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『般若心経入門』 [家族]

般若心経入門-276文字が語る人生の知恵 (祥伝社新書183) (祥伝社新書 183)

般若心経入門-276文字が語る人生の知恵 (祥伝社新書183) (祥伝社新書 183)

  • 作者: 松原 泰道
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2009/10/27
  • メディア: 新書
内容紹介
昭和47年の初版刊行以来、120万人に読み継がれ、仏教書ブームの先駆けとなった名著。平成21年7月、101歳で逝去した著者を追悼しての新装版。長男である松原哲明師のまえがきを加え、初版刊行時に寄せられた石原慎太郎氏、高田好胤師の推薦の辞を再録。
「色即是空 空即是色」の精神をやさしく説き明かし、一般人に親しいものとした本書の輝きは、37年たった今も失われていない。それどころか、いま、こんな時代だからこそ、「色即是空」の精神を改めて見つめなおすべきであろう。
「現代人に共通した悪い考え方にエゴイズムがあります。そのうえ、今の繁栄に満腹しすぎて、飽きているために、人生の妙味が味わえないでいるのです。エゴイズムと、繁栄による虚脱感情をいかに解決するか――私は、自分自身の問題として、これに答えるために、心経の「空」のこころを、あらためて学んでみたいと思ったのです。」(著者のことば)
【亡き父の蔵書】
上記は2009年発刊の祥伝社新書で取り上げているが、僕が読んだのは昭和59年(1984年)9月発刊の祥伝社NONブックス第184刷である。般若心経入門書のロングセラーで、亡き父が購入して読んでいたらしく、その蔵書を整理していて発見した。

僕はブログで本を紹介する際、「我が子に読んでほしい」というコメントを付けることがたまにある。そして実際に薦めたりもするのだが、彼らが読んでくれたためしがない。それを残念に思っていたのだだが、よくよく考えたら、父から薦められて父の蔵書に目を通すということを、息子の僕自身もやったことがなかった。これじゃ我が子に対する説得力もないし、一時父が朝夕欠かさず勤行をつとめていた頃の父の心境には興味もあったので、この1冊はキープしておいて、この大型連休中にサラッと読んでみた。

NONブックスだけに相当古いが、よく見るとBOOK OFFの値札が貼られている。BOOK OFFの創業が1999年だから、父が購入したとしたらそれほど昔のことではなさそうだ。いつ頃のことだったのだろうか。おそらく、2002年に祖母が亡くなる前後から一時父が朝夕のお勤めを励行するようになったが、その頃のことだったのではないかと推測される。

うちは真宗大谷派なので、般若心経を読むことはない。むしろ、僕の妻の方が曹洞宗なので、義理の祖母が般若心経を読んでおられたのを、結婚してすぐぐらいに見かけたことがあるくらいだ。(その意味では、本書は僕が取りあえず読んでおいた方がよいかもという気はした。)

やさしい、ですます調の語り口調で、まるでお寺を訪ねた信者に向けて、禅師がその経文の意味を説く説経のような書きぶりだ。親近感を感じたのは、真宗大谷派のお寺でお勤めが行われた後に、ご住職が門徒に対して行う説経も、同じような語り口で行われているのを、僕も何度か聴いたことがあるからだ。それは、天台宗である調布の深大寺に新年の初詣に行って、護摩を焚いて1年の無事を祈願していただいた後の、和尚様からいただく法話とも近いと思う。

読んでみて思ったのは、結構いろいろな宗派の開祖のエピソードが出てくるという驚きだった。親鸞聖人や、天台宗のエピソードですら出てくる。著者は身近な話題だけでなく、他宗派のお話であっても話題として提供しておられる。そのことがとても新鮮だった。宗派は違っても仏教は仏教なのだなと改めて感じた。

巻頭に、般若心経の276文字が全てフリガナと現代語訳付きで掲載されている。読む機会が今後それほどあるとも思えないが、里帰りして実家やお寺での法要で勤行集を読む際には妻も付き合ってくれているわけだし、僕自身ももう少しスラスラ読めるようになれるといい。もうしばらく携帯していようかと思っている。

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