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LSU最高の日 [LSU]


このブログのプロフィール画像を15年にわたって変更していないことからもご想像の通り、僕はアメリカンフットボールのファンであり、ルイジアナ州立大学(LSU)のファンである。1985年に1年間、LSUに留学させてもらい、LSUタイガースタジアムにも何度か足を運んだ。

1980年代から90年代にかけ、LSUはNCAAディビジョン1のランキングではよくて10位台ということが多かった。サウスイースタンカンファレンスの対抗戦では、アラバマ大やフロリダ大には分が悪かったし、時々格下(失礼)のミシシッピー大やミシシッピー州立大に足元をすくわれ、平均すると6勝4敗、ないし7勝3敗のチームだった。そしてポストシーズンも、ボウルゲームの成績はあまり良くなかった。

それが、2000年にニック・セイバンがヘッドコーチに就任してから、戦績が良くなった。ほとんどのシーズンでランキングひとけた台を記録するようになり、2003年のシーズンには全米チャンピオンになった。但し、この時は2つあったランキングで1位が割れて、2チームが全米チャンピオンを名乗ったと記憶している。この実績が買われて、ニック・セイバンはNFLマイアミ・ドルフィンズHCに転身したが、その後を受けたレス・マイルズHCの下で、2007年のシーズンにも全米チャンピオンに輝いている。

1959年も含めるとこれまで3回全米チャンピオンになったLSUだが、レギュラーシーズンを全勝で締めくくったことはこれまで一度もなかった。僕はこのブログでも一時期LSUの試合の結果を紹介したりしてきたが、あまり前のめりになるとどこかで必ず黒星が付くので、ブログでは固く口をつぐむよう心掛けるようになった。

だから、今年のチームが全勝街道をひた走っている間も、結果はチェックしていたものの、ブログでは一切触れなかった。カンファレンス内での最大のライバルで、対戦時にランキングひと桁台だった強豪フロリダ大とアラバマ大を下しても、浮かれることなく静かに様子を見守り、レギュラーシーズンを12勝0敗で終え、さらにカンファレンス決勝ジョージア大に圧勝した後も、口をつぐんでいた。

チームはさらに勝ち星を重ね、プレーオフ準決勝、オクラホマ大にも圧勝。そして13日(現地時間)、チャンピオンシップゲームでクレムソン大を42-25で突き放し、とうとう全勝でシーズンを締めくくった。誰も文句のない全米チャンピオンである。

35年間もLSUファンをやってきて、初めての経験だ。


この立役者は、クオータバック(QB)のジョー・バローである。カレッジ進学後の最初の2年はオハイオ州立大で控えQBを務め、その後LSUに一昨年転校し、主戦QBとなった。昨シーズンの実績はゼロに等しかったが、HCだったエド・オージェロンがその才能を見抜き、今シーズンのオフェンスチームのフォーメーションをバロー用に変更したと言われている。

動画をご覧いただくとわかるように、それはショットガン・フォーメーションである。7人ものワイドレシーバー、タイトエンドをフィールド上に展開させ、パスを投げまくる。相手チームがパスと見てレシーバーをブロックしていると見るや、自分で走り込んでさらにヤード獲得を狙う。

ショットガンは昔から日大や関西学院大が多用してきたフォーメーションなので、僕らにとっては非常に見慣れたものだ。1990年頃だったか、ヒューストン大がラン・アンド・シュートというオフェンス・フォーメーションを多用して、パス攻撃獲得ヤードの記録を打ち立てていた時期があったが、これとも近い。パスの場合は、その都度時計が止まるので、試合の進行が遅くなる。自ずと相手の攻撃機会も増えるため、両チームとも得点を重ねる、ノーガードの打ち合いのようなゲームが目立つ。今シーズンのLSUも、滅茶滅茶得点を重ねている割に、30点ぐらいの失点も重ねている。

ヒューストン大がラン・アンド・シュートを多用していた頃、2年連続で同大のQBがハイズマン賞を受賞し、NFLドラフトでも上位指名された。でも、大成しなかった。今のNFLのチームでショットガンを多用するチームがあるのかどうかはわからないが、バローが今シーズンのハイズマン賞を圧倒的多数の支持を集めて受賞した時、NFLで通じるのかなという不安が頭をよぎった。でも、過去同じようなケースがあった。テネシー大からインディアナシティ・コルツに入団したペイトン・マニングで、彼の入団と合わせて、コルツはオフェンスのフォーメーションを再編し、パス攻撃中心のチームへと変貌を遂げた。

そう考えると、注目はバローがNFLのどのチームから指名されるかである。ペイトリオッツのジョー・ブレイディやセインツのドリュー・ブリーズ、チャージャーズのフィリップ・リヴァース等は、年齢的に引退の二文字が毎年囁かれる。これらのチームはどこもプレーオフで早々に敗退しているので、次のドラフトの指名順位は高位になると思われる。チーム再編の時期とうまくフィットすれば、バローも結構いけるのではないかと期待する。

いずれにせよ、LSU史上2人目のハイズマン賞も今期は目撃できた。長年のLSUファンにとっては、僕と同様、2020年1月13日は、人生最良の日であったに違いない。

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