『Tinkercadではじめる3D-CAD』 [仕事の小ネタ]
Tinkercadではじめる3D‐CAD―「3Dプリンタ」や「マインクラフト」の3Dモデルが簡単に作れる! (I・O BOOKS)
- 作者: 雅延, 東山
- 出版社/メーカー: 工学社
- 発売日: 2017/11/01
- メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
ブロックをレゴのように組み合わせるだけ! 基本的な使い方や作品を3Dプリンタで出力する際のポイントなども詳しく解説。カメラ型キーホルダー、トランシーバ用のハンガー、電子回路用保護ケース、ネームプレート、リモコン・ホルダ、おもちゃの電車、スマホケース…スグに作れる! 作例11種。
先週、3Dデザインの入門CADソフトの研修で教えるならどのソフトウェアがいいかというのが知り合いとの間で話題になり、「そりゃあTinkercad(ティンカーキャド)ですね」という話になった。Tinkercad?僕はどこかで聞いたことはあったが、操作したことがなかった。
その会話をした直後、僕はTinkercadをグーグル検索してみた。Wikipedia英語版の日本語訳によると、「Webブラウザーで実行される無料のオンライン3Dモデリングプログラムで、そのシンプルさと使いやすさで知られています。 2011年にリリースされて以来、3Dプリント用のモデルを作成するための人気のプラットフォームとなり、学校での建設的なソリッドジオメトリの入門レベルの紹介にもなった」とあった。
確かに、すぐに使用開始できた。日本語環境も設定できるが、多分僕は英語環境での使用を想定しなければいけない立場なので、そのまま英語環境で操作を開始した。
ある程度は直感的にマウス操作で動かせるプログラムである。やっててなんとなく操作できるようになっていけたが、念のために独習書でもないかなと思って調べたところ、わずか1冊だが存在することがわかった。それが本書である。
さっそく取り寄せてざっと読んでみた。週末だけである程度操作に慣れることができた。解説書が必要なほどややこしい操作が必要なソフトではないが、使っているうちに覚えられる操作法だけではカバーしきれない「裏技」的な操作法は、やっぱりこういうのを読むので参考にできる。
但し、本書の後半はマインクラフトやLEGOとの連携用のデータ作りの話が中心になってくるので、そのあたりにあまり興味のない僕のような読者には、飛ばし読みするしかなかった。(逆に言えば、マインクラフトやLEGOの面白さのわかっている人なら、オリジナルのオブジェクトやLEGOブロックを作ってみたい気持ちはあるだろうから、本書は読んでて面白いに違いない。)
お陰で、物足りなさも感じた部分がある。例えば、英語環境のTinkercadのダッシュボードには、3Dデザインだけでなく、電子回路(Circuits)やコーディングブロック(Codeblocks)といったボタンが用意されている。これらは3Dデザインと同じように、マウスのクリックだけで作業台上で電子回路を組んで動かしてみたりできる機能のようだ。ひょっとしたらRaspberry PiやArduinoを使った回路の設計なんかがここで試作できで、さらにそれに必要な筐体のデザインもこれでできちゃうという、相当使い勝手の良い機能なのではないかと思うのだが、そういう機能は本書では紹介されていない。比較的最近付加されたのかもしれない。
もう1つ、本書の解説から漏れているのが、複数のユーザー間でのデータ共同制作を可能とする機能である。おそらく、学校教育の現場などで、生徒間で3Dデザインを共同で行うようなケースを想定されているのだろうが、これは国境をまたぐようなリモートでもけっこう使えそうな気がする。
いずれにせよ、3D-CADの入門編としては、非常にシンプルで使いやすいプログラムだと思う。僕ごときのユーザーが、わりと簡単に3Dデザインをやって、どんどん3Dプリント用にデータを作っていくことができる。日常生活の中でちょっと必要になるような一品ものをサクッとデザインして、3Dプリントしていくには、ものすごく使いやすいプログラムであることがよくわかった。
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