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「おちょやん」とともに去りぬ [テレビ]

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昨日、PCR検査で陰性確認が取れたので、明日(16日)、いよいよ出国いたします。

5月16日出発を打診されたのは3月のことだったが、その時、すぐに「よし、これで『おちょやん』は最終回まで見られる!」と思った。(ブログ記事『水のように』をご参照下さい。)そして、その後も毎日欠かさず見続けて、とうとう最終回当日を迎えた。

もう思い残すことはない。TBSの『ドラゴン桜』も、NHK大河ドラマ『青天を衝け』も、この先の展開は気になるが、元々最終回までたどり着けないのはわかっていたので、見られない寂しさはさほどではない。

それに比べると、『おちょやん』はよく見た。演技がうまいキャストばっかりだったから、特に一平との別れ以降の最後の3週間は、ほとんど毎回目頭が熱くなった。歳なのかな。前作の『エール』でもそうした感動回は何度もあった気がするが、『おちょやん』はほぼ毎日。僕は朝7時30分からのBSプレミアムで主に見ているが、感動して8時からのNHK総合も続けて見るというパターンだった。

特に宮澤エマさんの、60代の老女を意識した抑え目のセリフや、言葉でなくきめ細かい仕草で訴えかける演技、そして、「花篭」の送り主の真相をここで持ってきた脚本の妙もあって、すごいなこのドラマって、ずっと感動し続けてきた。

最終週、千代がこれまでに世話になった人々が次々再登場するのかと思っていたら、道頓堀の人々を除けば、そういうサービスカットはほとんどなかった。京都撮影所の片金所長(六角精児)や守衛さん(渋谷天外)、カフェーの店長(西村和彦)、真理ちゃん(吉川愛)、山村千鳥一座の山村千鳥師匠(若村麻由美)、清子さん(映美くらら)、鶴亀家庭劇にいたルリ子さん(明日海りお)あたりの再登場は、いつもの朝ドラだったら「あるある」の展開だろうが、そうしたサービスカットを無理して入れなかった脚本もありかもしれないな。

ネットメディアの論評だと、主演の杉咲花と毎田暖乃、成田凌をはじめ、トータス松本、篠原涼子、若葉竜也、東野絢香、倉悠貴、前田旺志郎、宮澤エマらの演技が絶賛されている。勿論それに異論があるわけではないのだけれど、ライターさんもしっかりドラマを見てないなと正直苦笑もした。

僕的にはもっと注目されていい登場人物をここで挙げておく。

1人めは、岡安の先代御料さんを演じられた宮川圭子さん。千代と一平の役者としての成長を見守っていた方で、道頓堀の物乞いにまで目が効くそのネットワークの広さで、岡安を支えておられた。この方の演技を、なんでライターさんがしっかり書いてくれないんだろうか。疑問でならない。

2人めは、山村千鳥一座の番頭・清子を演じておられた映美くららさん。千代の初舞台「正チャンの冒険」出演のきっかけを作った人なので、千鳥座長役の若村麻由美同様、最終週の千代の鶴亀新喜劇の舞台に、観客として顔を出されるような展開があったらよかった。

3人めは、一平のお母さん役で登場された板谷由夏さん。一平と別れた千代に救いの手を差し伸べたのが栗子さんだったというのは意外な展開だったが、再開の場所が京都だったので、もしこれが栗子さんでなくて一平のお母さんだった、なんて展開もあったかもしれないなと想像したりもした。

いつもの朝ドラだったら、晩年の主人公まで一生涯を描き切るというケースが多かった気がするが、「おちょやん」は、千代が40代半ばぐらいの、まだこれからナニワのおっかさんの活躍は続くという、余韻を残して終わっている。こういう朝ドラの終わらせ方もいいなと思えた。

タグ:NHK 朝ドラ
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