『蜜蜂と遠雷』

蜜蜂と遠雷

• 作者: 恩田 陸
• 出版社/メーカー: 幻冬舎
• 発売日: 2016/09/23
• メディア: 単行本

内容紹介
俺はまだ、神に愛されているだろうか？ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。著者渾身、文句なしの最高傑作！3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」ジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵15歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンでコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか？

2016年秋に『夜のピクニック』を読んでから、恩田陸作品をもうちょっと読んでみたいと思っていたところに出たのが最新作の『蜜蜂と遠雷』だった。読みたかったけれど、作品紹介を読んでこれがピアノコンクールの話だと知り、クラシック音楽に全く造詣のない僕は、どうしても食指が動かなかった。キンドルでダウンロードすれば読めたはずのものもそうせず、駐在を終えて帰国するまで読むのは先送りした。

それでも帰国してから半年、まったく読んでなかったのだが、そろそろ読書メーターの「読みたい本」リストの積み上がり状況をなんとかせねばと思い、読めそうなものから読んで「在庫圧縮」を図ることにした。タイミング的にも映画が10月に公開されたばかりであるが、それが理由というわけでもない。購入ではない、近所のコミセン図書室で借りられた。

感想は今さらくどくど述べる必要はない。クラシック音楽に造詣がないので、その部分では語れないが、ピアノコンクールという場をモチーフにここまで描き切った恩田陸という作家が、なぜこのモチーフにしたのか、そして、もし元々クラシック音楽をそれほど知らない状態でモチーフを選んだとしたら、リサーチにどれくらいの時間と労力を費やしたのか、その準備過程の方に関心が行った。『夜のピクニック』と同じような匂いを感じさせる作品だが、どうやったらこういうスペシャルなイベントを舞台として取り上げられるのか、その視点の方に興味を持った。




ところで―――。

今月のブログエントリーはこれが最後となる。今月は途中８日ほど出張に行ったりしていたので、ブログエントリーの数が伸びないのは仕方なかったが、７本というのは少ないな。出張の前後にたまった仕事が集中してしまい、ブログを書いている余裕が全くなかった。書きたいネタもあったのだけれど、それに時間を充てられなかったのである。

うちの会社も罪作りだ。上の発言に振り回されて新たな仕事がどんどんできていき、それをあーでもないこーでもないとこねくり回して仕事をやたらと複雑にしてしまう。特に今週１週間は、同じ原稿を５回もリライトさせられている。微修正どころではない、完全リライトに近い。こんな手戻りの多い作業を何度もやらされて、１週間前進した感覚が全くない。そうこうするうちに自分がやりたいことは、テクノロジーが日進月歩で進み、気が付けばものすごい置いてきぼりを喰った気持ちになる。

昨日はそのギャップを痛感した１日だった。ちゃんとテクノロジーにキャッチアップしてなきゃと猛烈な焦りを感じながら職場に戻り、自分の席に着いたら、まさかの五度目のリライト指示である。しかも、できれば週末に欲しいという。なんてブラックな職場なのか。あまりに悔しくて涙が出た。職場で悔し涙を流したのは初めてだ。

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