も増えてきていると思う。気候変動とは明言していないが、将来訪れる大きな変動を予見しておられたかのごとき書きぶりも随所に。自分も海外で暮らす今こそ、改めて読み直したい1冊。で、僕らよりもずっと若い人にも是非読んでもらいたい本だといえる。これ以上の日本研究の文献にはなかなかお目にかかれない。
読了日:12月09日 著者:エドウィン・O・ライシャワー
https://bookmeter.com/books/14099751

■起業のすすめ さよなら、サラリーマン (文春e-book)
あかん、半分ほど読んで気持ちが離れてしまい、残りは集中して読めなかった。話のスケールがデカすぎてついていけない。アマゾンの書評にもあったが、「地方での起業やスモールビジネスくらいのスケールの起業を目指す方には参考にはならない」というのはまさにその通り。50代後半のオジサン読者にはお勧めしない。また、他書の受け売りも多く、「詳しくはそちらを読んで」という誘導が相当頻度でされている。強いてポジ要素を挙げるとすれば、今しこっている僕が手掛けた社内プロジェクトをちゃんとやろうという気持ちになれたことか。
読了日:12月11日 著者:佐々木 紀彦
https://bookmeter.com/books/18816135

■インド残酷物語 世界一たくましい民 (集英社新書)
社会人類学者による、南インドでのフィールドワークに基づく、インドのダリット社会の諸相を描いた好著。読みやすく、週末読書には最適。タイトルには「残酷」とはあるが、ダリットの人々のしたたかさ、たくましさも描かれ、一見すると重々しい社会の基層を、悲壮感なく生きているダリットの人々の姿が想像できる。高度に階層化が進んだ社会に、外国人読者の自分としては少し怖気づく。でも、インドに関心がある読者なら知っておくべきインドの側面であり、日本語で出たことの意義は相当大きいと思う。
読了日:12月12日 著者:池亀 彩
https://bookmeter.com/books/18868863

■無駄なマシーンを発明しよう! ~独創性を育むはじめてのエンジニアリング
小学生向けに書かれた本。かつ、Arduinoを使ったプログラミングやセンサーの利用がその中心を占めており、言い換えればArduinoの解説書としては「超」が付くほどの入門書となっている。これくらいわかりやすければ、Arduinoを使いたくなる。サーボモーターやLEDランプ、ワイヤーの類は既に手元にあるが、これまでなんとなく避けてきていたArduinoを、この際手に取ってみたいと思うようになれた。扱われたケースについては、面白いんだけど、作った後どう保存されているのかが気になってしまった。
読了日:12月13日 著者:藤原 麻里菜
https://bookmeter.com/books/18144823

■草原の椅子(上) (幻冬舎文庫)
「物を作るってことは、人間が生きるっていうことなんやなァ。人間が正直に生きるってことの根本には、物を作るってことが要としてあるんやなァって、商売もおんあじや。物を作ってる会社は、いざというときに底力がある。右の物を左に移したり、左の物を斜めに動かしたりして利鞘をかせいでる連中は、世の中の動きがちょっと変わっただけで、ころっと転びよる」という富樫の言葉が心に響いた。遅ればせながら僕も、物を作らないとな。
読了日:12月15日 著者:宮本 輝
https://bookmeter.com/books/498294

■草原の椅子(下) (幻冬舎文庫)
阪神淡路大震災の後、著者が抱いていた「一種異常なほどの「この国への憎悪」に似たもの」が所々に表れていた作品だった。僕は50代後半のオジサンだが、「幾多の経験を積み、人を許すことができ、言ってはならないことは決して口にせず、人間の振る舞いを知悉していて、品性とユーモアと忍耐力を持つ偉大な楽天家」という境地には至っていない。主人公が「おとな」に見えた。「人情のかけらもないものは、どんなに理屈が通っていても正義ではない」は、本当にそう思う。救われた気持ちになれた。
読了日:12月16日 著者:宮本 輝
https://bookmeter.com/books/498295

