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「北海道しばり」まとめ [勝手にブックカバーチャレンジ2020]

本当にバトンが回ってきて、SNS上でブックカバーチャレンジをやることになってしまいました。

僕にバトンを回してきたK君は北海道で「ブックコーディネーター」という仕事をしているので、K君にちなんで、勝手に「北海道しばり」というのを設けて7日間本を紹介し続けました。

昨日ようやく完走したので、紹介した本と、その紹介ブログ記事のURLをまとめてアップしておきます。


◆◆◆◆

1日目 後藤竜二『天使で大地はいっぱいだ』1967年
https://sanchai-documents.blog.ss-blog.jp/2007-10-15
【コメント】小学校時代に同級生から教えてもらって読んだ北海道開拓民の家族の話。この本に出会っていなかったら、その後の読書週間は続かなかったと思います。続編『大地の冬のなかまたち』もあり。

2日目 朝倉かすみ『田村はまだか』光文社、2008年
https://sanchai-documents.blog.ss-blog.jp/2012-07-14
【コメント】北海道出身の朝倉かすみさん、去年直木賞候補になった『平場の月』もオシなのですが、ここはあえて、明らかに道内が舞台となっている『田村はまだか』をご紹介します。小学校同窓会三次会で、話題の田村の到着を待ち続ける同級生の会話に親近感があり…。このGW、コロナのせいで同窓会が流れました。代わりに先日有志でオンライン同窓会をやりました。作品の登場人物は40歳ですが、僕らは56歳。当時の話題よりも、近況紹介が中心になってしまうのは、オジサンたちの記憶劣化のせいでしょう(笑)。

3日目 増田俊也『七帝柔道記』角川書店、2013年
https://sanchai-documents.blog.ss-blog.jp/2013-12-14
【コメント】既に文庫化(角川文庫)されているし、コミック化(小学館)もされています。高校柔道では強豪で鳴らしていた我が弟が、京大進学して柔道を辞めた理由として、「全然違う柔道やっとる」と言っていたのを思い出します。講道館柔道とは全く性格の異なる旧帝大柔道の対抗戦を、80年代低迷期の北大柔道部の視点で描いています。同じ時期に僕らは東京で軟弱な学生生活を送っていたのが恥ずかしくなる。青春のすべてを賭けるとはこういうことなのかと、読んでいて胸が熱くなります。その後、今の会社で、70年代後半に北大柔道部におられた方に偶然お目にかかり、話が盛り上がりました。「超ド級」を揃えた北大黄金時代の方です。

4日目 イザベラ・バード『日本奥地紀行』平凡社、2000年
https://sanchai-documents.blog.ss-blog.jp/2011-07-02-1
【コメント】1878年6月から9月にかけて、東京から日光、新潟を経て日本海沿いを旅して北海道に至る英国人女性探検家の旅行記。北海道では、函館拠点に伊達、室蘭あたりまで足を延ばし、当時のアイヌの人々の暮らしを活写しています。原書Isabella Bird "Unbeaten Tracks in Japan"はキンドルで無料ダウンロード可能。僕は平凡社版で読みましたが、講談社学術文庫で上下巻二分冊で再刊されています。
 また、本書の解説書として、民俗学者・宮本常一の『イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を読む』(平凡社、2002年)もおすすめです。(これも、講談社学術文庫から再刊あり。)
 バードの日本紀行は、中島京子『イトウの恋』(講談社文庫)の題材にもなりました。これはなかなか面白いです。知らなかったけど、漫画化も。佐々大河『ふしぎの国のバード』(HARTA COMICS)、読もうかな。

5日目 井上正治『マラソンマン』講談社、1993~97年
https://sanchai-documents.blog.ss-blog.jp/2016-12-24
【コメント】北海道出身の作家で、早大陸上部時代に箱根駅伝であの瀬古からタスキを受け取った黒木亮の『冬の喝采』も考えたのですが、漫画でもOKだったのでこちらにしました。93年から97年まで週刊少年マガジンで連載されていた漫画で、主人公・高木一馬が筑摩大学で駅伝を走っていた頃までは読んでました。私も市民ランナーだったので、これ読んで気合を入れてました。
 95年に結婚してから少年マガジンは読まなくなりました。一方、作品の方ですが、箱根駅伝総合優勝後、一馬は姿を消し、5年後、北海道でタクシー運転手をしています。一馬がどうして北海道に渡ったか、そしてそこからいかに再起して、北海道マラソンで宿敵マモと戦うに至ったか、ラストの4巻は北の大地が舞台となります。熱いです。先輩・阿川との友情も熱い。
 走りたかったな北海道マラソン。私が北の大地を走ったのは、92年のオホーツク紋別マラソン(ハーフ)と、98年の千歳日航マラソン(フル)の2回だけです。今?とても走れません(涙)。

6日目 佐藤泰志『海炭市叙景』小学館文庫、2010年
https://sanchai-documents.blog.ss-blog.jp/2011-07-22
【コメント】映画化に合わせて2010年に文庫化されてますが、単行本発刊は1991年です。80年代に書かれていますが、著者が自死されたので未完の短編集です。舞台は多分函館。80年代の函館の人々の暮らしが垣間見えます。
 佐藤泰志といったら『そこのみにて光輝く』の方が有名かもしれませんが、あえて『海炭市~』の方を選びました。伊藤たかみ『海峡の南』との取捨で悩みました。『海峡の南』も、伊藤作品の中ではいちばん好きです。

7日目 大西暢夫『ホハレ峠』彩流社、2020年
https://sanchai-documents.blog.ss-blog.jp/2020-05-03
【コメント】なんでやねん、岐阜県徳山村の話やないか~い、なんて突っ込まないで下さい。本書で大西さんが取材した廣瀬ゆきえさんは、ずっと徳山村門入地区で生まれて暮らしてきたわけじゃなく、北海道ニセコ村に移住されています。徳山村から北海道開拓団に参加した家に嫁ぐ形で。よって大西さんもゆきえさんの足取りを追って、北海道で取材されています。
 うちの遠縁の親戚にも、月寒に住んでおられた方がいらっしゃいました。昔、岐阜県から北海道開拓に参加した方々がおられたのを、改めて学ぶことができました。

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これでも結構取捨で迷いました。泣く泣く落とした作品も何点かあります。次にまたバトンを回して来る方がいらっしゃれば、やってみてもいいかもと思いました。

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