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『遅読家のための読書術』 [読書日記]

遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣

遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣

  • 作者: 印南 敦史
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2016/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
積読、解消!月20冊があたり前になる。「1ページ5分」から「年間700冊超」へ!! 人気のウェブ書評家が明かす全メソッド。

年明け最初の読書は、自分の読書法を見直すための読書で始めることにした。この本も、近所のコミセン図書室で年末に借りたもの。4冊中、3冊目の読了となる。これで4日に返却できる目処が立った。

表紙をめくると、扉の部分のリード文にこんなことが書かれている。

ここで1つの結論めいたことを言っておけば、
つまるところ、遅読家というのは能力の有無ではなく、 「本を速く読める人」と
「遅くしか読めない人」がいるのではありません。
「熟読の呪縛から自由な人」と
「それにまだとらわれている人」がいるだけなのです。

このことは、以前フォトリーディングをかじった時にも指摘されたポイントである。そこから導き出される方法論は、読書法の本によってそれぞれ違うけれど、僕にとって受け容れやすいのは、アウトプットを伴うもので、本書もそれに沿った方法論を提示されている。だいたい納得いくものである。僕も、何の気なしに図書館で借りてしまった本で、でも読みづらいなと躊躇しているうちに返却期限が近づいてきている場合に、採用する手はここで書かれているのと大差ない。(僕の場合はページの角に折り目を付けたり、付箋を貼ったりすることはあるので、そういうのを否定的に書かれている著者とは意見を異にするところもある。)

僕の2019年の年間読書量は127冊だったが、本書の著者は700冊も読んでいる。1日1冊で週6日のペースで、それを年間続けると年間300冊ぐらいになるが、著者はそれを目指せとおっしゃっている。

ただ、疑問もある。著者は書評を仕事にしているから、毎日読まないといけないという状況の中で、こういう方法論を採用するのはわかる気がする。でも、一般の人は書評家ではない。我々が年間300冊も読まなければならない事情として、何が考えられるというのだろうか?

著者は、小説ではこういう方法論は使いづらいと認めておられる。そうすると、小説を除いて読む本は、だいたいは自分の興味に基づくもので、しかもそれがなんらかの形で自分の仕事や取り組んでいるテーマに収束されていくことをイメージして素材を選び、読み込まねばならない。論文を書く際の参考文献のようなものもある。そうすると、たまには英語の論文や文献だってあり得るのだが、そういうのでも著者の方法論は有効なのだろうか。

さらに、この方法論を受け容れにくくしている理由のもう1つは、1日1冊と言うけれど、著者はこの読書法のために、1日何時間を費やしているのだろうかという、肝心のポイントを明らかにしていないことである。書評を仕事にしていれば、この作業に1日数時間を費やすことは可能かもしれないが、僕らにとっては頑張ってもせいぜい1日1時間である。それにこの方法論が適用可能なのだろうか?

とはいっても、ジャンルの違う本を同時並行的に読むこととか、たまに自分の関心の薄いような本でも取り混ぜて読むこととか、2020年の読書ではとり入れてみたいと思う。目標は1カ月10冊、年間120冊を目指したいと思う。


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