『僕はまだ野球を知らない』 [ベースボール]
内容紹介
高校野球の監督をするのが夢だった物理教師・宇佐智己(うさともき)は、念願叶って浅草橋工業高校野球部監督に就任。「野球の統計学=セイバーメトリクス」を駆使して、チームは確実に強くなっていく。さらに、複数の都立高校と、対戦した強豪私立のデータを共有し合う戦略で、ジャイアントキリングを狙う。いよいよ始まる夏の東東京予選。根性論を否定し、理論に基づく指導で野球の楽しさを子供たちに伝えてきた宇佐の、甲子園を目指す革命の行方は…!?
甲子園に行く前に連載が終わってしまいました―――。
何があったんだろうか。面白かっただけになんだかもったいない。でも、強いて言うなら宇佐監督がオタクっぽくセイバーを導入して野球部員たちが戸惑っている時のドタバタぶりの方が読んでいて笑えたかな。
選手が効果を納得して、自律的に練習を積み、試合でも動けるようになっていってからは、宇佐監督の動きは少なめになっていき、選手を見守る役割に転じていった。第4巻でオープンイノベーション的要素が出てきた時は「そう来たか」と思わず膝を打った。他の都立高でもセイバー導入が始まり、データ共有が始まり、周囲も「なんだかおかしい」と気づき始めたところで、唐突に連載が終わってしまった。
せめて柴又第二との再戦あたりまでは引っ張って欲しかったよ―――(涙)。
でも、この話、時間軸で言うと4月から7月までの4ヵ月程度の期間の話なんだよね。その間に頑張って集めたデータだけでも強くなれるんだろうか。そして、データ相互共有でセイバーを後から導入した他の都立高が、そこまでセイバーをものにできるようになるものなのだろうか。
まあそんな思いもあるものの、西餅先生の次回作にも期待したい。「ハルロック」「僕はまだ野球を知らない」に続く浅草橋工業高校サーガ、楽しみにしています。
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