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『考える術』 [仕事の小ネタ]

考える術――人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71

考える術――人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71

  • 作者: 藤原 麻里菜
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2021/01/27
  • メディア: Kindle版
内容紹介
 本書の著者は「無駄づくり」というコンテンツをネットを中心に展開しており、これまでに何百もの「無駄作品」を発表、その人気は海外にも波及し、台湾での個展では25,000人もの観客が殺到した、話題の発明家だ。その発明は「目覚ましを止めてくれるマシーン」「イヤホンをからませるマシーン」「カップルが別れましたとツイートすると光るライト」など、「どこからそんなことが思いつくのか?」と思わされるものばかりで、その発想の「ユニークさ」「スピード」「量」はすさまじいものがある。
 著者は、そうした発明を何年も継続してきた中でつかんだ「考えるテクニック」をあますところなく、本書に詰め込んだ。考えることが苦手で、真っ白な企画書を前にしていつもうんうんとうなっている人、斬新なことを考えたくても、どうしても人と同じになってしまう人など、「考える」ことに悩むすべての人の福音となる1冊だ。
【購入(キンドル)】
本当は、今週19日に発売された新刊『無駄なマシーンを発明しよう!』をキンドルを購入しようかと思っていたのだが、この本は大きなディスプレイじゃないと読みにくいので、Kindle Paperwiteのモノクロ小画面には向いていない。こっちはいずれ製本版を購入することにして、先ずは同じ著者が半年前に出したアイデア出しのノウハウに関する本を先にキンドルで読んでみることにした。

ちなみに著者のYouTubeページ「無駄づくり」はメチャメチャ面白く、どんな文章よりも著者の人となりを理解しやすいので、一度ご覧になることをお勧めする。


どれもユニークな作品である。西餅『ハルロック』の実写版って感じだ。

本書でも述べられているが、このYouTubeチャンネルの更新頻度を週1回ノルマとしているそうで、そのためにはユニークな作品のアイデアを相当高回転で出していく必要がある。「出していく」というよりも、「ひねり出していく」と言った方が正しい。

これだけのアイデアを次から次へと出してくるんだから、アイデアをひねり出すためのノウハウも相当蓄積がなされているだろう。その方法論を整理して、71のワザとして紹介したのが本書だ。71項目もあったらとても覚えられず、読み進めるのと同時に忘れていくのも結構あった。記憶力の弱まったオジサンには71項目もメリハリなしに並べられるのはつらい。

ただ、おそらくは常套手段として比較的よく使うワザもあれば、本当に煮詰まった時の最終手段としてとっておいたようなワザもあるに違いない。単純な列挙だと、これを仕事でも生かせないかなとよこしまなことを考えているオジサンには使いづらい内容で終わってしまうが、少なくとも第8章「「考え方」を考える」には頷かされるところが多く、ちょっと特別な位置付けなのではないかと感じた。

そもそも、著者のアイデア出しの最も大きな仕掛けは、前述した「週1回はYouTubeアップ=ものづくり」という、自分自身に課しているノルマなのではないかと思う。そうやってアウトプットの場を高頻度で作っていくと、そのための作品アイデア出しに向けて脳は動き始める。加えて、考える術66「「短時間」で考える」にあった、「アイディアを考えるときは30分から1時間程度の時間を設定し、その時間内に思い浮かんだものをアウトプットして吟味」しようという方法論と、考える術67「ぼーっと考える」もあった、「(三年)寝太郎は、「村の干ばつ」という課題を頭の片隅に置いて眠ったことで、不安や混乱のない精神状態になったうえ、問題が整理されて解決策までひらめいた」という見解等も、効率的にユニークなアイデアを連発するための手法としてはとても腑に落ちる。

その他にも、考える術09「「小さな問題」を意識する」にあった、「世の中の商品やサービスの多くは、いまある問題を解決しようという発想から生まれている。まずは、身の回りにある製品がどういうった問題を解決しているものか想像してみよう」や、「アイディアを考えるときにまず必要なことは、自分の半径1メートル以内に起こっている出来事を認識することだ」等にも共感するところがある。著者ほどユニークではないものの、僕がこちらに個人用3Dプリンターを持ち込んで、それで宿舎の自室でいつもやってることは、スマホスタンドやスマホLEDライトをハックした電気スタンド用マウント等の製作だが、これらは自分の半径1メートル以内にある僕が不便を感じていることを解決するためのものづくりだ。

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《こいつが役に立っている》

先週から今週にかけて、ブータン人の学生に3Dモデリングを教えていて、「自由な発想でデザインを考えてみて」と言われると、思考停止を起こす学生がほとんどであることに、僕はショックを受けた。ものづくりのノウハウを教えている筈のファブラボ・ブータンですら、モデリングソフトをどう操作するか、工作機械をどう動かすかというのを中心に研修を組み立てていて、「そもそも何を作りたいのか」というアイデアをひねり出させるような仕掛けをほとんど研修に組み込んでいない。

何が作りたいのかがはっきりすれば、人は自分で作り方についての情報探査を始める。自分で学び始める。それが最も効率的な学びにつながるのだと、多くの人が指摘している。だから、くだらないものでもいいのでアイデアを無理やりひねり出させるような仕掛けを、僕の講習会では今後意識していかねばと思っている。本書を手に取った動機はそこにある。

全項目動員はとてもできないが、①週一ノルマ、②30分一本勝負、③身近なところの不便あたりから実践していくのかな。

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