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CodeMonkey地方にいまだ届かず [ブータン]

CodeMonkey、地方の学校にはいまだ届かず
CodeMonkey yet to reach schools in rural pockets
Yangchen C Rinzin記者、Kuensel、2021年9月4日(土)
https://kuenselonline.com/codemonkey-yet-to-reach-schools-in-rural-pockets/
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【要約】
教育省は、国内全県の生徒向けに、約100,000のCodeMonkeyユーザーアカウントを確保していた。各県庁では、学校関係者を招聘し、各学校にコードをリリースすることになっている。これにより、すべての学校が各生徒に対してCodeMonkeyサイトへのアクセスを許可するユーザーネームを作成する必要があった。ほとんどの学校では、生徒のユーザーネームが作成された後、既にCodeMonkeyの運用を開始している。

しかし、多くの学校ではまだCodeMonkeyの運用を開始していない。地方の学校だけではなく、ティンプーのいくつかの学校でもまだ始まっていないという。生徒はまだコードを受け取っていない。さらに、一部の学校もまだコードを受け取っていない。

チラン県のある学校の校長は、いつコードを取得できるかについて情報が学校に届いていないという実態を明らかにした。多くの学校では、コンピューター、ICT教員、およびICTラボの不足がCodeMonkeyの運用の妨げになっていると指摘している。遠隔地では、適切なインターネット設備の欠如が深刻である。学校でのインターネット速度は、CodeMonkeyの展開に影響を与える大きなボトルネックとなっている。

教育省の計画では、8月からすべての初等中等学校、中期中等学校、後期中等学校に対してCodeMonkeyを展開することになっていた。CodeMonkeyは、ゲームを通じて有料のコーディングレッスンを提供する人気のあるオンラインプラットフォームである。

教員の多くは、教員の中でも、特にコーディング学習指導教員として特定されていた教員がまだCodeMonkeyの操作法を習得していないため、CodeMonkeyをすぐに運用できなかったのだと述べる。「すべて設定され、ユーザーネームも作成されていますが、インターネット接続に問題があるため、運用できません」――チュカ県のある校長は指摘する。「私たちが学校で受け取るインターネット速度は、クラス7からクラス8で155人の生徒がいる場合、3台のコンピューターしかサポートできません。」

コンピューターが足りないことは、学校では大きな問題にはなっていない。一部の学校では追加のコンピューターも受け取っている。一部の保護者は、学校にICT機器がない場合も、指導を受けながら携帯電話から学習できるよう、学校は少なくとも生徒とユーザーネームを共有する必要があると指摘する
(後半に続く)

教育省はギャップ充足に奔走
教育省関係者は、コンピューターラボと学校でのネット接続性に関するフィージビリティ調査の結果に基づいて、2021年度後半からCodeMonkeyを運用する計画であると述べてきた。関係者はこう述べる。「しかし、CodeMonkeyはクラス7からクラス8のICTカリキュラムに含まれているため、今年からこれらのクラスで実装することが義務付けられています。残りのクラスでは、補足学習になります。」関係者は、初等中等学校には通常ITラボがないため、今回のCodeMonkeyはクラスPPからクラス6では選択制にしていると補足した。 「しかし、残りの学校のギャップを埋める作業を進めている間も、ラボとコンピューターを有する学校では運用ができるよう、私たちはコードをリリースしました。 2022年以降のすべてのクラスPPからクラス8の生徒にも、CodeMonkeyは義務付けられます。」

「学校にコンピューターやインターネットがない場合でも、ユーザーネームを作成して生徒に発行できれば、他のオプションを通じて使用できるようにすることはできます」――そう当局者は付け加える。 「私たちはすでに、生徒が自分自身で学びを探求できるよう、CodeMonkeyコースの受講を学校に指示しています。」

教育省は、ラボ改装または新設が必要な学校を約120校特定している。同省はこれまでに約33のラボ建設を完了した。さらに同省は、ICT施設を備えていないすべての初等学校と補助教室に約4,696台のコンピューターを供与している。中等学校については、15の県と市の学校に対して計約3,420台のコンピューターが供与された。今後、さらに約2,900台が残りの県及び市の中等学校に供与される予定だ。「今年は、これらすべてのギャップを埋め、来年の運用を成功させる準備を整える必要があります」――当局者はこう付け加える。プログラムを展開できた学校では、プログラムが生徒に恩恵をもたらし、コーディングへの関心が大幅に高まったと指摘した。

ICT化に向けたインターネットの強化
情報技術通信局(DITT)の関係者は、王国デジタル化(Digital Drukyul)のフラッグシッププログラムを通じ、高速インターネット接続を容易にするため、特定の学校やその他政府機関に光ファイバーインフラを構築していると述べる。目標は約2,500kmの光ファイバーリンクを構築することだと、DITT関係者は述べた。今のところ、約500kmが完成しているという。

「しかし、私たちは今年の終わりまでに光ファイバーの作業を完了する計画です」――彼はこう付け加えた。

2日前にBBSの報道で学校のICTインフラ整備の進捗の遅れを指摘する記事を紹介したばかりだが、BBSの報道と同日付の全国紙クエンセルでも、1面トップで報じられていた。こちらの方は、どちらかというとCodeMonkeyの運用開始の遅れを指摘する内容となっている。

日本ではScratchの方が一般的な小学校プログラミング教育で、なぜブータンはCodeMonkeyなのかというと、PCとインターネット接続環境だけあれば運用できるからだそうだ。確かに、Scratchだとハードウェアに接続させてIOTっぽいことを学ぶことも可能なのだが、そんなことまでも全国一律に導入することが難しいという、ブータンなりの事情があったのだと聞く。

僕自身がCodeMonkey未経験なので、あまり確たることは言えないのだが、報じられているようなゲームプログラミングが中心の学習アプリなのだとしたら(実際挿入写真はそう見えるし)、それでプログラミングを学ばせることで、いったい何を目指しているのかが少し気になる。諸々の制約があったりして、各学校レベルでリアル世界とプログラミングの世界をつなぐようなデバイスを調達・配布することは難しいかもしれないが、それを補完して、どこかの段階で実物世界とビットの世界をつなげられる視野の広がりを体験させる機会があってもいいと思う。例えば、ユースセンターにMicro:Bitを配備して、各県でのIOT体験学習をそういう場で主催してみるとかいった方法だ。

そうすれば、子どもたちの学習にもゲームプログラミング以上の広がりが出てきて、若者の雇用につながる余地がもっと広がっていくのではないかと僕は思うのだけれど…。

それと、この記事でもやっぱり思うのは、CodeMonkeyって基本的に答えは自分で探すようなスタイルを取っている筈なので、教員がその操作法をいちいち習得しなくったって、教員が生徒に適切な課題を提示できれば、答えは生徒が自分たちで探そうとするだろうという点だ。操作法を習得していないから運用ができないというのは理由にはならないと思うが、でも操作法は教員が教えなければならないものだと思われている節がやっぱりあるように思える。

本当は、放っておいたら生徒たちが自分たちでテーマを見つけて自分で集中してその課題に取り組むというのが理想なんだろう。しかし、この「自分でテーマを見つける」というのがけっこう難しい。教師から教えられることに慣れているので、「これからは教師は教えない。自分でテーマを見つけて自分で解決策を考えなさい」といきなり言われても、生徒は思考停止を起こしてしまう。

操作法よりも、テーマ探し、アイデア探しの経験をもっと与えられるようなファシリテーションのスキル向上の研修などの方が必要なのではないか。そんなことを考えながら、僕はこの記事を読んだ。

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