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『国盗り物語』(3) [司馬遼太郎]

国盗り物語(三) (新潮文庫)

国盗り物語(三) (新潮文庫)

  • 作者: 遼太郎, 司馬
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1971/12/22
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
美濃を征服した斉藤道三は義理の子義竜の反乱に倒れたが、自らの天下統一の夢を女婿織田信長に託していた。今川義元を奇襲して鋭鋒を示した信長は、義父道三の仇を打つべく、賢臣木下藤吉郎、竹中半兵衛の智略を得て美濃を攻略した。上洛を志す信長はさらに畿内制覇の準備工作を進めてゆく…。信長の革命的戦術と人間操縦、その強烈な野性を、智将明智光秀を配して描く怒涛編。

5月は9冊ものコミックスを含んでいるので、26冊(5月30日現在)といっても相当なかさ上げがある。1日200頁を超える過去最速ペースになっているけれど、日本政府がコロナの緊急事態宣言を解除する前後から読書のペースが鈍った。なんか、ちょっと無気力っぽくなってしまったんですよね~。仕事に対してじゃなく、むしろ出勤があるからというので、他のことがあまり手につかなくなったという感じだ。

そんな鈍った自分の読書ペースにネジを巻こうと思い、読んだのが4巻シリーズの第3巻。NHK大河ドラマ『麒麟がくる』で言えば、ちょうど5月放送分でカバーされている時期と重なる。ドラマの方では、信長の稲葉山城攻防戦はもう少し後、放送中断を挟んで描かれることになるのだろうが。

第3巻は、織田信長編の前編という位置付けだが、晩年の斎藤道三も出てくるし、「織田信長編」となっているけれど、どちらかというと道三が目をかけた信長と、そして光秀の、天下統一に向けた足取りの対比を軸に、2人のライバル関係の進展を描いた巻になっている。作者の司馬遼太郎も、あまり光秀を悪者っぽくは描いていない。

時期は、帰蝶の嫁入りから、聖徳寺会談、長良川合戦、桶狭間合戦、将軍足利義昭擁立、稲葉山城攻防戦あたりまでである。個人的には、邸宅が僕の実家から割と近所にある竹中半兵衛の稲葉山城乗っ取りから木下藤吉郎による半兵衛取り込みあたりの、本巻の最後の十数ページが面白かったかな。とかく美濃国で起きていることは、出身地だけに土地勘もあり、地形がイメージしやすかった。

テンポもよく、読み込みにかけた時間は1日足らずだった。金曜夜から読み始め、土曜の夕方には読了した。これで読書ペースを取り戻せた感じだ。これでまた別のちょっと小難しい本にも立ち向かう気力が再び湧いてきた気がする。

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