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『50代からの人生戦略』 [読書日記]

50代からの人生戦略 (青春新書インテリジェンス)

50代からの人生戦略 (青春新書インテリジェンス)

  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2020/01/07
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
お金、働き方、人間関係、自分磨き。これからの生き方は“残り時間”から考える。知の巨人が教える「人生の大分岐」を乗り越えるヒント。

新型コロナウィルス感染拡大が日常生活に影響を及ぼすようになってから、既に9カ月が経過した。僕はそれまでのパワハラまがいのマイクロマネジメントに振り回された前の職場を3月で終え、年初の抱負でも述べていた、「やりたいことを3つに絞る」の第一歩を踏み出すべく、次のステップへと4月に進む予定だったが、この話も凍結され、今の職場での仮暮らしが思いのほか長く続いている。

思わぬ展開は次のキャリアが宙に浮いてしまった僕自身の気力の低下にもつながっているが、おそらく職場の方々も、この50代半ば過ぎのオジサンをどう扱っていいのか頭を悩ませていることと思う。状況が改善すればいなくなる人間なので、一時的に仕事を多めに振るというわけにもいかないだろうし、仮に振られても、このオジサンに、今の最先端の話はついて来させるのも難しい。そういうのがわかっているから、僕自身も心苦しい。

本書を読むと、置いてもらっているだけありがたいと思わないといけないのだから、言われたことは粛々とやれと書かれている。僕の先輩方の中にも、「この人があの、バリバリ働いていた人なの?」というくらいに気力が減退し、給料も大幅に下がった中で、今までやったこともないような仕事をやる部署に来た人がいる。10年前の僕の前任者だった人が、今年3月の僕の異動の際には僕の後任になり、しかも僕よりも仕事のパフォーマンスが悪いという愚痴を聞いたりすると、「自分はそうならないようにしなきゃ」と思ってしまう。

また、妻にも、「仕事があるだけありがたいと思わなきゃ」と言われ、暗にどんな仕事も甘んじて受け容れて今の仕事を続けろと諭されたこともある。前任地での実績やこちらの人事の希望などとは無関係に当てはめられた新しい仕事、人事のあり方などに反発を覚え、「自分はこんなのは嫌だ」と思ってきたが、本書を読むと、妻の言っていたことの方が正しいのかなと迷いも生じてくる。

認めたくはないが、本書に書かれていることは的を射ているところが多い。僕のように50代後半になる以前、できれば50代に突入するかしないかの頃に読まれるとよいだろう。

本書の章別に、自分ができている点、できていない点を考えてみた。

第1章 50代からの「残り時間」
―――これは及第点かな。終わりを意識してじたばたしないというのはできている気がする。

第2章 50代からの「働き方」
―――僕は既に管理職は卒業していて「上司」ではないので、参考にならない記述も多々あったが、「転職、起業で成功できる50代はごく一部」というのは、自分もそう思っていても、自分が取りたい選択肢に対して迷いをもたらす記述だった。

第3章 50代からの「職場の人間関係」
―――前章の繰り返しだが、僕は既に上司ではないので、それを前提に職場の人間関係を見ることにした場合、「弱者の目線」「下手に目立たない」「斜め上の応援団」等は常に意識しておきたい。できているところ、できていないところが混在した。

第4章 50代からの「お金」
―――「健康」と「家族」は最高の投資先というのを頭に入れておきたい。無駄な買い物はもっと減らさないとと思う。

第5章 50代からの「家族関係」
―――「親にインタビュー」に一時取り組んだ時期があったが、それを中断してから既に8年がたち、ましてや今はコロナ禍でそれもできないのが悩ましい。その間にも両親の老いは進み、今は孫たちも大きくなってきたので、昔のようにはインタビューすることが難しくなってきた。一方で、今のコロナの状況下で、家族との会話の機会が増えたのは精神的には救いになっているところが大きいと感じる。

第6章 50代からの「自分磨き」
―――「教養」のレベル低下を指摘しているのは同感で、昔も今もいちばん自覚があって、そしてあがいている部分かもしれない。ずっと続けてきている読書は今後も続けるにしても、早朝起床して著者が新聞朝刊の読み込みを長年実践しているところは、僕自身は真似できない。2時間近くのウォーキングを励行しているから。どう著者に近づいたらいいのか、まだ妙案はない。「50代の教養磨きには高校教科書が最適」とある。頭の片隅に置いておいて、次男の教科書をチラ見させてもらおうかと思い始めている。

本書は「戦略」と銘打っている者の、それほど戦略っぽく描かれているようには思えない。ここで書かれている実践法は数多く、これを全部やるのも大変だし、そもそも覚えていられないと思う。大筋で本書をふまえておいて、自分なりの方法論を見つけ出していかないといけないというのが自分の感想。

「残り時間」を考える年齢になってきたけれど、何をすべきか考えてないわけでもない。今のこの宙ぶらりんの生活には、遅くとも年度内にはケリを付けたいので、そのためにやれることはやってやろうと決意を新たにする今週末である。

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