■妄想する頭 思考する手 (ノンフィクション単行本)
いろいろな読み方があるのだろうけれど、僕の場合は、自分が提案して採択された新規事業アイデアが、各論になった途端にうまくいかず、正直落ち込んでいたところだったので、失敗して自分が取り組んでいる課題の構造が明らかになったのが成果だと、捉え方を変える方法に気付かされたのが大きな収穫だった。うまくいかないアイデアを完全に葬り去るのは僕も惜しいので、「いったん眠らせておく」と言う対応をしたいと思う。
読了日:12月18日 著者:暦本純一
https://bookmeter.com/books/17576494

■FabLife ―デジタルファブリケーションから生まれる「つくりかたの未来」 (Make: Japan Books)
道に迷ったので再々読。なんか、バイブル化してきたな(笑)。今回は、MITの「(ほぼ)なんでも作る」コース14週間の日程の部分と、オープンソースハードウェア/オープンデザインの部分を集中的に。やっぱりファブマスターの存在・個性が重要なんだなというのを再認識。
読了日:12月22日 著者:田中 浩也
https://bookmeter.com/books/5119491

■Designing Reality: How to Survive and Thrive in the Third Digital Revolution
2017年11月刊。ファブラボが1.5年で倍増のペースで世界中で増えている状況、その中で課題となるマスター的人材の養成制度「ファブアカデミー」、さらには現地原材料の利用促進によるサーキュラーエコノミー促進の「ファブシティ」と、前著『Fab』以降の著者の動向が知れる良書。弟2人との共著になっているが、弟は社会科学系のバックグランドらしく、手放しで兄の論調を支持せず、第三次デジタル革命に合わせて社会が共進化していくための課題の整理も行われている。所々わかりにくい記述もあったが、今の自分には必読の書であった。
読了日:12月25日 著者:Neil Gershenfeld,Alan Gershenfeld,Joel Cutcher-Gershenfeld
https://bookmeter.com/books/12291257

■プログラム×工作でつくるmicro:bit
再読。MakeCodeを英語環境にして、コードブロックが英語だったらどんな標記になるのかを確認しながら読んだ。ある意味英語の勉強。またしても第9章で躓いたが、著者があえて第9章を加えた意図は分かった気がする(micro:bitそのものからは少し外れてしまったが…)。再挑戦しようとしたが、肝心のデバイスを友人に貸していた!取り返してからそこだけ再挑戦してみるつもり。
読了日:12月26日 著者:久世 祥三,坂本 茉里子
https://bookmeter.com/books/14147006

■高円寺純情貧乏
キンドルの販促に乗せられてUnlimitedでダウンロード。西餅作品的な面白さが随所に出ていて、結構笑わせていただいた。自費出版らしいけど、どこかで連載とかされていたのでしょうか。登場人物の各々が過去の西餅作品に出てきていた直井君、淡乃島さん、小松さんに似てるような…(笑)。
読了日:12月27日 著者:西餅
https://bookmeter.com/books/19146416

■七帝柔道記外伝 (ビッグコミックス)
これもKindleの販促に乗せられてダウンロード。『七帝柔道記』を読んでれば、和泉主将引退後の北大柔道部のその後は知りたかった筈。でも、この『外伝』連載が始まった頃から、僕は「ビッグコミックオリジナル増刊」は読まなくなってしまったので、ああこういうまとめ方にしたのねというのがわかって良かったかな。
読了日:12月29日 著者:
https://bookmeter.com/books/18740200

■酷道を走る
息抜きで5年ぶりに再読。最近、YouTubeで国道417号とか157号とか、418号の酷道区間走行動画を見て、ちょっと郷愁に浸っているんですよね。再読してみても、やはりこの中部編の3本は面白い。帰国したら、トンネル抜けて今庄そばを食べに行きたい。
読了日:12月29日 著者:鹿取 茂雄
https://bookmeter.com/books/239679

■道徳感情論 (講談社学術文庫)
700頁もある古典も、正直言って字面を追っただけに終わった感じ。読みづらかった。特に、「―――」で余談を差しはさむ訳し方は、多分関係代名詞の接続法を訳すときの翻訳者の1つのパターンなんだと思うが、その関係代名詞がつなげている名詞が何だったのかをすぐに把握できないのでたびたび読むペースが途切れた。
読了日:12月31日 著者:アダム・スミス
https://bookmeter.com/books/6818948


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