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『乙女文藝ハッカソン』(全3巻) [読書日記]

乙女文藝ハッカソン(1) (コミックDAYSコミックス)

乙女文藝ハッカソン(1) (コミックDAYSコミックス)

  • 作者: 山田しいた
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/11/14
  • メディア: Kindle版
乙女文藝ハッカソン(2) (コミックDAYSコミックス)

乙女文藝ハッカソン(2) (コミックDAYSコミックス)

  • 作者: 山田しいた
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/04/10
  • メディア: Kindle版
乙女文藝ハッカソン(3) (コミックDAYSコミックス)

乙女文藝ハッカソン(3) (コミックDAYSコミックス)

  • 作者: 山田しいた
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/07/10
  • メディア: Kindle版
内容紹介(第1巻から)
小説執筆は孤独なもの――? 作家志望の安達倉麻紀が入学した地方大学の文藝部には、そんなイメージを覆す奴らがいた! ITエンジニアたちがおこなう開発競争「ハッカソン」(ハック+マラソン)の概念を持ち込み、チームワークによって傑作小説を生み出すヤバい面々! SF、ミステリ、ファンタジー、純文学……独自の創作方法でそれぞれのジャンルを極めんとする乙女たちの文藝青春譚、開幕!

いきなりだけど、毎週土曜日のTBSテレビ『王様のブランチ』の午後12時台のコーナー「語りたいほどマンガ好き♡」を家族で見ていて、「最近のマンガはリアリティがない」とぼやいたところ、子どもたちから総スカンを喰らった。ありえないシチュエーションで登場人物がなんだかわからないバトルをやっていて、それで世界の未来が決まってしまうとか、そういうのを読んだからって読者の生き方がポジティブになれるのかって、オジサンからしてみれば疑問だ。でも、子どもたちに言われたのは、「リアルはリアルとして自分たちはちゃんと生きてるんだから、マンガの中に非日常を求めて何が悪い」ということだった。

まあ、そう言われたらそうかもしれないが、非日常を求めるなら少しは小説でも読んで欲しいよなぁ…。子どもたちの将来を案じる親としては、マンガで現実逃避している子どもたちを見てると不安でしかない。特に、この日の『~ブランチ』で紹介された「ピッコマアワード2020」の受賞7作品のこと、大学生の長男と長女はどちらもすべて知っていた。情報入手の速さについては認めるが、なんだか釈然としないものがある。

そんな親子バトルをやらかした直後に照会するのはかなり気が引けるが、これが僕が最近読んだマンガである。ここのところ「ハッカソン」とか「アイデアソン」といったキーワードで書籍検索をかけ、気に入った本があれば注文するようにしているので、早晩その手の本がこのブログを賑わすことになると思うが、そんなキーワード検索の過程で知ったのがこのマンガだった。

「ハッカソン」というとITエンジニアによる開発競争イベントのことだが、それを小説執筆のチーム戦という形にして描いているのが本作品。主催者からお題が与えられたら、各チームがそれを24時間とか決められた時間内に決められた分量の作品として描く。切り口はSFであったり、ミステリーであったり、ホラーであったり、ラノベ系であったり、なんでもいい。アイデア出しから実際の執筆分担、相互レビュー等へと進めて、ストーリー全体を一定水準にまで高めてゴールを目指す。そんなイメージかな。

舞台は地方大学だから、僕にとってはまあリアリティがある作品だと言える。全3巻だが、最初は大学進学が決まった主人公が寮に入る3月下旬ぐらいから始まり、学内の文藝ハッカソンの予選会が4月下旬、そして結果が出た後のGW連休あたりまでという、わずか1カ月半ぐらいの間の出来事が描かれている。ネタバレになってしまうが、秋のハッカソン本選までは当然描かれておらず、見方によっては尻切れトンボで終わってしまった印象もないこともない。でも、ハッカソンの雰囲気は十分味わえる。

同世代の男性の中では、僕は比較的読書量が多い方だと自負していたが、こういう、小説が書きたくて文芸専攻してくるような子たちは、やはりとんでもなく膨大な作品を大学進学前にインプットしてきているんだというのがよくわかる。「読書量が多いと良い小説が書ける確率が上がる」と第2巻で登場人物の1人が言っている。これは物書きを志すなら避けて通っちゃいけない道なんだろうなというのも。

そして、多分作者自身がこういう世界を描きたかったんだろうなというのがよく伝わってくる。元々IT業界から漫画家に転身した人らしいから、元々勝手知ってた業界の話を文芸の世界に応用して作品を仕上げたということなのだろう。

とはいえ、オジサンにとって許せるマンガというのは、世界のどこか、あるいは日本のどこかで、実際に起きているかもしれない話を取り上げたものである必要がある。場合によってはいいオヤジがマンガなんか読んでていいのかという白眼視に対する僕なりの屁理屈に聞こえるかもしれないが、この点は再度強調しておく。

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Ganchan

ご訪問、nice! ありがとうございました。
by Ganchan (2020-05-25 18:10) 

ピンキィモモ

こんにちは。
訪問&nice!をいただき、ありがとうございました。
by ピンキィモモ (2020-05-26 00:37) 

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