SSブログ

『ものづくり「超」革命』 [仕事の小ネタ]

ものづくり「超」革命 「プロダクト再発明」で製造業ビッグシフトを勝ち残る

ものづくり「超」革命 「プロダクト再発明」で製造業ビッグシフトを勝ち残る

  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2019/08/29
  • メディア: 単行本
内容紹介
ものづくり企業は避けて通れない!「プロダクト再発明」に今すぐ着手しよう!
ソフトウェアやデジタル技術の急速な発展により、仕事や日常生活で使用している製品は今後、劇的に変化し、これまでのような「売って終わり」の製品は徐々に衰退していきます。代わりに台頭してくるのが、AIやさまざまなセンサーを搭載し、インテリジェント化・コネクテッド化された製品です。こうした製品ではハードウェア自体の機能よりもそこに組み込まれたソフトウェアが主役となり、販売後もリモートアップデートによって最新状態が保たれ、長きにわたってユーザー体験を高め続けられます。ものづくり企業が今後生き残っていくには、現在の製品ラインナップをただちに見直し、こうした製品に「再発明」していくことが必須です。本書は、協調性や反応性、自律性を備えた製品の世界に、企業が「どのように」入っていけばいいのか、数多くの事例(テスラ、サムスン、キャタピラー、ハイアールなど)を通じて現場の声も紹介しながら、実践的かつ具体的に解説します。また、第14章には、日本のものづくりの状況に即して、原書にはない特別章を追加しました。日本企業は製品の再発明がなぜ苦手なのか、どうすれば苦手を克服できるのかを解説しました。

昨夏に刊行されて以降、ずっと気になっていた本だが、500頁超の分厚さと2000円超の価格に怖気づき、なかなか手を出せずにいた。1月末、今の職場の本来業務とは別の仕事で嬉しい出来事があり、その嬉しさで財布の紐が緩み、三省堂書店神田本店で大人買いした4冊のうちの1冊である。2月21日に行ってみたいと思っているセミナーのテーマとも関連するので、待ったなしで読んでみることにした。

とはいえ分厚さはいかんともしがたい。1日でサラッと読み切るわけにはいかず、読み始めてから10日近くかかってしまった。読了した今となっては、最初の方の章に書かれていた内容まで細かくは記憶できておらず。時間をかけた割には何が書かれていたかを紹介するのが難しくなってしまった気がする。とはいえ、一定の枠組みに基づいて書かれていて、しかも同じような記述が頻出するので、要点だけならまとめられるかもしれない。

先ず、本書で頻出するキーワードは、「スマート・コネクテッドプロダクト」「デジタル再発明」である。この2つから想像つくのは、製造業のデジタルトランスフォーメーションは、適応性、協調性、能動性、反応性を備えた新しい製品を継続的に発明していくことだということなのだろう。そして、その背景にある、今の製造業が直面している5つのビッグシフトとして、本書は以下を挙げている。

 1.機能から体験へ

 2.ハードウェアから「アズ・ア・サービス」へ

 3.製品からプラットフォームへ

 4.電子機械工学から人工知能(AI)へ

 5.直線型エンジニアリングからアジャイルな「新時代エンジニアリング」へ

どれもだいたい想像がつくことなので、枠組みの提示はありがたいが、目新しいかと言われると、ちょっと違う。切迫感だけは十分感じられるものの、じゃあどうすればいいのかというのはわからなかった。自分、製造業に身を置いているわけではないので(苦笑)。それ以前に、本書で登場する企業が、日本企業の3つの事例を除けばどれも結構有名なところなので、中小企業やスタートアップが本書に書かれていたようなことができるかどうかは怪しい気がする。想定読者は大手のメーカーの社員なんじゃないのか。

多分、アクセンチュアのITコンサルティングサービス売り込みのための本なんだろう。DX(デジタル・トランスフォーメーション)は我が社でもバズワードになっているが、それじゃあ一人一人がどれくらいデジタルに対するリテラシーが高まっているかといえば結構怪しい。軽量のラップトップを持ち歩いていつでもどこでもそれを開いてプログラミングをやれるような若い人は引く手あまたなのだろうが、朝会社に行ってデスクトップを立ち上げてメール送受信やワード文書作成ぐらいでしかPCを使わないオジサンがDXと叫んでも何だか虚しい。

要はプログラマーやエンジニア、データサイエンティストとか呼ばれる人材は供給が限られていて、それは各社が自社だけで確保することなど難しいから、オープン化してもっとパートナーシップを組んでいきましょうとなる。そこでアクセンチュアなんだろうなぁ。挿入されている図表も、パワポで使用されているものを転載したような感じで、これもDX関連のセミナーでは著者がレクをやったりする時に使っておられたのだろうなと勝手に想像する。

分厚さがネックになるというのは著者やアクセンチュアも多分予想していたのだろう。各章の章末には要点が3点挙げられており、さらに巻末にはそれらがまとめて再掲されている。復習はしやすいだろう。1章から続けて読んでいくのはそれなりに大変だが、拾い読みするだけでもよい。これから就活するような愚息たちには、「これ読んで時代のトレンドぐらいは把握しておけよ」と申し渡し、本書は家庭内で回し読みをさせていただくことにしよう。

nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 9

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント