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『あかね色の空に夢をみる』 [読書日記]

あかね色の空に夢をみる (文芸社文庫NEO)

あかね色の空に夢をみる (文芸社文庫NEO)

  • 作者: 吉川 結衣
  • 出版社/メーカー: 文芸社
  • 発売日: 2019/01/16
  • メディア: 文庫
内容紹介
同級生・宮里の突然の死を未だ受け入れられない茜は、彼女との思い出を繰り返し夢に見ていた。家族との問題に苦しみながらも、自分が変わってしまえば宮里を本当に失くしてしまいそうで、一歩を踏み出すことができずにいた。茜の葛藤を描いた青春小説。第1回文芸社文庫NEO大賞受賞作品『あかね色の空に君を想う』とその後の物語『思い出のハンバーグ』を併録。

「北高の生徒が文学賞を獲った。」

正月休みの里帰りの期間中、父がそう言った。ああ、朝井リョウの直木賞のことでしょ?あるいは中村航?そう、彼らは僕らよりずっと世代が下の母校の後輩である。

ところが、話を聴いていくとどうやら現役の高校生らしい。調べたら誰だかすぐにわかった。

岐阜県出身の小説家はもれなく応援する主義の僕としては、たとえそれが高校生や中学生が主人公の作品であっても取りあえず読み、そしてこのブログで紹介することにしている。

ということで、吉川結衣さんの『あかね色の空に夢をみる』のご紹介となった。文学賞は獲った作品だが、文芸社の文庫って書店の棚を占めるスペースが極めて少なく、近所にある書店を5カ所以上探したけれども見当たらず、やむなくKindle Unlimitedでダウンロードして読んだ。(文庫版が見つかれば、購入してもいいと思っている。うちの子どもたちに読ませてもいい作品だから。)

感想を言うにはオジサンは歳をとり過ぎている(笑)。印象だけ言っておくと、女子高生が同世代の男子生徒を描くとこういう作品になるような気がする。登場人物が皆やさしく、そういう登場人物に対してつらく当たった人々は、作品には回想シーンとしてしか登場しない。

それにしても、この複雑な家庭の事情。DVやら離婚やら、こういう事情を抱えている人が増えたんだなというのを改めて実感させられた。重松清のようなオジサンと同世代の作家が描く作品の劇中にはよく出てくるシチュエーションだが、現役の高校生が描く作品の中でそういうのが出てきているのに驚く。

そういうのがよく見えている子なんだろうな。これからも期待してますよ。

タグ:吉川結衣
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