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「GNH of Business」のその後 [ブータン]

「ビジネスのGNH」認証第1号の授与
First GNH of Business Certificate awarded
Sonam Wangdi記者、BBS、2021年12月30日(木)、
http://www.bbs.bt/news/?p=163987
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【抄訳】
ブータン銀行(BOB)、ブータン電力公社(BPC)、ブータンテレコム.の3社は、木曜日、ビジネスのGNH認証(GNH of Business Certificate)を授与された。彼らは認証取得の対象企業のグループに属する。これは、3社が国民総幸福量(GNH)の価値観に準拠して事業を行っていることを示すものである。

ロテ・ツェリン首相は授賞式とともに、認証システムの正式な立上げも祝った。

王立ブータン研究所(CBS)のチームは、心理的幸福感、健康、優れた統治、コミュニティの活力など、GNHの9つの領域内の指標に基づいて企業を評価した。評価は2019年から2021年の間に実施された。CBSの首席研究員であるカルマ・ワンディ氏によれば、この認証は、企業の成否の評価指標として利益を強調しすぎるというこれまでの企業評価モデルを超えるものだという。「GNH of Businessは、事業運営を行う中でも様々なステークホルダーのニーズに応えていこうとするもので、そのためには、社会的、文化的、経済的、環境的問題にそれぞれ配慮し、その企業のパフォーマンスを包括的なウェルビーイングへの配慮の取組みによって評価しようとするものです。」

企業にとって、認証を取得することは、GNHのインパクトを伴う強力なブランドであるとともに、インセンティブにもなると期待される。BPCのソナム・トブゲイ最高経営責任者は、次のように述べる。「認証は弊社がGNHの考え方に沿って企業の目標を達成する努力を後押しするものになるでしょう。」

カルマ・ワンディ首席研究員によると、証明書を授与するGNH認証理事会が、認証企業にとってさらなる取組みを促すさらなるインセンティブ措置の提案も行っているという。「私たちは、政府側からの公共調達契約や税制上の優遇措置に加え、さらなる特恵措置を検討しています。」

ツェリン・トブゲイ前首相が、2015年にGNHとビジネスを連携させるというアイデアを最初に提案した。CBSによる評価ツールの開発作業は2年後に始まり、このシステムは40社以上で試験運用された。首席研究員によると、どの事業体もGNH of Business認証を申請する資格があるという。「しかし、企業が認定を受けるには、評価において少なくとも50%のスコアを得る必要があります。」

認証は2年間有効で、その後企業は再評価を申請することになる。

最近、あまりブータンでの報道を紹介するというのをやらなくなっていたのだけれど、昨秋に相当時間を割いていた某私大の秋学期履修指導が終わり、2022年に入って少し時間の余裕ができそうなので、もう少し頻繁にご紹介するようにしていきたいと思っている。年明け第一弾の報道紹介は、GNH of Businessのその後に関するものだ。

2017年11月の第7回GNH国際会議でその評価モデルのプロトタイプが公表され、それから4年の歳月を経て、第1バッチの評価対象企業の中から、GNH of Business認証が授与される企業が出てきたという報道が、年末になされた。わりと大々的に取り上げられていたイニシアチブが、その後政権交代等を経てうやむやになるケースは結構多いが、前首相がこだわりをもって取り組んでおられたGNH of Business認証が、現首相にも引き継がれて、お二人が同席して最初の認証授与式が行われたのはとても嬉しい出来事である。

僕はその2017年のGNH国際会議の際、この認証制度を外国企業にも適用して、この認証取得を上場基準とした国際株式市場を作り、手数料収入で外貨を設けたらどうかと提案したことがある。2019年3月の開発協力ドナー円卓会議の際に、財務次官がそれらしいことを検討されているとの発表をされていたので、機会があれば財務省の友人にその後どうなったのか訊いてみたいと思うが、一方で、その友人が東京大学公共政策大学院に留学していた2020年3月、僕はこの友人とともに、東京・八重洲にある某大手証券会社に、こういうアイデアは可能性があるのかヒアリングに行った。

そこで言われたのは、新たな国際証券取引所の開設はかなりのコストと時間がかかるが、ブータンがグローバル企業のGNH評価を勝手に行う格付け会社を設立して、評価を始めてしまうというのが手っ取り早いのではないかというアドバイスをもらった。財務省の友人も留学から戻ってまだ日も浅いので、この可能性を追求するのはまだこれからなのかもしれないが、お手間でなければCBSにご検討いただけたら嬉しいです。

例えば、日本の企業でいえば、「ユニクロ」ブランドのファーストリテイリングなんかは、日本では評価が分かれる会社だと思うが、冬の寒さが特に厳しいブータンでは、フリースやヒートテックは盲目的に受け入れられている。そういう企業をGNH of Businessの評価基準で見た時、どんな評価結果になるのだろうか。

そうやって、外国企業の評価にもGNH of Businessを適用する取組みをブータンが独自に始めたら、ブータンに便益をもたらすのにも利用できるような気がする。

国内の、まだ同じ持ち株会社DHI傘下の企業3社にしか認証授与されていない現段階で言うのは時期尚早かもしれないが、そんな可能性を感じた報道だった。

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