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『決戦!関ヶ原2』 [読書日記]

決戦!関ヶ原2

決戦!関ヶ原2

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/07/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
累計10万部を突破し、ますます進化を続ける「決戦!」シリーズ。その中でも最高の人気を誇る『決戦!関ヶ原』が、さらにスケールアップして帰ってくる!慶長5年9月15日(1600年10月21日)。美濃国関ヶ原の地で、天下分け目の大会戦が勃発。乱世を終わらせる運命を背負ったのは、どの男だったのか――。そんな関ヶ原を駆ける七人の武将を描くのは当代きっての歴史時代小説界の人気実力者たち。読者は、新たな関ヶ原を目撃する!

8月に冲方丁『戦の国』を紹介した際、講談社の「決戦!」シリーズに、関ヶ原合戦の続編があることを知り、いつか読みたいと思っていたところ、先週末にコミセン図書室に所蔵されているのを見つけ、即断で借りて週末のうちに読み切ってしまった。

冲方丁『戦の国』にも収録されていた大谷吉継主人公の「燃ゆる病葉」は、元々この『決戦!関ヶ原2』に収録されていた作品なので、今回は再読となる。冲方丁を含め、収録作品は以下の7編。

 葉室麟「ダミアン長政」(黒田長政)
 吉永永青「過ぎたるもの」(島左近)
 東郷隆「戦さ神」(仙石久勝)
 蓑輪諒「名だけを残して」(小川祐忠)
 宮本昌孝「蜻蛉切」(本多忠勝)
 天野純希「秀秋の戯」(小早川秀秋)
 冲方丁「燃ゆる病葉」(大谷吉継)

西軍4名、東軍3名という編成。決して関ヶ原で各々の主人公が何を思い、どう行動したのかを詳述しているだけでなく、そこに至るまでの経緯の部分も、相当前に遡って描いている。例えば黒田長政の場合は朝鮮出兵時の石田三成との葛藤どころか、織田信長の下に人質に出されて、竹中半兵衛に救われた話まで出て来るし、本田忠勝の場合は、幼少期のエピソードから紐解いての今が描かれている。それぞれの武将がどのような人だったのかを知るには、こういう形式のオムニバス版があっても面白いなと改めて思う。

また、お気付きかもしれないが、本田忠勝を除けば、あとの6名は、石田三成本陣のあった笹尾山から小早川秀秋が押さえていた松尾山まで、いわば北から南に向けて舞台が移動していっている。この順序で読むから味があるのではないかとふと気づき、もし順序をバラバラにして読んでみたらどんな印象を抱くだろうかと興味が湧いた。ひょっとしたら、この編集者はなかなかの人かも。

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